1日1冊の読書を30年以上続けているというマーケティング・データ・バンク(MDB)の菊池健司氏。 「これからの人事・人材開発担当者はビジネスのトレンドを把握しておくべき」と考える菊池氏が、 読者の皆様にお勧めしたい書籍を紹介します。
菊池健司氏 日本能率協会総合研究所
MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
プロフィール
日本最大級のビジネス&マーケティング情報提供機関であるマーケティング・データ・バンク(MDB)所属(URL:https://mdb-biz.jmar.co.jp)。情報収集手法に関する個別企業・団体へのアドバイスを行ったり、セミナー講師としても活躍。モットーは「1日1冊」「週末精読」。
『伝わるメール術 だれも教えてくれなかったビジネスメールの正しい書き方』
平野友朗著/今年もまた新年度を迎えることができた。新元号も「令和」と決まり、新たな気持ちで今を過ごしている方も多いだろう。それにしても、新元号発表の号外の街での奪い合いには驚かされた。
今は丁度、多くの企業が新入社員を迎え入れているタイミングである。スーツ姿の若々しさ、初々しさは一目見て、新人とわかる。ご多分に漏れず、当社においても新人を迎え入れているのだが、彼らを見ていると、社会人生活28年が経過しても、初心に帰ることができるから不思議である。
ここ数年、各社の新入社員向けにビジネス情報収集の基本的な手法を教えることが増えているのだが、皆様の組織でも今は新人研修開催の真っ盛りであろう。基本的なビジネスマナー、社会人としてのあり方等々、大切な人財を預かる皆様は特に忙しくされていることとお察しする。「育つ人間は勝手に育つ」という説もあるが、やはり、入口の人材教育はその後への影響を考えても本当に重要だと感じる。
ところで、皆様はビジネスメールの書き方研修を受けたことはあるだろうか。私自身、一度だけ受けたことがあるが、実に勉強になった。メールの黎明期から使い始めた立場からすれば、ほぼすべてが自己流だったことに気がつき、研修受講後、そっとやり方を変えてみた。すると、確かに相当無駄を省くことができ、明らかに業務効率化につながった。ビジネスコミュニケーション手段におけるメールの比率が飛躍的に上昇している中で、実は基本的なセオリーを学んでいない人が多いのではないか、というのが私の仮説である。
そこで今回ご紹介するのが、まさにメールのプロである平野友朗氏によるビジネスメールの書き方本である。平野氏は、年100回以上もメールの教育をされている正真正銘のプロである。株式会社アイコミュニケーションの代表であり、一般社団法人日本ビジネスメール協会の代表理事を務められている。
本書の帯には、「メールの書き方で、仕事が変わる」と書かれているが、確かに本書に書かれているセオリーを学ぶだけでも、相当な効率化に寄与するであろう。正直知らなかったこともあり、大変ありがたい内容である。
本書は全5章で構成されており、63項目ものメール術が書かれている。第1章「正しく伝わるメールが書ける基礎知識 ずっと使えるメールの書き方・考え方」の10項目を読んでいただくだけでも、「なるほど」感が伝わるに違いない。第2章「レイアウトや言葉選びに注目 読みやすい わかりやすいメール文章術」で書かれている「読みやすいメールの三大原則」のうちの1つである「漢字は30%、ひらがな・カタカナで70%」原則は、ぜひ、意識していきたいと考えている。
読み進めるにあたっては、以下のような項目を意識した。
やはり、その道のプロに学ぶというのは即効性があり、「学び」「リターン」も大きい。前述の通り、意外に知らないことが多いというのが率直な感想であった。特に「第4章:マイルールで効率アップ」は、自身を戒める上でも大いに参考になったということを、恥を忍んで告白しておく。
新人向けのメール教本として最適であることはもちろんのこと、ベテラン社員にとっても大いに役立つ内容である。もちろん、社内外問わず、メールコミュニケーションが多いであろう人事担当者においては、必読本であることも申し添えておきたい。
この春、新たな気持ちでビジネスに臨むためにも読んでおきたい、そんな素晴らしい1冊である。
「ビジネス情報収集・活用手法」について、顧客に長年伝えてきたイチ講師として、定期的にウオッチしている情報源が数多く存在している。自分の思考の軸を形成するうえで、こうした情報源には日々本当に助けられている。・この官公庁の特定のサイトには毎週、毎月といった頻度で必ず目を通す・この経済データは発刊され次第、アップデート材料として頭に叩き込む・このビジネス誌は毎週(あるいは毎月)必ず見る。どんなにバタバタしていても、この特集だけは即日目を通す・このアメリカのランキングデータは毎年8月に発表されるので即チェックする
2024年度もこれから後半戦に突入していくわけだが、いわゆる有力ビックテック企業とも形容されるGAFAM(Google、Apple、Facebook(現meta)、Amazon、Microsoft)は、最近も様々な新サービスを発表して、世の中に刺激を与えている。Appleやmetaの取り組みを見ていると、いわゆる「空間コンピューティング」関連技術には今後、注目しておいた方が良いと思う。生成AIが秒進秒歩で進化する今は、GOMA(Google、OpenAI、Microsoft、Anthropic)の時代ともいわれている。他にも、企業の頭文字による様々な略語が登場しているのだが、テクノロジーの進化による新たなプラットフォーマーの登場は、やはり社会に与える影響が大きい。
2024年上半期(1~6月)の日本におけるM&A件数は過去最高を記録した。国内企業同士のM&Aも活発化しており、いよいよ業界間の垣根を超えた大業界再編時代がやってくる予感がしている。顧客ターゲットが近い業界同士が手を組んで、新たな産業構造の世界観を創り出す。私たちはそのような時代にこれから対峙しようとしている。これからのビジネスパーソンはやはり、見るべき世界の「レンジ(幅)」を拡げていく必要がある。特にビジネスリーダーの皆様は、横軸の知識の重要性を問われる時代になる。
生成AIの進化スピードを見ていると驚かずにはいられない。2022年11月のChatGPT登場を契機に、生成AIの話題を聞かない日はないというフィーバーぶりだ。このテクノロジーに無関係な業界は原則存在しないだろう。生成AIについては「今は少し様子を見ている」という方も多いと思うが、数年後には確実に仕事の、そして生活のインフラとなっていく。そう、インターネットやスマートフォンがそうであったように…。Gartnerが毎年公開している「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル」は大変興味深い。
「昭和」vs「令和」をテーマにしたTV番組が時折放映されているが、実は意識的に見るようにしている。昭和の世界観を見た令和の若い世代が「えー」「信じられない」といったリアクションを取る。確かに、何だかハチャメチャだなと思いつつも、きっと昭和当時のよい部分もあったのだろうなと過去に思いを馳せる。平成2年に社会人キャリアをスタートした私は、当時は元号が変わったばかりとはいえ、ありがたいことに「昭和の仕事術」を上司や先輩から学び、体感することができた世代である。今にして思えば、素晴らしい学びも、時には理不尽だと感じることも諸々あったが、それでも、昭和のアナログコミュニケーションを経験できたことは、今、令和の時代を生きていく中でもよかったと思っている。
経済産業省「産業構造審議会経済産業政策新機軸部会」において、2040年を見据えた日本産業の在り方に関する議論が展開されている。 2024年4月現在、第3次中間整理が進んでいる状況である。日本の未来を考える上で、重要な議論が展開されているので、是非見ておいていただきたい。第22回 産業構造審議会経済産業政策新機軸部会第1回から振り返ってみても、この審議会の議論においては、「リスキリング」というキーワードが随所で登場する。「リスキリングに取り組む個人は、年齢に縛られず学び直しを行い続けることで、賃金が上がりやすくなる」と明記されている。
産業界を取り巻く環境は引き続き不透明であり、「先が読めない時代」などとも形容される今日この頃だが、それでもこれから確実に起こることがある。それは「テクノロジーの進化」である。生成AIの劇的な進化やロボットによる自動化の進展は、象徴的な事例と言えるだろう。スマートフォンが登場してまだ15年、Twitter(現X)、Facebook、YouTubeが登場してまだ20年、Instagramが登場して約14年、TikTokは8年弱、ChatGPTに至っては、まだ2年も経過していない。私たちが日頃から、その恩恵を受けているこうした優れたICTツールも、歴史を刻んでいくまだ道の途中である。
サッカー観戦が好きで、日本代表の試合には、若い頃からよく足を運んでいる。かつては東京から夜行バスに揺られて、試合を見に行ったこともあった。なかなか熱心なサポーターであった。今でも、関東近郊で行われる試合は、スケジュールが許す限り見にいくようにしている。もちろんTVやネット中継等で見られることもありがたいのだが、特定の選手の動きを直接目で追ってみると、その動きの狙いが見えて実に面白い。近年、そのプレースタイルが好きな選手の1人に遠藤航選手がいる。遠藤選手は、現在、イングランドのプレミアリーグというまさに世界最高峰のハイレベルなリーグのリバプールに所属している。
かつて「24時間働けますか?」という栄養ドリンクのCMソングが流行ったことがある。若い読者の方は、ご存じであろうか。私も若い頃、このCMに出てくるように、「もしも24時間フルで働けたら」どんな成果が残せるのかを考えたことがある。もちろん、そのような働き方をしたかったわけではないのだが、ある程度自分の仕事に自信が持てるようになり、それが成果として現れてくると、「さらに頑張りたい」という欲も沸いてくる。時には、時間を目いっぱい使って頑張らなくてはいけないときもある、と当時は信じていた。いわば、「自分の時間」を仕事に投資する感覚である。今の時代感からは想像もできないことだが、当時は大残業したり、休日出勤することがカッコいいと思っている自分がいた。
読者の皆様も、新聞や様々な経済情報ソースにおいて、企業間の業務提携や資本提携、合併・買収に関するニュースをご覧になられることが多いであろう。これは、いわゆるM&A(Mergers and Acquisitions)情報と呼ばれ、未来のビジネスシーンを予見する上で、非常に重要な情報である。「あの会社とあの会社が合併……業界の競争が一段と厳しくなりそうだな」「あの会社とあの会社が業務提携…ふむふむ、一体何を仕掛けるつもりであろうか」「あの大企業とあのスタートアップが連携……なるほど、世の流れをこういうふうに読んでいるのか」
データサイエンティストは、「DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材」と定義されている(独立行政法人情報処理推進機構)。世界そして日本のビジネスシーンにおいて、データサイエンティスト人材の採用合戦が繰り広げられている。Harvard Business Review誌にて、データサイエンティストが「21世紀で最もセクシーな職業である」という論考が展開されてはや10年以上……。2022年のHBR誌においても、データサイエンティストに関する言及があるので、是非ご覧いただきたい。
毎年1月の初めに、全米家電協会(CEA)が主催するCES(Consumer Electronics Show)がラスベガスで開催される。全米家電協会が主催することもあり、家電製品が主体ではあるが、近年は自動車をはじめとしたモビリティ系の製品も多くお目見えするようになった。年明け早々、世界の先端テクノロジーが随所で披露されるイベントということもあり、注目度は高い。もちろん私も“世界の新たな息吹”を感じられるイベントとして、大企業はもちろん、未来の主役となるスタートアップ企業の発掘、そして、「どの国に勢いがあるのか?」を検証できるイベントとして、毎年注目している。
MD世界競争力センター(World Competitiveness Center)が毎年公表している世界競争力ランキングには常に注目している。本ランキングはその名の通り、国の規模感に関わらず、国際競争力を示す貴重なデータであり、1989年以降、35年に渡り興味深い結果を届けてくれている。164もの統計データと、6400人の世界の上級経営陣から寄せられた92の質問に対する回答をもとに、「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4つの因子に整理して、競争力の順位を決めている。相当、本格的な調査データである。
本連載や人材開発専門誌『Learning Design』の連載である「続・書籍に学ぶビジネストレンド」でもよくお伝えしているのだが、私はいわゆる「時間術」本フリークである。時間術関連の書籍については、表紙を見てピンときたら、ついつい即買いしてしまう。すなわち、常に自分の時間術には改善が必要だと思っていて、時間の使い方関連の本には目がないのだ。どんなにクタクタでも、1日の終わりには振り返りの時間を持つことにしている。読んだ本の短評作成や、情報コンサルタントという仕事を生業としていることから、仕入れた有益な情報のポイントをデジタルメモに入力する等、なかなか手間がかかるが、一度止めてしまうと“きっとやらなくなる”という“小さな恐怖心”から、何とか長年この習慣を続けている。
前号では『日経テクノロジー展望2024 世界を変える100の技術』(日経BP)を紹介させていただいた。これから世の中でどんなことが起こっても、テクノロジーは確実に進化していく。これは間違いない「未来」である。喫緊の課題を解決するテクノロジー、未来に大きな影響を与えるテクノロジー、その実現がいつになるかによって、社会の流れも大きく変化していく。おそらく多くのビジネスパーソンがテクノロジーの進化による恩恵には賛同するものの、自分の仕事はどうなっていくのだろうか……という漠然とした不安に駆られているのではないか。
2022年11月に彗星のごとく登場したChatGPTをはじめとした生成AI関連テクノロジーは産業界はもちろんのこと、ビジネスパーソンの仕事にも既に大きな影響を与え始めている。うまく使いこなせる人とそうでない人の差は驚くほど広がっていくと予想している。縁起でもない話だが、既にメディアでも、海外を中心に「AI代替退職」というキーワードを目にする時代となってきた。2023年8月に経済産業省が公表した「生成AI時代のDX 推進に必要な人材・スキルの考え方」を見ていても、多くの業界において、ビジネスモデルそのものの見直しを迫られることは想像に難くない。
2023年の夏もそれはそれは暑い夏であった。地球温暖化の影響はあまりにも大きい。ちなみに、環境省が公開している「2100年の天気予報」によれば、2100年8月21日の東京の最高気温は43.3℃である。体温より遥かに高い気温のなか、人々はどのように生活しているのだろうか……。さて、そんな激暑の最中ではあるが、毎年8月の後半がやってくると「ああ、もう時期か」と、自分の中で風物詩を感じる書籍がある。それが今回ご紹介する『会社四季報業界地図』である。今年も東京駅近くの大型書店で大陳列されている姿を見て、即買いさせていただいた。13年連続売上No.1を誇る、この「業界地図」本は、様々な業界で今何が起きているのかを1冊で学ぶことができる優れものである。
野球のワールドカップともいうべき、2023WBC(World Baseball Classic)は今振り返っても、素晴らしい大会であったと思う。信じられないほど、時間の経過が早い。あれからもう5カ月以上の時間が経過したのか……としみじみと考えさせられる。2023年は8月~9月にかけてバスケットボールのワールドカップが、9月からはラグビーワールドカップが、そして、2024年夏にはフランス五輪が開催される。ごく最近の話題ではあるが、バスケワールドカップは、日本の試合が沖縄で行われたこともあり、大変な盛り上がりとなった。
この夏もよく書店に足を運んでいるのだが、やはりというか今の時代感というか、未来予測関連本、世界情勢関連本、投資リテラシー本、リーダースキル本、テクノロジー解説本、そして生成AIとりわけ「ChatGPT関連本」が目立つ場所に陳列されていると感じる。私自身、書店に出向く大きな目的は、①陳列や平積みを眺めて時代の流れを感じ取る、②知らない本との出会い(できる限り、関心の薄い棚にも足を運び、意外な出会いにワクワクする)、この2つが大きい。
ビジネス書には様々な種類がある。ビジネスに役立つという観点では、本連載でもよく紹介しているが、最新知識や利用方法などを知るために一気に読み進めるタイプの本(ex:ChatGPTの利用方法、時間術本など)。もちろんこうした本も重要である。一方で、ずっと書棚に鎮座し、幾度も読み返す、熟読する、その本に書いてある通りにトライしてみるといった自分のプロセスを語るうえで欠かせない「教科書」タイプの本もある。読むための知識が必要な本も多いが、先行き不透明な今の時代、こうした本の重要性が増していると感じるのは私だけであろうか……。
読者の皆様はChatGPTを既に使っておられるであろうか? もはや目にしない日はないこのビジネスキーワード。いつしか当たり前のように登場するようになったChatGPTの知名度は既に100%近いかもしれない……。先頃、一般社団法人ウェブ解析士協会が発表した「SNS流行語ランキング」(2023年1~3月分)においては、当然のように第1位に輝いている。ちなみにこのランキングデータは見ておいた方がいいと思う。特に、デジタルリテラシーが重要な時代において、私のようなベテラン世代こそ、必見であると感じる。
経済産業省が産業構造審議会新機軸部会において、以下レポートを公表している。「国内投資拡大・イノベーション加速・所得向上に向けたグローバル企業の経営について」(2023年1月)全体的に興味深い内容なので、よろしければ是非ご覧いただきたいのだが、とりわけ私が注目したのは、P.35「②イノベーション:経営者ヒアリングの声」である。たとえば、一番初めに機械メーカーの経営者の声が記載されている。このような感じである。「研究開発部門に常に言っているが、最近は答えの分かっている、結果の出そうなこと、3~5年先しかみてないことばかりな印象。
2023年3月13日、マスクの着用が個人への裁量に任される流れとなった。街を見ていると、まだまだ慎重な時代感を感じるが、2023年5月8日には、新型コロナは5類に移行される。それにしても、長く厳しい3年間であった。2023年度、世の中は、そして人々は大きく動き出すであろう。東京駅を観察していても、随分と海外から日本に来る方が増えた。2023年2月の訪日外客数は1,475,300人。まだまだコロナ前には遠く及ばないが(対 2019 年同月比:56.6%)、それでも「動き出す息吹」は強く感じる。日本人海外旅行者数も2023年のゴールデンウイークやお盆期間は急回復が期待できるであろう。
少し前の話題となるが、昨年末のサッカーのカタールW杯では様々な熱戦が繰り広げられた。オリンピックもそうだが、スポーツのビッグイベントはいざ始まると、多くの人々がのめり込んでいく。かくいう私もその1人である。ABEMA TVでの全試合放送は画期的であったし、解説者としての本田圭佑氏のコメントは高揚感をより高めてくれた。長年に渡り、リオネル・メッシ選手を応援している者としては、アルゼンチン代表として見事優勝を果たし、チームを牽引したキャプテンの雄姿を見ていて素直に感動した(決勝戦の映像は永久保存版だと思う)。
ここ数年、企業研修の一環として、「未来について考える」研修の講師業務を担当させていただく機会が増えている。今の不透明な時代感のなかでも、様々なチャンスを見出そうとしている企業の皆様の熱意を強く感じる。未来に起こることを想起しながら、自分たちのお客様や業界を取り巻く未来がどう変化していくかを、一度立ち止まって、異なる部署の方々と意見交換を行う。実際に講師を担当していて、今は「一度立ち止まって、中長期の視点で未来を見据え、これから何をすべきかを考えてみる」ことが重要だと思えてならない。
2023年1月、中国の人口減少のニュースが飛び込んできた。中国国家統計局によると、2022年末の人口は14億1,175万人(▲85万人)となり、実に61年ぶりの減少である。国連の予測によれば、2023年中にはインドが中国を抜いて、世界一の人口国となることが確実視されてはいたが、中国の人口減は(予想されていたとはいえ)驚きを持って個人的には受け止めている。人口増加国には注目が集まるので、2023年は日本でもインドにより注目する企業が増えていくと思われる。
Withコロナの世界感においては、働き方においても大きな変化が生じた。最近の電車の混雑度合いなどを見ていると、思いのほか出社する方が増えた印象があるものの、それでも「出社+リモート勤務」併用で活躍されている方が増えたことが1つの大きなポイントだと思う。読者の皆様の勤務先ではいかがであろうか。
オリンピックのようなスポーツイベントは、もちろん事前の高揚感もあるのだが、いざ始まってみると、多くの選手やチームの活躍をきっかけに一気にその“流れ”にいい意味で引き込まれていく印象がある。 もう1年以上前になるのか……とある種の驚きを感じているのだが、2021年に開催された東京オリンピックそしてパラリンピック、そして冬季オリンピックも様々な感動と感激を私たちに届けてくれた。
今、ラジオNIKKEIで毎週木曜日昼12時~オンエアされている「ソウミラ~相対的未来情報発信番組」に出演しているのだが、ラジオやYouTubeの向こう側にいる姿の見えないリスナーの方々に対して、限られた時間のなかで、「何をどうわかりやすく伝えるか」を日々思い悩んでいる。実際、復習のためにオンエアを聴いてみると、「もっとこういう話をすればよかった」「もっと話のテンポをよくしないと……」等々、反省することばかりである。様々なジャンルのビジネスリーダー方から「うちの部門全員で聴いているよ」などと声をかけていただく機会もあり、本当にうれしいのだが、さらに高みを目指していきたいものだ。
日々、ニュース記事に怒涛のように目を通す時間を意図的に作っている。見出しをまずはざっと眺め、ピンときた記事は本文にも目を通す。 そして、記事を読んで自分が感じたこと……たとえば、“この企業のこの動きはこの業界に大きな影響を与えそうだ”ということを記録するようにしている。社会人になってはや32年以上……、かつてはノートにネタ帳のように書き込み、今はExcelで管理している。ツールはどんどん進化しているので、また新たなツールも試しながらこのネタ帳をグレードアップしていきたいと意気込んでいる。
人材採用大手のエン・ジャパン株式会社が実施した「社会人の学びに関する調査」によれば、 アンケート対象者の半数の方が何らかの「学び」を現在実践、あるいは実施したことがあると回答している。なかでも、「経営・ビジネスに必要な知識・能力」の習得に注目している方が多いようだ。今の延長線上に未来を描くのが難しい時代である。やはり、「どこに行っても通用する力」を身に着けておかなくては……と肌感覚的に感じている方も多いのであろう。
随読者の皆様は普段、メモはどのように取っておられるであろうか。手帳派、ノート派、PC派、スマホ派、あるいは混合ハイブリッド型……? 最近は電子メモツールも非常に優れた製品が出てきているので、そちらをご利用の方もいらっしゃるであろう。私はと言えば、実は未だに試行錯誤の連続で、ノートを使ったり、メモパッドを使ったり、新製品の電子メモツールを使ったりしている。昔から文具好きなので、かっこいいノート類を文具店で見つけると、ついつい手が伸びてしまう。一方、新製品ガジェットにも興味津々で、いつも新たな電子ツール情報を気にしていたりする。コロナ禍に突入してからは、Web打合せが格段に増加したため、PCのメモツールを使うことも増えた。
随分と前の話になるが、「あなたはなかなか可愛げがあるよね」という顧客や上司からの言葉を、実は最高のほめ言葉と受け止めていた時期がある。さすがに齢50代中盤ともなれば、もはやそのようなことを言われることもないのだが、自分自身が歳を重ねて今に至り、後輩たちを見る1つの目線として、気がつけばこの「可愛げ」を大事にしている自分にふと気づく。企業の皆様と新規事業探索や未来探索において、これからの社会を想起する機会が多いのだが、やはり「ビジネスパーソンや生活者の幸せに貢献できる商品やサービス」を検討する流れにおいては、この「かわいい」というのはどうやら1つのキーワードになりそうですね……という展開になることが随分と増えたように思う。
気がつけば30年以上にわたり、ビジネスパーソンに向けて「ビジネス情報収集・活用手法」を指導する講師として、多くの登壇機会を頂いている。こうしたセミナーや研修に多くの需要があるのは実にありがたいことなのだが、裏を返すと、これまでの教育シーンにおいて、こうした手法を学ぶ機会があまりないということも大きいのだと思う。情報収集・活用を主体とした部課長研修を実施した後に、よく「もっと若い頃に聞いておきたかった」という感想を頂く。実は情報収集・活用手法にはコツがあり、しっかり学び、実践さえすれば、ビジネスパーソンとしてのスキルを大きく上げることが出来る。
近年、「地政学リスク」というビジネスキーワードを耳にする機会が随分増えた。テロや戦争、財政破綻などから生じるリスクを意味するが、とりわけ投資家の立場からみた不確実性を指すとされている。元々は、2002年9月に米連邦準備制度理事会が使用したことから始まるといわれるこのキーワードは、近年、経済誌紙ではもちろんのこと、TVのワイドショーでも日々取り上げられるようになった。ウクライナ情勢、台湾情勢の流れを受けて、経営者の間では、この不透明な時代における最大の関心事の1つと言っても過言ではない。今、経営課題に関する経営者アンケートを実施したら、必ず上位に「地政学リスク」の話題が登場するであろう。
DX(=デジタルトランスフォーメーション)。経済産業省では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義している。皆様の所属先でも、時には話題となるビジネスキーワードの1つだと思う。所属先での取り組みの状況はいかがであろうか……。
1日1回は必ず、最新テクノロジーについて考える時間を10分程度設けるようにしている。仕事柄、様々な企業の未来戦略構築を支援している関係で、「知らないことを出来る限りなくす」ために重要な時間である。テクノロジーの進化が「確実な未来」であることが理由としては大きいのだが、「テクノロジーの進化によって、世の風景はどう変わるのだろう……」ということを考えることが自分にとってある種「癒し」の時間でもあるのだ。
2022年5月31日、経済産業省が「未来人材ビジョン」を公表した。人事担当者の皆様においては、当然注目すべきビジョンである。2030年、2050年の産業構造の転換を見据え、「旧来の日本型雇用システムからの転換」、「好きなことに夢中になれる教育への転換」を柱とした内容となっている。
つい先日、仕事の関係で久々に大阪駅に降り立った。コロナ禍の影響で企業研修等もその多くがオンライン開催だったが、少しずつリアル開催が戻ってきて、本当にうれしく思う。さて、大阪駅に降り立って思ったのは、「街の勢い」である。やはり活況に向けて動いている街の息吹というものをところどころで感じることが出来る。駅周辺も随分変わったなあと思いながら、しばし思いにふけっていた。
未だ長い長いコロナ禍にある日本そして世界だが、徐々にコロナ前の生活環境を取り戻そうとする動きが加速している。本連載読者の皆様もオフィス出社頻度が増えた方が多いのではないだろうか。最近では、2022年5月からホンダが国内全社を対象に原則出勤とするという報道も出ていた。
2022年5月7日(現地時間)に投稿されたイーロン・マスク氏のTwitterでのつぶやきの内容は衝撃的であった。Twitter界隈は当然として、ニュースでも幅広く取り上げられたので、気になった方も多いのではないか……。
日本が世界トップの「少子高齢化国家」「長寿国家」であることはよく知られている。「世界最速高齢化」が進むことは紛れもない事実であり、「課題先進国」などというありがたくない異名をとっている現状に歯がゆさを感じるが、逆手に取れば、「社会課題解決型ビジネス」が今後様々登場する可能性が高く、日本で成功した商品したサービスが世界展開にそのままつながる可能性もある。
世界における様々な報道を見ていると、新たなテクノロジーの進化に驚かされる。新たなテクノロジーは確実に私たちの未来に変化をもたらす。1996年、そう今から約26年前にインターネット環境が世に登場した当時、ここまで世の中の中心インフラとなることを想起していた人はあまり多くなかったように記憶している。ご存知の通り、ほどなくしてインターネットは世界中に広がり、今となってはインターネットのない世界感は考えられない状況となっている。
日本経済団体連合会(経団連)が2022年3月15日、「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して」を発表した。このビジョンは、本連載フリークの皆様には是非お目通し頂きたい。2027年、これから5年後を目標に「スタートアップの数を10倍=約10万社に」「スタートアップへの年間投資額を10倍=約10兆円に」「ユニコーン企業数を10倍=約100社に」等、日本のスタートアップ環境を劇的に変えていくというビジョンである。
前号では、元JAXA(宇宙航空研究開発機構)の齊田氏による未来テクノロジー書籍をご紹介した。きっとワクワクながら読んでいただけた方が多かったのでは……、と拝察している。今回も素敵な未来を感じさせてくれる、そして“奮い立つ”1冊をご紹介したい。オードリー・タン氏……。その圧倒的な知名度につき、もはや解説は不要かもしれないが、台湾のデジタル担当政務委員(閣僚)であり、現役プログラマーでもある。
たとえば2040年の東京に行くことができたとしたら、「凄い凄い、○○になっているよ、○○が当たり前になっているよ。それにしても未来は凄いなあ……」などと興奮気味に語っている自分が想像できる。
イーロン・マスク氏率いる宇宙企業スベースXによる衛星の打ち上げ、Amazon創業者であり、宇宙ビジネスの成功に意欲を見せるジェフ・べゾス氏、そしてZOZO創業者である前澤友作氏による宇宙旅行の成功等々、宇宙に関する話題がニュースでも随分取り上げられる時代になった。
文化庁「令和2年度 国語に関する世論調査」によれば、ビデオ通話やウェブ会議等で気を付けていることという問いに対して、「自分が話すタイミングに気を付けるようにしている(58.4%)」「はっきりとした発音で話すようにしている(53.6%)」の2つが過半数を超える回答を得ていた。
オミクロン株の拡大が続いているが、重症化リスクが比較的低いこともあり、欧米やアジアの主要国は徐々に「開国」路線を歩み始めている。 日本は慎重な国であるがゆえに、まだしばらく「鎖国」トレンドが続きそうだ。
オミクロン株が猛威を振るい、本稿執筆段階でも、コロナ感染者数が日々過去最高を更新している最中だ。しかし、いずれピークアウトのタイミングを迎え、経済活動を極力ストップすることなく、世の中は前へ前へと進んでいく……。 2022年は「反転攻勢」という言葉が1つのビジネスキーワードだと考えている。2021年は「リセット」の年だった。今年はコロナと冷静に闘いながらも、アフターコロナの世界感に向けて、「仕掛ける1年」となる……、そのような予感がする。
新年あけましておめでとうございます。読者の皆様にとって、2022年が素晴らしい1年になることを願っています。そして、本連載では、これからも仕事に役立つユニークな書籍を多数紹介していく所存です。引き続き、どうかよろしくお願いいたします。 さて、予想されていたことではあるが、オミクロン株の急拡大が年明けの日本、そして世界に暗い影を落としている。威力はデルタ株には劣るという報道もあるが、その強い感染力は脅威であり、少しずつ戻りつつあった世界の情勢に水を差さないで欲しいと願うばかりである。
本連載136回では『おいしいニッポン 投資のプロが読む2040年のビジネス』(藤野英人著/日本経済新聞出版)を紹介した。同書の「はじめに」で、以下のような記述がある。 「たとえ天変地異が起きたとしても、DXが進んで私たちの生活が大きく変化していくことは間違いないでしょう。そのようなメガトレンドを追えば、10年後20年後の世の中がどうなっているのかを描き出すことは可能です」
いつしか年の瀬である。年の瀬には、様々なランキングデータが発表される。 毎年、京都・清水寺にて発表される恒例の今年の漢字には「金」が選ばれた。東京オリンピック・パラリンピックにおける数多くの金メダルの獲得や大リーグ・大谷選手をはじめとした様々な金字塔が「金」という言葉の原動力となった。 コロナ禍は世の中に暗い影を相変わらず落としているが、それでも前向きな言葉が多くランクインしており、2022年以降の「反転攻勢」に向けて、個人的にも頑張らねばと強く感じる。
気がつけば、いつしか2021年も年の瀬を迎えている。コロナ禍の影響が尾を引き、また、ここにきて「オミクロン型」が猛威をふるうのでは……という嫌な予感にさらされている。 とはいえ、2年間の経験値を得た私たちは、コロナの動きに注視しながら、1年前よりも「前向き」に2022年を迎えることになるのだろう。 いまのような「迷い」の時代には、ビジネス書のなかでも、素晴らしい経営者の考えを学べる書籍を読むのがよいのではと感じている。もちろん、全く同じことができるわけではないが、「学ぶ」ことはできるし、何かの決断をしなくてはならないときの羅針盤になることは間違いない。本連載でも、定期的に素晴らしい経営者の書籍を順次取り上げていきたいと考えている。
顧客と未来談義を交わしていると、時折以下のような意見に出会うことがある。 「世の中の様子を見ていると、この10年間を見ても、平成から令和に移行しても、そんなに劇的に変わった気がしない。これからの10年20年も言われているほど大きな変化がないのではないか……」 皆様はどうお考えになるだろう。 なるほど、確かにものすごく劇的に変わったかどうかは評価が分かれそうだが、それでもゆっくりと着実に世の中は変化している。「便利」になったことは確かであろう。
MDB(マーケティング・データ・バンク)には日々数多くの顧客から調査相談が寄せられる。市場情報、技術情報、生活者情報(アンケート結果)を探して欲しい、という案件をはじめ、様々な依頼が寄せられるのだが、近年、ケーススタディ探索案件を頂く機会が増えている。 ケーススタディと言っても多種多様なのだが、企業の取組みの成功事例と共に、「失敗事例」を調査したいという相談も多い。 実は私自身、若い頃から「失敗」を受け止め、分析することが成功への近道だとずっと信じ続けている。
2021年10月28日、FacebookがMetaに社名変更を行った。このシンプルな4文字には、同社の今後の狙いがそのまま反映されている。 ご存知の通り、巨大プラットフォームが故に、Facebookの周辺は何かと慌ただしい。最近もFacebookにおける顔認識技術の使用停止を公表したばかりだ。 Metaは「先に」を意味するギリシャ語が語源となっている。そしてこの社名にはメタバース市場への思いが込められている。メタバース(metaverse)とは、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語であり、マーク・ザッカーバーグ氏はこの超巨大な「仮想空間関連ビジネス」が間違いなく急成長市場になると、社名変更を通じて、世界に発信している。
つい先ごろ、一般社団法人日本能率協会から「当面する企業経営課題に関する調査」の最新版が発表された。実に42回目の発表である。 長期で定点観測できる情報源はさほど多くはない状況において、貴重な調査データとして毎年興味深く読ませていただいている。特に今はコロナ禍という有事の時期であり、企業の現在地については、是非把握しておきたいところだ。 最新調査結果によれば、新型コロナ感染拡大の影響を踏まえて、ビジネスモデルや事業形態を変更した企業が53.3%に上るという調査結果が出ている。
日本経団連がリカレント教育に関するアンケート調査を実施した結果、実に9割近い企業が「大学等が行うリカレント教育に関心がある」と回答していた。 なるほど、学び直しは重要であり、その関心の高さが伺える。 個人的には、これからのビジネスパーソンも「ポリバレント」(化学用語で「多価」を指す)、すなわちいくつかのポジションをこなせる人材が重用されるような気がしてならない。
先頃、自民党総裁選が行われ、岸田文雄氏が新たに総裁に就任し、100代目の内閣総理大臣になられることが決まった。 ただでさえ「課題先進国」と揶揄される多くの社会課題に加え、コロナ禍や国際情勢等々、課題山積の日本の国家の舵取りを担うのは大変な重責だと思う。総理大臣よりも大変なリーダーはさすがにいないのでは、と最大限の尊敬の念を込めて申し上げると共に、国という「最も大きな組織の」新たなリーダーの手腕には注目が集まる。
「カーボンニュートラルの流れを考えると、○○ビジネスが意外に本命になるかもしれません」 「5年後からは○○世代が時代の中心になっていく。そうなると消費者は○○のような変化を遂げていくと思います」 「テクノロジーの変化はどれも興味深いですが、私は世界を変える本命は○○だと睨んでいます」 いつしか顧客の前で未来のビジネスや生活シーンについて語り、真剣に議論し、未来を一緒に描く仕事をするようになっていた。私自身、正直なところ、10年前には今の自分を想像することはできなかった……。
世界にはすごい会社が多数存在する。 もちろん「すごい」の定義は人によって様々かもしれない。非常に優れた、時には並外れた技術力やサービス力を駆使して、社会に貢献、顧客課題や社会課題を解決し、自社も発展し、社員も幸せな生活を送れている、そのような会社を私としてはイメージしている。
気がつけば、9月の始まりである。早すぎる時の流れに、時折、戸惑いさえ覚える。 コロナ禍は残念ながらまだしばらく続いてしまいそうだ。各所で発令されている緊急事態宣言は期間延長を余儀なくされるであろう。
コロナショックは様々な業界の未来を「前倒し」したと考えている。たとえば、本連載第125回でご紹介した河合雅司氏の『未来のドリル』(講談社現代新書)によると、コロナ禍により、婚姻件数減少に起因する少子化トレンドは実に18年も早まった。 多くの企業が経営計画の変更を余儀なくされ、新たな未来を描き始めている。「稼ぎ頭」となる事業の転換を図る企業も増えている。10年も経過すれば「あそこは元々○○事業をやっていた会社だったんだよね」と言われる企業が増えるだろう。
化学メーカー、自動車部品メーカーや電子部品商社等々、いわゆるBtoB関連企業の人材担当者の方から、「当社はマーケティング力が弱く、今後が不安なので、マーケティングに関する研修を実施してくれないか」という相談を随分と多く受けるようになった。 ただ課題感をヒアリングしていると、「マーケティング」と一言で言っても、その定義は顧客によりマチマチである。「当社は販売活動のことをマーケティングと総称している」「プロモーション・広告活動をマーケティングだと考えている」「顧客に選ばれる活動こそマーケティングである」「有名になることこそマーケティングである」等々……。
既に7月も終わりに差し掛かり、気がつけば今年も夏休みシーズンを迎えている。残念ながら2年続けてステイホームの夏である。コロナは相変わらず過去最高の感染者数を記録する等、なかなか事態の収束が見えない。まだまだ長い戦いが続く。 一方で、賛否両論ありながらも開催されている2020東京オリンピック。ふたを開けてみれば、やはりと言おうか結果に関わらずアスリートの頑張りに感動を覚えるし、自分も頑張らなくてはと心底奮い立たされる。13歳の金メダリストが誕生する等、「若い人凄いな」というのが正直な印象だ。
私が勤務している日本能率協会マーケティング・データ・バンク(MDB)には日々数多くの顧客からの調査依頼が寄せられている。コロナ禍でビジネス上の制約も多い環境下ではあるが、それでも、いずれ「鎖国」が解けるタイミングを見越してか、グローバル関連の調査案件は増加傾向にある。日本で成長するためのヒントを世界から得るという視点も重要であろう。 私自身、レギュラー出演しているラジオNIKKEIのソウミラ(毎週月曜日20:20~)にて、海外関連のビジネスデータを主体にご紹介しているのは、そうした背景もある。
Google、Apple、Facebook、Amazon、MicrosoftのいわゆるGAFAM、そして中国のBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)。将来を見据えても、世界の2大大国であるアメリカと中国の巨大テック企業が仕掛ける事業展開や投資トレンドはビジネスパーソンが注目せざるを得ない情報の筆頭格といえるであろう。 未来の事業計画を立案するうえではなおのことである。
先日たまたまテレビを見ていたら、ウルトラセブンのリマスター版が放送されており、つい見入ってしまった。 1967年制作のこの特撮ヒーロー劇場を見ながら様々な思いが駆け巡る。モロボシ・ダン隊員は今見てもかっこいいなあとか、ウルトラ警備隊に入りたいなあ等々……。過去の作品は、視聴と同時に走馬灯のように思い出をも蘇らせる。
幼少の頃から勧善懲悪型の時代劇が大好きで、今もCSの「時代劇専門チャンネル」の大の愛聴者である。特に、江戸時代の8代将軍徳川吉宗公を題材とした「暴れん坊将軍」シリーズには目がなくて、今でも疲れた頭を癒すためによく見させてもらっている。 ワンパターンと言うなかれ、そのワンパターンがまた良いのだ。将軍や参謀が考える戦略、そして悪党の考える戦略、時代背景を考えると、なるほどと頷くことも多い。
「未来創造×未来想像」。未来を想像し、未来を創り上げる。こうした取り組みをされている方々は本連載読者にも多いと思う。 前にもご紹介したが、数年前から日本においても「未来創造室」「未来探索室」「2030プロジェクトチーム」といった部署名称を見かける機会が増加し、特にコロナショック発生以降、その傾向が強まっている。これはコロナによって元々想定していたビジネス環境の前提が大きく変わってしまったことが大きい。未来を想起しながら、新たな「稼ぎの仕組み」を考えざるを得なくなっているのだ。
2021年6月初旬、1都2府7県において、政府による緊急事態宣言が発令中である(2021年6月20日までの期間)。この流れは果たしていつまで続くのであろうか……。
今回は今後の人材育成を考える上で、そして自分自身の未来を想起する上で是非ともお読みいただきたい1冊を紹介したい。大学生をはじめ、3000人もの人生を変えた超自己発見メソッドと形容される「ジーニアスファインダー」。自身の天才性を見つけ、それを活かしていくための手順が指されている。
コロナショックに伴い、ステイホームを強いられている世界において、eコマースビジネスは大きく市場が伸長している。具体的な数字の発表はまだこれからだが、2020年度は世界も日本も間違いなく2桁成長を遂げたと見ている。日本は世界から見るとEC化率の遅れを指摘されているが、それでもキャッシュレス化と共に、居ながらにして様々な商品が手に入るeコマースの恩恵に預かっている方も多いだろう。 先日、あるビジネスニュースを見ていたら、シャットイン経済化につき、海外においては、日本の伝統的な製品をeコマースで入手する方が増加している、という話題が出ていた。 当分の間、観光目的での来日がままならないであろう状況下において、世界から日本の製品がリスペクトを集めていることは素晴らしい。厳しい状況下における明るいニュースだと思う。
毎年4月というのは、多くの企業において組織変更やそれに伴う人事異動などもあり、慌ただしく時間が経過し、気がつけば、バタバタした状況であっという間にゴールデンウイークを迎える。私自身、自分の使命が少し変わった影響もあるのだが、今年は特にそういう印象が強かった。 悲しいことに2年続けてコロナ禍の春を迎えているわけだが、2021年度はどれだけ自社のビジネスモデルを強固にするために準備ができるかが大きなカギを握る。ゴールデンウイーク明けすぐからテレワークを駆使し、フルスロットルで仕事を進める方も多いであろう。 一方、多くの時間をステイホームせざるを得なかった今年のゴールデンウイークは頭の中をリセットする丁度良いタイミングであったのではないかと思う。
最近、新刊・既刊問わず、「ビジネスモデル」について書かれた書籍を怒涛のように読み続けている。いまも私の手元には10冊ほどの名著・良書が積み上がっている。 仕事柄、様々な企業の未来創りを手伝うことが多く、よく顧客から聞かれるのが「こういうビジネスモデルって過去にありましたっけ?」という内容である。 どんな「素晴らしいアイデア!」と思しき内容でも、先人が別の形ですでに生み出していることが圧倒的に多い。大抵の場合「このケーススタディが近いですね」「少し違いますが、異業種ではすでにこんな形で取り入れられていますね」というような会話を交わすことになる。
この4月も各所で「未来予測」研修やセミナーを実施させていただいている。業種業界はバラバラなのだが、最も多いオーダーは、「未来予測×SDGs・DX」というテーマである。 コロナ禍の渦中、各社は2021年度どう自分たちの将来を探索していけるか、まさに血眼で検討を進めている。2021年度は未来を決める1年といっても過言ではない。 そこで今回ご紹介するのは、デジタルホールディングス(前社名:オプトホールディング)の代表取締役会長である鉢嶺登氏による刺激たっぷりの1冊である。本の表紙には、楽天会長兼社長である三木谷浩史氏による「覚悟を決めて挑戦せよ!」という推薦コメントが、顔写真と共に本書にさらなるインパクトを与えている。
2021年も4月を迎え、新年度がスタートした。それにしても時の流れが速い……。皆様はいかがお過ごしであろうか。 コロナ禍は第4波を迎えようとしており、危機感が募る。不透明感も強い。ただ、ビジネスシーンにおける先行き感は少しずつだが、改善の兆しが出てきているようだ。 4月という多くの企業が年度初めを意識する中で、本連載も気持ちを新たにまたスタートしていきたいと考えている。読者の皆様におかれましては、引き続き、ご愛読のほど、どうかよろしくお願いいたします。 年度初めに当たり、有名ブランドの復活ストーリーを描いた1冊を今回は取り上げてみたい。業種業界問わず、必読の1冊であることをお伝えしながら……。
コロナショックの影響を色濃く受けた昨年であったが、その影響は企業の生命線ともいうべき人材採用にも影響が現れている。 帝国データバンクが3月15日に公開した「2021 年度の雇用動向に関する企業の意識調査」によれば、2021 年度の正社員採用を予定している企業は全体の 55.3%となり、2012 年度以来の水準に低下してしまった。 大企業・中小企業共に数字が低下してはいるが、中小企業のなかには「新型コロナの状況下で募集企業が減少しているうちに採用したい」という採用に積極的な意見も目立つという。学生や転職希望者からすると、コロナ禍は災難以外の何物でもないが、中小企業やベンチャーにとっては優秀な人材を獲得するためのチャンスかもしれない。
一都三県で発令されている政府による緊急事態宣言は、3月21日で解除の方向で検討が進んでいるようだが、コロナとの付き合いは今後も長くなりそうである。 コロナ禍において、リモートワークが進み、「考える」時間が増えたビジネスパーソンも多いと思う。そこで浮き彫りとなったのは、ビジネスパーソンに不足している「思考力」だ。 根幹的な力である「思考力」を理解し、しっかり磨いておかないと、新たな仕掛けをする上でも、事業を考える上でも、未来を想起する上でも、正直心許ない。 それでは、「思考力」を磨くにはどうすればいいのか? 今回はそのような疑問に見事に答えてくれる1冊をご紹介したい。勇気を持ってスピーディに決断し、時代を切り拓いた経営者の眼力はやはり素晴らしかった。
毎年、サービス産業生産性協議会が発表している「JCSI日本版顧客満足度指数」という指標は実に興味深い。 2009年に始まった本調査は、その名の通り、30以上の業種におけるとりわけ顧客満足度の高い企業がどこかについて、大規模調査で明らかにしている定点指標である。皆様も是非一度お目通し頂きたいと思う。 毎年この調査結果を楽しみにしているビジネスパーソンは多く、業種業界に限らず、本指標で上位に来ている企業から「何か」を学びたいという意向はよく耳にする話である。
ビジネスパーソンは多かれ少なかれ、日々アイデア発想を行っている。私自身も、仕事柄幅広い業界とのお付き合いがあることに起因してか、企業のアイデア発想の場に招かれることが近年増加傾向にある。 よく顧客から言われるのは、「自分たちがあまり知らない分野や業界について、なるべく面白い話をしてほしい」というリクエストである。少々ハードルは高いが、こうしたニーズには、こちらも腕が鳴るというか、いかに喜んでいただけるかを考えながら、顧客の次のアイデアにつながりそうな話題やネタをできる限り提供するようにしている。
2021年1月初旬、NHKにて「2030 未来への分岐点~暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦 | SDGs」という番組が放送されていた。世界での地球温暖化への取り組みや有識者の考え方など、いろいろと考えさせられる内容であった。 なかでも、アメリカにおける若者の行動が、現バイデン大統領の意識を変えていった流れは特に印象に残った。世界では、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんをはじめ、若者が環境問題に強い危機意識をもち、活動を繰り広げている。もちろん日本でもそうした動きはみられる。この若者たちが社会の主役となったときに、世の中は大きく変わると思う。そういう熱い流れを感じずにはいられない。
公益財団法人日本デザイン振興会が先ごろ公表した「日本企業におけるデザイン経営の取組み状況調査結果」を興味深く拝見している。 本連載の読者の皆様には是非ご覧いただきたいのだが、とりわけ私にとって印象に残ったのは、「デザイン経営に積極的な企業は未来への希望を感じている」という調査結果である。 「未来への希望」……、コロナ禍を過ごす私たちにとって大切な言葉である。コロナショックの影響の大きさゆえに、何となく「時間が止まった感」すらある今日この頃だが、時代は着々と時を刻んでいる。
最近、経営者や人材部門の方々から「これからの人材に必要なことは何だと思いますか?」と聞かれることが随分増えたように思う。 コロナショックにより、社会、産業、個人が否応なしに変化を余儀なくされた。少し時間がかかりそうだが元に戻る部分とそうではない部分が混在し、まさに「混沌」と表現する他ないこれからの時代……、先読みが難しい時代ゆえに、多くの企業が人材戦略の要件定義に頭を悩ませているのだろう。
新年あけましておめでとうございます。本年も様々な観点から、いま読むべき本を私なりの視点でご紹介していく所存です。どうかよろしくお願いいたします。 さて、2021年のスタートはいきなり一都三県における「緊急事態宣言」の発令から始まるという波乱含みのスタートとなりました。もちろん、日本のみならず、世界で見ても、これほどの収束が見えない時代感というのは、これまで感じたことがない感覚であろう。
早いもので、2020年が終わろうとしている。本連載も今年最終号である。こうした連載は読んでいただく方がいらして初めて成立する。あらためて、読者の皆様に心からお礼申し上げたい。 それにしても、かつてここまで高揚感の乏しい年の瀬というのはあっただろうか。昔から「年末」の雰囲気が大好きだった。
「3密」という言葉が今年の流行語大賞に選ばれた。コロナ禍の影響で、「密」という言葉が悪者になってしまった感はあるが、年末に忘年会も開催できず、年末年始の帰省もできず、きっと新年会もできず……。多くの頻度を望んでいるわけではないのだが、ときおり「密」環境を望んでいる自分に気付く。
令和2年12月1日、菅政権の成長戦略会議の実行計画案がまとまった。 コロナ禍で粛々と進められていた会議体だが、日本の今後を考えるうえで、計画案の「メリハリ」も含め、よく確認しておいた方がよいだろう。
日本は今、勝負の3週間の真っ只中である。コロナショック第3波をいかに抑えるかの重要な局面に相対しているからだ。なるべくリモートワークを活用し、出社の比率を下げるよう、所属先から方針が出た方も多いであろう。
気がつけば本連載も記念すべき100回を迎えることとなった。これも読んでくださる皆様のおかげである。本連載でご紹介した書籍を全て購入してくださっている企業担当者もいると聞き及んでいる。心から感謝申し上げたい。これからも「読書」という素晴らしい行為を通じた「人材育成」「新事業探索」「未来探索」といった次の仕掛けのヒントとなる原稿をお届けしたい。
本稿執筆中に、次期アメリカ大統領選挙で民主党バイデン候補の勝利が確実というニュースが飛び込んできた。私自身は、バイデンが本命とはいえ、土壇場でトランプ逆転勝利もあり得ると読んでいたので、2通りの未来シナリオを描いていたのだが、皆様はどのような感想をお持ちであろうか。
「それでは来週木曜日14時でいかがでしょうか? 今回はオンライン、それとも対面どちらで……」このようなやり取りを日々顧客と行っている。コロナショック発生からはや10カ月。「久々に顔を合わせて話しましょうか」「よかったら来ませんか」と言われるケースが少しずつではあるが増えてきているように感じるのは気のせいだろうか。
日本は課題先進国と形容され、なかでも、人口減少や少子高齢化が先例としてクローズアップされている。子供がいきなり増えるわけでもなく、高齢者がいきなり減るわけでもないので、このトレンドは正しい未来予測として、しっかりと認識しておく必要がある。
当社もご多分に漏れず、テレワークを導入し、出勤+テレワークのバランスを取りながら仕事を進めている(それにしてもテレワーク時はほぼ絶え間なく予定が入り、顧客折衝連続5本などザラ、夜になるとヘトヘト、というようなパターンが増えたような……。実にありがたいことだが)。コロナショック発生からはや8カ月以上が経過したが、急に始まったテレワークにおいて、社員間や顧客とのコミュニケーションはスムースに行われているのだろうか。
気がつけば、2020年度も下半期に突入した。今年は本当に時の流れがはやい。まさにコロナに始まり、コロナに終わりそうな状況になっているが、世界的にも、経済活動の復活は不可欠だと改めて感じる。リーマンショックとは異なる先の見えない不安感は当面つきまとうだろうが、苦しい時代こそ自分たちで突破していくしかない。今、多くの企業が本業の強化や新たな事業への取り組みに注力している。多くの企業にとって、特にこの第3四半期でどの程度ビジネスプランを組み立てられるかが今後の成否を左右するといっても過言ではない。
将棋の藤井聡太二冠。「数百年に1人の逸材」と評され、まだ18歳(2020年9月現在)だが、並みいる先輩棋士との対局を制し、日本、いや、世界から注目される若き才能(タレント)である。一足早く数々の偉業を成し遂げた羽生善治九段をして、「日々の対局とか棋譜を見て、そこで参考にしたり、勉強したりしているところです」と言わしめる存在である。
2020年9月、夏の終わりを感じつつも、「残暑+コロナ」との戦いはまだまだ続いている。そんな最中、体調不良に端を発する安倍総理辞任の報道が飛び込んできた。歴代最長政権を築いた総理大臣の退任……、時代の変わり目となろう。後任は菅元官房長官に決まった。
自治体によっては移動の自粛が推奨され、新幹線の自由席乗車率は混んでいても70%程度……。結果として、地元滞在の方が多かったであろう異例尽くしの今年のお盆、皆様はどのように過ごされたであろうか。
ようやく全国的に梅雨も明け、真夏を迎えようとしている日本。コロナ禍の影響で、諸々の行動が制限された中で迎えるこの「短い夏」を私たちはどう過ごしていくのか……、ふとそのようなことを考えてしまう。 それにしても、時間の経過が早い今日この頃である。
2020年7月24日……本来であればこの日から東京オリンピック・パラリンピックが開幕する予定であった。新型コロナウイルス感染症の影響で1年間の延期を余儀なくされた日本にとっての世紀のイベント。競泳の池江璃花子さんが新国立競技場で開催された1年前イベントで言葉にしていた通り、1年後に希望の炎が輝いていることを私も願う。
コロナウイルスという現時点で終わりが見えない巨大な敵は、世界そして日本の経済にも大きな打撃を与えている。とはいえ、経済活動を止めるわけにもいかず、当面、国策も企業政策も試行錯誤が続いていく。 そんな最中、2020年7月3日開催の首相官邸「未来投資会議」において、新たな「成長戦略実行計画案」が示された。 これからのビジネスシーン、ましてやコロナ禍の時代においては、大きな方向性を把握しておくことは必須である。
政府による緊急事態宣言解除後、気がつけばほぼ毎日出社している。本当は、リモートワークの旗振り役にならなければならないのだが、リアルの面談も少しずつだが復活してきており、致し方ないところだ(と自分をなぐさめている)。通勤電車でも、ビフォーコロナに戻ったとは言わないものの、8割方乗客数が復活している気がする。 JR東日本では、電車の混雑状況をリアルタイムで顧客に届けるアプリを開発し、首都圏主要路線での展開を進めている。それにしても実に便利な時代である。 一方で、本連載でもテレワーク本などを紹介しながら度々伝えてきたことだが、在宅勤務でも相当サクサク仕事が進むことを実感された方も多いだろう。最近でも、日本を代表する大手企業が続々と、とまでは言わないが、原則、在宅勤務を主体とした勤務形態に切り替えると発表するところが増えている。
政府は2020年6月19日、都道府県間の移動を全面解除した。反動炸裂とでもいおうか、営業を再開した商業施設や繁華街は徐々に賑わいを取り戻しつつあるようだ。 久しぶりに酔って道路で寝ている人の映像も拝見した(どうかお気をつけください)。 今後の大きな焦点には、当然コロナウイルス感染者の抑制と共に、経済活動の力強い復活が挙げられる。国の未来投資会議においても、次回から「社会経済構想」会合を追加し、新メンバーを加えて、ポストコロナの日本経済を本格議論していく方針であり、注視しておきたいところだ。
内閣府の「景気ウオッチャー調査」を以前から足元景気を見る際に参考にしている。 コロナショック後、よくメディアでも取り上げられるようになったのだが、小売店やサービス業の店主・店員やタクシードライバー等の方々に、全国地域別に調査をして取りまとめている報告書であり、コメントが生々しく、今が有事であることを実感させられる。 最新データが2020年6月8日に公開されたが、5月の景気判断DI(DI:Diffusion Index= 各種判断の指数化データ)は、4月に比べて上昇した。コロナという現時点でワクチンのないウイルスとの戦いはまだまだ続くのだが、緊急事態宣言が解除され、街に少しずつ息吹が戻ってきたこともあり、本当に徐々にではあるが、「前向き」となってきたといえようか。 ビジネス、プライベート問わず、今しばらく世界との積極的な往来が厳しい状況下において、日本産業界の足元を見通す参考指標として、このような調査も、定点観測しておくことをお勧めしておく。「変化」を毎月把握することは参考になる。
仕事柄、30年以上にわたり、定点観測の重要性を説いてきた。この指標は定期的に見る、このサイトは月に1回は必ずチェックする、といった具合に。個人的には、「この日にはこれをみる」というのをルーティン化している。 変化に富んだ時代に、目先の情報で右往左往しないようにするには、定期的にチェックする情報源を見つけ、見る癖をつけることが大切である。 例えば、定期的に公正取引委員会のホームページをチェックするようにしている。特に私が若い頃から見ているのは、実態調査報告書の項目である。
2020年5月25日、全国で緊急事態宣言が解除された。これから先、働き方、オフィスのあり方、ビジネスのあり方、マネジメントのあり方、そして人材のあり方などが問われることとなる。まずは、日本においてリモートワークがどの程度根づくのか、非常に興味深い。つい最近の報道だが、日本を代表する企業の1社、日立製作所がコロナの終息後も在宅勤務を標準とする働き方を推進し、週2・3日の出社でも効率的に働けるよう人事制度を見直すという発表をしたことは、多くの読者にインパクトを与えたと思う。
2020年5月14日、39県において、政府による緊急事態宣言が解除された。まだ解除されていない地域においても、徐々にではあるが、街にもオフィスにも人の流れが戻りつつある。 国や自治体が提示している「新たな生活様式」は仕事の進め方にも大きな影響を与えることとなる。6月以降も全社員を対象にリモートワークを進める企業もあれば、やはり出勤する方がいいということでリモートワークを解除する企業もあるだろう。またラッシュアワーが戻ってくるのだろうか・・・・・・。
2020年5月4日、政府による緊急事態宣言が5月末まで延長されたが、新型コロナウイルス感染者数の推移を慎重に見守りながら、前倒し解除の可能性も出てきた。とはいえ、完全に世の中が元に戻るのではなく、ウィズコロナ時代に突入するのは間違いない。 働き方においては、宣言解除後も、リモートワークの引き続きの実施を中心に、「リモート+リアル」のバランスを取りながら、各社取り組んでいくことになるだろう。 1つ気になるのは、マネジャーがどのように部下をケアしながら、リモートワークを進めているのだろう、ということだ。Web会議で様子はわかるのだが、やはり表情や取り組みを近くで見られないのはまだ不安が多いと感じる人は少なくないだろう。 たとえば、2020年4月入社の新人は、「出社経験」がない人も多く存在する。もちろん、仕事を覚えるのはこれからである。どうマネジメントや育成をしていくのか。まさに今、数多くの試行錯誤がなされているはずである。
2020年のゴールデンウイークは、近年誰も経験したことがない「人の大移動をともなわない」不思議な休暇期間となった。歓迎すべき事象ではないが、歴史にこの期間のことは刻まれるだろう。政府による緊急事態宣言も5月末まで延長された。今だからこそできることを模索し、実行していきたいと考えている(読書も1つの手段であることは間違いない)。 前号でもお伝えしたとおり、出社やむなしの業態・業務を除いては、中小企業を含め、徐々に在宅勤務シフトが進んでいる。在宅勤務でかなり稼働が上がっている人もいれば、様々な事情から家では仕事がしにくい人もいるだろう。とはいえ、好む好まざるにかかわらず、しばらくしたらやってくる「アフターコロナ」「ウィズコロナ」の時代に働き方が完全に元に戻る(常に出勤を前提とした働き方)ことはないと私も思う。 オンライン会議、オンラインプレゼンテーション、オンライン講義、オンライン商談……。「オンライン〇○」を前提とした働き方に自身を切り替えていく必要がある。
早くも(?)「コロナ疲れ」という言葉すら出てきている今日この頃、皆さまはいかがお過ごしだろうか。全国レベルで緊急事態宣言が発令され、人の流れを7~8割削減するという国家方針のもと、出社やむなしの業務を除いては、中小企業も含め、徐々にではあるが在宅勤務シフトが進んでいる。 その在宅勤務を阻むものとして話題となっているのが、日本の「ハンコ」文化である。マネジャーが「押印」のために、週1回程度の出社を余儀なくされているというのもよく聞く話だ。 電子押印(eシール)の普及はまだこれからである。総務省が主体となり、企業間でやりとりする請求書などの電子書類が本物だと証明する認定制度の運用を2022年度から始める計画を示したのが、つい先日のことである。テレワークの浸透のためには不可欠な制度だが、いかんせん、まだ時間がかかる。前倒しになることを、心から期待している。
前稿でも触れたが、ついに2020年4月7日、日本において初となる政府による緊急事態宣言が発令された。今は「外出自粛」が主な内容だが、少し時間軸が早い世界の流れを見ると、よほど劇的な改善が見られない限り、近いうちに「外出禁止」が発令されるだろう。 在宅で勤務を行うことが標準化されていく流れはますます加速していく。業務効率化の流れも同様だろう。パンデミックは社会のしくみを変えてしまう。まさに歴史からの教訓である。 ニュースで街角インタビューなどを見ていると、「テレワーク」という言葉もようやく一般化しつつあると感じるが、実際にできるかどうかはまた別の課題がある。 2020年4月8日、東京商工会議所が公表した調査結果によれば、テレワーク実施企業は26.5%、検討企業は19.5%、足しても50%に満たない結果となった。
「コロナショック」が世の中に衝撃を与えている。 2020年2月29日、今やすっかり有名になったWHO事務局長がパンデミックを宣言。本稿執筆時点で、ついに日本において内閣総理大臣による「非常事態宣言」発令が確実な情勢となっている。 人類は過去にも、ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱、ジカ熱、SARSといったパンデミックを乗り越えてきた。ただ今回のコロナウイルス感染症は、得体の知れない恐ろしさを感じる。もちろん、それでも我々は乗り越えていくのだが・・・・・・。 2018年、スペイン風邪から丁度100年を迎えたこの年に以下ニュースが掲載されていた。
世界トレンドを学ぶ際に、常に「北欧」には注目してきた。事実、世界を変えるスタートアップ企業は北欧発の企業が多い。ほんの一例ではあるが、MaaSの先駆け的存在であるMaaSグローバル(フィンランド)や体内にチップを埋め込むバイオハックでおなじみのバイオハックス・インターナショナル(スウェーデン)等がそれにあたる。 北欧諸国のビジネス環境や生活環境に目を移しても、多くの方が、「働きやすい」「生産性が高い」「ワークライフバランスを重視している」「幸福そうである」という印象をもたれるのではないだろうか(私自身はそういうイメージが非常に強い)。 それは、毎年注目しておきたいデータのひとつ「世界幸福度ランキング」という指標でも表れている。毎年3月20日は国際幸福デーであり、それにあわせて、2020年度版のランキングが丁度発表された。
今、もっとも興味をもっている学問の1つに「哲学」という分野がある。本連載や『Learning Design』誌においても、この分野に関する書籍は諸々ご紹介してきた。書店に出向くと、「哲学」そして「アート」「未来」「SF」分野の本に自ずと注目している自分に気づく。順次、とっておきのお勧め本をこの連載でも引き続きご紹介していく所存である。 さて、2500年もの歴史を有する「哲学」という奥深い分野について、なぜもっと若い頃から関心をもたなかったのだろうか。今思えば、とても不思議である。50の手習い(?)ではないが、これからの人生をより有意義なものとするために、出来る限り学んでいきたいと思っている。 コロナショックの流れを受けて、尊敬する経営者や論客の方々は、「原点回帰」にふさわしいロングセラー書籍を今だからこそ読んでおられると聞く。多くの著名な哲学者による書籍もこういう時期だからこそ選ばれる傾向にあるようだ。 当面、コロナの影響で「動き」が制約される方も多いだろう。この機会に「哲学」関連の良書をいろいろ読んでみることをお勧めしておきたい。
新型コロナウイルスが猛威を振るっている。今後の展開については諸説あるものの、世界各都市で緊急事態宣言が出ている現状を考えると、当面の間、社会活動や経済活動に大きな影響が続くことは間違いないだろう。いずれにせよ、1日も早い収束を願うばかりである。 様々なエンタテイメントイベントの中止や延期、テーマパークや映画館、そして図書館の臨時休館等々の影響で、書店に人が集まっていると聞く。本を愛する者としては、書店に人が集まることはとてもうれしいことだが、それを導いた背景を考えると喜んでばかりもいられない。 とはいえ、様々な制約下に置かれる中で、この機会に多くの書籍を読み、今後に思いを巡らせるという時間の過ごし方もあるだろう。私自身も今、積み上がった新刊書籍を読み漁る週末の時間を過ごしている。特に未来予測関連本やSF小説、そして危機管理関連本を注視して読んでいる。
「これから求められる人材像をどのように考えているか?」という質問をよく頂く。たとえば、データ分析ができる人材が足りない、AI人材はもちろん足りない、フューチャリスト(未来を読みとく視点・視野をもつ人材)も足りない、など。各社大いに悩まれているのだが、全てのビジネスパーソンの基本が「コミュニケーション能力」にあることは疑う余地がないだろう。 日本経団連「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」によれば、採用側が選考にあたって特に重視している点は、「コミュニケーション能力」が16年続けて1位となっている。
古今東西、誰にでも平等に与えられているのが「時間」である。「時間」だけは、一度経過すると戻ってはこない。加齢とともに、「時間がたつのが早い」「時間がない」というのが口癖になっている(最近強く実感している……)。 それにしても、「時間」に対する注目度が年々高まっているように感じる。少子高齢化や人生100年時代、AIによる変化、節目による変化、私たちの進むべき道など、人々のやや不安な心理の現れが、時間への注目を高めているのかもしれない。 時間を基軸とした学びは、さらに重要度を増していくのだろう。ゆえに、時間関連本はこれからもきっと増加していく。『時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」』(吉田伸夫著/ブルーバックス)といった書籍がベストセラーになるのも頷ける。
「著名な経営者が選ぶベストブック」のような特集記事を興味深く見ていると、そこで紹介されている書籍は「歴史」関連のものが多いことに気づく。論客の方と話をしていても、お勧め本を聞くとやはり多くの場合、「歴史」関連を勧められる。 私自身は未来を見据えるうえで、これからの時代は「SF小説」を読むことが非常に重要になると考えているのだが、「現在・過去・未来」という言葉もある通り、「歴史」に学ぶことの重要性もあわせて痛感している。 進む、立ち止まる、方向転換する、引き返す・・・・・・。かつての英雄や智将は、どのような基準をもちながら、その時々の判断をしていたのかとても気になる。時間は後戻りすることはできないが、歴史本で振り返ることができるのだ。疑似体験ができるのはありがたいことである。
仕事柄、様々な企業の方と話をする機会に恵まれるのだが、以下の話題は本当によく出る。 「うちには数字に弱い社員が多い」 「データ分析人材が足りないんだよね」 「もっと数字に強くならないと先が思いやられる」 私自身にも、思い当たる節がある。 ・データは並べてみたけれど、もう少し捻りが必要だなぁ ・どうすればもっと説得力の高い企画になるだろう・・・・・・
何かあると、すぐに検索画面に向かう方は多いだろう。検索すれば、玉石混交感はあれど、ありがたいことに大抵のことは調べられる。Googleをはじめとした世界中の情報にアクセスできる優れた検索エンジンに、進化したAI機能が加わり、検索者の意図をより考慮した調査結果が順番に表示されるようになる。 さすがに全知全能の神ではないが、ビジネスでもプライベートでもますます便利な時代になっていくのだろう。情報の取捨選択は、その選別眼が問われるのだが、それすらも検索エンジンが答えを教えてくれる時代がやってくるかもしれない。
毎年興味深く定点観測している指標の1つに「倒産件数」がある。節目、節目において、ニュース等でもよく取り上げられる指標である。日本を代表する企業信用調査機関である帝国データバンクと東京商工リサーチはいずれも、毎年以下データを公開している。 たとえば、2019年は倒産件数が8,300件を超えており、対前年増加に転じている。「不況型倒産」も多いのだが、いわゆる「人手不足型倒産」「後継者難倒産」も増加トレンドにある。業種業界、地域性、倒産の主因等々、見るべき視点が多いデータであり、ビジネスを先読みするための1つの指標として、お勧めしておきたい。 なお東京商工リサーチでは、主要47カ国の倒産件数を集計した「グローバル倒産レポート」も公開している。関心のある方はご覧になるとよいだろう。
メールでのコミュニケーションが主体の時代だが、対面でのコミュニケーションの重要性も見直される時代になったと感じている。最近は、放っておくと誰とも会話なく1日が終わる企業人も増えているとか・・・・・・。(私もたまにそうなりそうな日があり、大いに反省している) 集中は確かに重要だが、コミュニケーションの不足(軽視?)は、企業力の低下につながるだろう。近隣座席の方にはメールではなく、必ず話しかけるよう義務付けている企業もあると聞く。 2020年以降も、「コトバ」のもつ重みが大変重要な時代となっていく。そうなると、表現の手段としての話し方は重要になっていく。どう相手に話すのか。わかりやすく要点を伝えられるのか。どうすれば伝わるのか。こうしたスキルは、しっかりと磨いていかないといけない。人の原点はやはり「話す力」なのだと強く感じる今日この頃である。
GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)やBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)など、テクノロジーを駆使して世界を席巻する企業、いわゆるメガテックの動向には、多くのビジネスパーソンが注目しているだろう。 2019年に注目されたのが、こうした企業が「アナログ」トレンドに熱視線を注いでいるという事実である。最新テクノロジー企業の共通項として、未来目線が他社よりかなり優れていることが挙げられるが、世界に冠たる企業が「アナログ」に注目しているというのはやはり考えさせられる事象である。
令和2年(2020年)の幕開けである。今年も書籍の紹介を通じて、時代感を少しでも先読みすべく、毎号、読者の皆様の「気づき」につながる情報をお届けしていく所存である。今年もぜひ、お付き合いいただければ幸いである。 世界情勢を見ると不透明な要素が実に多い。景気の見通しも慎重論が多勢を占めるが、ビジネスシーンで注目しておきたいのは、東京オリパラ以降の国家政策ではないだろうか。個人的には、新たな産業ビジョンの公開に期待している。「○○ビジョン」とタイトルがつく報告書が公開されたら要チェックである。 そして、令和2年の大トピックとしては、なんといっても夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催が挙げられる。大きな高揚感、ワクワクする感覚とともに年を越された方も多いのではないか。
日本能率協会が毎年公表している「当面する企業経営課題実態調査」という調査結果がある。 1979年にスタートし、既に40回もの歴史を数える同調査だが、毎年興味深い結果を届けてくれる。 <2019年> ・5年後の課題として「事業を通じた社会課題の解決」が上昇 ・SDGsの課題は一般社員への浸透 ・人材マネジメントのトレンドは「雇用延長」「キャリア採用」 などなど、毎年、人事担当者もチェックしておきたいトレンドが満載なのだが、今回、特に印象に残ったのが、「10年後には事業構造を変える必要がある」と回答した企業が8割にも達しているという結果である。
AI、ICT、テレワーク、副業・・・・・・。これからの働き方を変えていく要素は実に様々である。AIにより働き方が大きく変わることは数年前から報じられており、人事担当者はもとより、多くのビジネスパーソンが今後どうなっていくのかについて期待と不安を抱えながら注目しているだろう。定時退社が当たり前の時代が10年後には到来する。そもそも定時という言葉が死語になる時代が来るのだろうか。 2020東京オリンピックパラリンピックにおいて、壮大な「テレワーク」実験が実施されるが、「テレワークでかなり効率よく働けるね」という世論が一気に形成される予感がしている。果たして、働き方はどうなっていくのだろう。 AIと人間が仕事の棲み分けを行っていく時代がじわじわとやってくるなかで、生産性や時間密度、効率性がより問われることになる。仕事はやはり「成果」が重要なので、実はこれまで以上に、1人ひとりが「稼ぐ」ということを問われるようになると思う。「稼ぎ」の感覚がより一層重要な時代になっていく。
突然だが、読者の皆様は「センス」についてどのようにお考えであろうか。「彼はセンスがいいね」「彼女のあのセンスはどこからくるのだろう」といった話は昔も今も随所で登場する。社員面接などでも、「センス」というキーワードは1つの採用基準でもあり、頻発する言葉かもしれない。 私の若い頃は(あまり使いたくない表現ではある)、センスは生まれもってのものであり、簡単に磨くことができない、とマインドセットされていた記憶がある。プロスポーツの世界ではよく聞く話である。バッティングセンスやパスセンスという言葉もそうだろう。 センスに欠ける者は、時間を使って一生懸命努力をするしかない。そして努力の対象はいわゆるビジネススキルの習得であった。スキルはもちろんこれからも大切なのだが、センスをどうしていくのかを一段と意識していくことが大切な時代に突入している。
私自身も、日本を代表するプロデザイナーの方と懇意にさせていただいており、セミナー等でご一緒させていただくのだが、「ビジネスとデザインをどう結び付けていくのか」という視点は毎回新鮮で、かつ自分では持ち合わせていない考えが多く、常に感銘を受けている。 さて、ここに興味深いアンケート結果がある。クリエイター採用のWebサービスを展開するビビビットが2018年11月に公表した「『デザイン経営』および『デザイン思考』に関する意識調査」によれば、「デザイン経営」「デザイン思考」の導入率は15 %未満 にとどまるものの、中小企業を中心に、導入企業の70 %以上が「売上・利益率の増加」に効果を実感しているという。人事担当者やマネジメント層の方にはぜひ見ていただきたい調査結果である。
数年前に、『インテルの製品開発を支えるSFプロトタイピング』(ブライアン・デイビッド・ジョンソン著/安芸書房)という書籍を読んで、いろいろと考えさせられた。今後も手放せない1冊だと思っている。 インテルでは、10年後の社会全般の姿を専門に考えるチームを有している。同書は同社の未来研究員である著者が「日本のSF(サイエンスフィクション)を参考に、10年後を予測」しており、その考え方や手法が紹介されている実に興味深い書籍である。未来創造関連セクションは今でこそ日本でも多くの企業が導入を進めているが、インテルはある種、そのはしりとも言える存在である。
本連載読者の皆様は普段どの程度、紙の新聞をお読みだろうか。日本新聞協会の調査によれば、2018年の日本における発行部数は4,000万部を割り込んでいる。2008年には5,000万部を大きく上回っていたのでわずか10年で1,000万部以上も減少してしまったことになる。 もっとも、4,000万部というのは、なかなか凄い数字だと思う。ただ、かつてと比較すると確かに、電車内で新聞を読んでいる人は随分と減った印象がある。ネットで新聞のエッセンスを読む、各社の電子版で読む、経済ニュースのポータルサイトで読む。こうした手法が当たり前となり、わざわざ紙の新聞を購読する人は減ってしまっている。ビジネスの中心層が若いデジタルネイティブ層に移行していくなかで、この傾向は普通に強まっていくのだろう。
前号に引き続き、今回も未来探索の話題となる。多くの企業が「他社が気付かない何かを見つける」「他社より1歩先に行くために」といった視点で「これから何が起こるのか」を注視している。 今後のビジネスシーンで勝つためには、「ブルーオーシャン」を見つけることは重要である。ブルーオーシャンとは、「競争せずに魅力的な新市場を創り出す」ことを指す。一方、「レッドオーシャン」はその名の通り、「血で血を洗うような激しい競争が行われている市場」のことを指す。
仕事柄、公的機関や企業の方と未来探索の議論をする機会が多い。ゆえに、様々な報告書に目を通し、情報をつなぎながら、日々思案している。 1つ参考となる報告書をご紹介しておこう。つい先ごろ公開された、文部科学省の「第11回科学技術予測調査」の速報版である。 本調査は、科学技術イノベーション政策の推進の礎となる予測資料として、1971年から5年おきに実施されている。2040年、2050年の社会像がどうなっていくのかについて、学識者はもとより、企業の見識者などの意見も詰まった報告書であり、一度目を通しておくことをお勧めしておく。
「日本企業528社に調査をしたところ、働き方改革の成功企業はたった12%」――。今回取り上げる書籍は、こんなショッキングな文章からスタートする。 さらに、多くの企業が、業務時間のうち「社内会議」が占める割合が実に43%に達しているという結果も掲載されている。(最近、会議で終日時間を費やすことも増えてきた私自身、正直ドキッとした)。ちなみに、ダントツの「社内会議」に続くのは「資料作成」「メールの送受信」である。多くのビジネスパーソンに当てはまるに違いない。 これから、時代は確実に変わる。今までの時間の使い方を見直し、我々も変わる必要がある。企業寿命の短命化、対して人間の長寿化、AIによる仕事の変化、職場の変化、時代の変化、○○の変化、△△の変化……。「変化」への対応は不可欠なのだが、心の準備ができていないという話はよく聞く。「なるようになる」という気がしないでもないが、あまり呑気でいるわけにもいかないだろう。様子見をしていると、気がつけば時代が大きく変化してしまいそうだ。
ニュースメディアをチェックする際に、NewsPicksには大変お世話になっている。 既に利用されている方も多いだろう。有料会員が10万人を超えるこの大注目のメディアには、経済ニュースを見る目を養うための様々なヒントが溢れている。注目のニュースが所狭しと並び、また随時更新されていく。そして記事にはピッカー、さらにはProピッカー(選ばれた専門家)によるコメントが記載されていく。 私自身は、毎日、記事をいくつか選び、1日20~30分程度、以下のようなことを考える時間をつくっている。
これからの時代、常に「逆張り」「反対側」の世界観を持っている企業や経営者をウオッチしておくことが、大きなポイントだと考えている。 ・多くの企業が右側を見ている中で、この会社は左側を見ている ・この社長がインタビューで答えている内容は、どうも他社とは視点が異なる ・デジタル思考が強まる中で、この会社はアナログの方向性を見失わない 自分の中で、「逆張り」「反対側」視点を持つ対象企業をぜひ見つけてみていただきたい。その会社の特集記事やインタビュー記事を熟読する。もちろん経営者による自著があれば、対話しながら読み込んでみる。講演会があれば一番前の席で話を聞き、必ず質問する。こうしたことを大切にしていくと、他社とは異なるビジネスヒントを見つけられる可能性が高まるだろう。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(通称「こち亀」)という日本の漫画界を代表する素晴らしい作品がある。ご存知の方も多いであろう。主人公である警察官・両津勘吉(両さん)が巻き起こす交番(派出所)を舞台としたこの人情コメディーの傑作はハチャメチャで、痛快で、時に楽しく、時に驚き、そして時に感動を与えてくれた。とにかく示唆に富んだシリーズであった。 惜しまれつつも2016年に連載が終了してしまったが、40年もの長きに渡り連載が続き、コミックスは実に全200巻(!)を数える。全巻読破してきた立場からすると、連載終了の際には、何か心の中にぽっかりと穴が開いたような感覚を覚えたことを今でもよく覚えている。
読者の皆様は、何かプロジェクトを進める時や、決定や判断を下す必要がある時、どのように意思決定し、行動しているのだろうか。自分の直感を信じて動く人、まずは関連情報をしっかりと集めて判断のオプションを増やす人、ひたすら悩むがなかなか進まない人等々、いろいろなタイプの方がいると思う。 ご参考までに、株式会社ファーストキャリアの調査によれば、2019年度の新人は「行動力に乏しい、率先して動くことができない」ことをマイナス面と捉えている人が多いという結果が出ている。
前回は、『超ヒマ社会をつくる』(中村伊知哉著/ヨシモトブックス)をご紹介した。AIの進化により、超ヒマ社会が創出され、人間には時間がたくさん生まれる。日々の流れのなかでは、なかなか想起しにくいかもしれないが、時代は着実にそういう方向に向かっている(詳しくは前号にて)。 将来を意識しつつ、我々は今の課題にもしっかりと向き合う必要がある。AI時代の足音を感じつつも、多忙な経営者やマネジャーは日々「時間との戦い」を強いられている。判断しなければならないことは数多く、先送りにすると、まさに雪だるま状態で「宿題」が増えていく。私自身、職場で1日1回は「しまったー、忘れていた!」と(心の中で)叫んでいる気がする。
「AIが仕事を奪う」というキーワードが、新聞やビジネス誌でも取り上げられる機会は実に多い。読者の皆様は、実際にはどのような印象をお持ちであろうか。法人・個人、業種・職種、年齢、立場等により、見方、視点は大きく異なるのかもしれない。
私たちは普段、スマートフォン等を利用する際に4G(第4世代移動通信システム)という高速通信を利用している。スマートフォンの右上部には、Wi-Fiにつないでいる時以外は、4Gの文字が表示されているだろう。5Gはさらに一段進化した高速通信システムであり、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に併せての商用サービス開始が予定されている。
日本の先行きに少なからず不安を抱いている方は多いと思う。世界に先んじて進む少子高齢化。社会課題満載の我が国は果たしてどうなっていくのか。現実を直視しておく必要がある。 もちろん、国家もただ手をこまねいて見ているわけではない。本連載の読者諸兄においては、既に「耳タコ」状態かもしれないが、グローバル情報も日本の情報も効率的にキャッチアップをするためには、まずは国家の描くビジョンを大きく把握しておくことが肝要である。
令和への改元から、はや3カ月近くが経過した。それにしても、時が経つのは早い。令和初の日本の成長戦略の方向性は、この6月21日に閣議決定されている。人生100年時代をにらんで、「70歳までの就業機会の創造」というテーマは既に戦略の骨子となりつつある。自身のビジネスへの関わりを想起しながら、目を通しておいていただきたい。
比較的高い確率で当たると言われているのが、「人口・世帯数」と「テクノロジーの進化」に関する予測である。既に日本は、人口減少トレンドに対して異を唱える状況にはなく、世帯数も単身世帯が増加していくのは間違いのないところだ。テクノロジーの進化に関しても、私たちはその便利で劇的な進化において、実に多くの恩恵を受けてきた。。
は定期的に就職人気ランキングのデータを見ることにしている。注目するのは個別の企業名はもちろんだが、どちらかといえば業界である。「就職四季報」というキラーコンテンツを有する東洋経済新報社のランキングや、有力な就職支援関連企業を発表のランキングを複数眺めながら、今起こっていることの背景を考える。
私たちは、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の恩恵にあずかり、便利なテクノロジーを大きな投資を伴うことなく、利用することができている。多くのビジネスパーソンが、日々の業務や暮らしの中で、そのメリットを享受している。GAFAという言葉は流行語大賞にもエントリーされたように、気がつけばビジネスインフラ、社会インフラへと変貌を遂げている。
日頃からビジネスパーソン向けに情報収集・活用手法や新事業探索のためのワークショップ等を行っているのだが、講師を務める立場から見ても、「ビジネス・フレームワーク」の重要性はよくわかる。事業戦略を立案するうえで重要な「フレームワーク」、いわば「雛形」は、当然のことながら十分に理解しておく必要がある。
突然だが、「日本の世帯数の将来推計」(2018年1月公開)という統計がある。人口や世帯数の推計は、今後の時代を読み解くうえで、ぜひ見ておきたい。例えば、2015年と2040年を比較すると、全国における男性の単独世帯数は6.5%、女性の単独世帯数は10.3%増加すると予想されている。2040年には、実に全世帯の4割が単独世帯となっていく。
世界のビジネスシーンの流れをよく観察していると、デザイン思考やアート思考への注目度合いが高まっていることがよくわかる。元々、デザインやアートに対する造詣が深い経営者は多い印象があるが、近年はその傾向がより鮮明になってきたように思う。
「理想の上司アンケート」という調査結果がある。有名人で例えると誰が理想の上司か?という調査なのだが、時代が求める上司像を知るうえで毎年注目して見ている。男性の1位はウッチャンナンチャンの内村光良氏、女性の1位は日本テレビアナウンサーの水ト麻美氏が、いずれも3年続けて選ばれている。やさしさ、包容力、落ち着き、声の掛けやすさといった要素が大きいのだろうか、いずれにせよ3連覇というのはすごい記録である。
2019年のゴールデンウィークは10連休という長期の休みとなった。皆様はどうお過ごしになられただろう。日本のビジネスパーソンは休み慣れていないため、時間を持て余した方も多くいたと耳にする。街頭インタビューなどの様子を見ていると、5連休位がちょうどよいと答える方が一番多いようだ。働き方改革を考えると、(自戒の念も込めて)欧米ビジネスパーソンの休暇の過ごし方を見習わなくてはならない時代が、もう到来しているのだろう。
アメリカのGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字)。日本はもちろん世界のビジネス、そして生活にも大きな影響を与える誰もが知るテクノロジー企業であり、イノベーションランキングでも常に上位に入る強力な4社である。 一方、中国のBATH。こちらは中国を代表するテクノロジー企業4社(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)の頭文字をとった言葉である。中国という強大な人口を有する国から、いつしか世界に影響を与えるメガテクノロジー企業がどんどん誕生するようになった。アリババによる「車の自動販売機」の発想には驚かされたし、バイドゥのCEOは、近い将来スマホがなくなるとコメントし、その発言には大きな注目が集まった。(気になる方は、ぜひ調べてみていただきたい)
経済産業省と特許庁は2018年5月に「産業競争力とデザインを考える研究会」報告書を発表した。人事担当者には、ぜひお目通しをいただきたい。「産業競争力とデザインを考える研究会」報告書 この研究会は、「日本企業の多くはデザインに対する自信と意識がいまだ低い。製品の同質化が進むなか、国際競争力は低下するのではないか」という危惧が発端となり、「産業×デザイン」の視点で発足した。
「令和」という新元号名称は、一定の評価を得ているようだ。仕事柄、様々な業界の方と話をするのだが、ここ2週間は「令和」談議に花が咲くことが多い。語源となった「万葉集」はにわかなブームを巻き起こしているし、いつの時代も新しいスタートというのは、多くの方に「前向きな」良い影響を与えるのだろう。 もう、あとわずか半月足らずである。4/末~5/1にかけては、令和カウントダウンイベントが多数実施されるようで、お祭りは盛り上がりを見せるのだろう。2019年入社の新人は「令和世代」の最初の世代となる。ぜひ、素晴らしい成長を遂げて欲しいと心から願っている。
今年もまた新年度を迎えることができた。新元号も「令和」と決まり、新たな気持ちで今を過ごしている方も多いだろう。それにしても、新元号発表の号外の街での奪い合いには驚かされた。 今は丁度、多くの企業が新入社員を迎え入れているタイミングである。スーツ姿の若々しさ、初々しさは一目見て、新人とわかる。
日本政府観光局の調査によれば、日本を訪れる外国人の数(訪日外国人数)は、2018年は約3,120万人となった(対前年8.7%増)。2019年に入ってからも、アジア圏を中心に、月に260万人以上が訪れている。
日本新聞協会の調査によれば、新聞の発行部数は現在減少傾向にある。2000年と2018年を比較すると、1,380万部も減少している。もちろん、ネット上で各メディアの情報が読めるニュースアプリも充実傾向にあるといったことが背景にある。
長年に渡り、ビジネス情報の収集・活用術、そしてそこから派生する発想のための手法などを顧客に伝える仕事をしている。いつもよく聞かれるのが、「普段、どのような情報の集め方をしているのか?」という話である。この質問に対して、「見るべき情報源はある程度決めている。
あと2カ月弱で、私たちは「時代の変わり目」に遭遇することとなる。そう、天皇陛下の譲位に伴う、新元号の始まりである。平成を振り返る関連書は既に多く見られるようになってきたが、私が尊敬してやまないある論客の方は、「平成の終わりというより、昭和の終わりだね」という言い方をされていた。
AIによる仕事の変化については、様々な論考が各所で語られている。「AIによって取って代わられる仕事」「AIが進化しても生き残る仕事」等々いろいろな考え方があるものだ、といつも感心させられる。
実は個人的には、「片付け」「整理整頓」が大の苦手である。意を決して(?)、定期的に机上やパソコンのデスクトップを整理するのだが、いわゆるリバウンドが短いタームで起こる。いやはやお恥ずかしい話である。何かとっておきの方法はないのかをいつも探している。
未来予測専門のセクションを新設する企業は、ここ数年かなりの増加傾向にある。「他社がまだ気づいていないかもしれない、未来の市場や新テーマを探索したい」「AI等のテクノロジーの進化と自社ビジネスの関連性はどうなっていくのかを考えたい」など、その理由は様々である。一方で、未来予測を行う理由について、「『自分たちがどういう思いを持って持続的な発展を遂げていくのか』を考えるために、世の中や社会の変化をしっかりと洞察するため」という答えも多くみられる。
Basecampという会社をご存知だろうか?アメリカ・シカゴに本拠地を置くプロジェクト管理ツール『Basecamp』で有名な1999年創業のソフトウェア開発企業である。トップ自らが、自身の業務多忙を解決するためのツールとして作ったソフトウェアは瞬く間に世界を席巻した。2004年には45だったユーザー数は、今や、3,000,000を超えている。何という急成長!と驚かずにはいられない。
先行きを不安にさせる出来事やニュースが多い中で、日本人の各スポーツシーンでの活躍は実に明るい話題である。下手の横好きでバドミントンをやっている立場からすると、男子の桃田選手や、女子ダブルス勢の大活躍は、本当にうれしい。大坂なおみ選手のグランドスラム連覇(凄い!)、サッカー日本代表のアジア杯決勝進出等々、東京オリンピックを控えて、ここにきて期待できる競技が増えていることは素晴らしい。
今、ビジネスシーンでは、新たな産業の誕生なども意識しながら、どのように未来を予測し自社事業を創造していくかという、知恵比べ合戦の様相を呈している。様々な未来予測文献が発刊され、予測合戦は激化している。目移りするラインナップである。
2019年も、「働き方改革」の動きが多くの事業者に影響を与えることは想像に難くない。「モーレツに働く」「長時間働く」ことが美徳とされ、それが原動力となり、日本の経済発展を支えてきた。今は、いかに労働時間を減らし、成果を上げることができるか、生産性を高めることができるかに議論のベクトルが向いている。
2019年はおそらく「ターニングポイント」の1年となる。春先の元号の変更、消費税増税、参議院選挙等々、政治・経済・社会に影響を与える大きな「変更」が目白押しの1年となる。
一般社団法人日本能率協会による「当面する企業経営課題に関する調査」の2018年版速報(URL: https://www.jma.or.jp/img/pdf-report/keieikadai_2018_sokuho.pdf)が公開されている。
2018年も残すところあと1カ月弱である。今年、顧客からよく聞いたのが「日進日歩」という言葉だ。大手メーカーの先端研究従事者からよく聞くのだから、今の時代感をよく言い表しているといえよう。特にテクノロジー分野は進化・変化のスピードが速すぎて、その道のベテランでも先行きの予見が難しくなっている。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年以降の世の中の変化がどうも予見しにくい。いわゆる“ポスト2020”をどう捉えていくのがよいのか?といったご相談を頂戴する機会が随分と増えた。
ビジネス書はどうも堅いイメージが強く、なかなか手に取ることができないという話を今でもよく耳にする。大学生と話していても、ビジネスパーソンと話していても、そういう話は実に多い。「小説は好きなんですけど・・・・・・」「特定分野の専門書であればいくらでも読めるのですが…」と言う。
VUCAというビジネスキーワードを近年よく耳にする。人材関連でもホットキーワードとして取り上げられているので、ご存知の方も多いだろう。Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、 Ambiguity(曖昧)の頭文字をつなぎ合わせた造語であり、これからの時代をよく言い表している。
前号でも触れたが、既に書店では、2019年以降を短期・中長期でにらんだ「予測本」が非常に目立つようになってきた。多くのビジネスパーソンがその棚で立ち止まり、何を買おうか吟味している姿は、この時期の風物詩ともいえる光景である。ご多分に漏れず私も、数ある書籍の中からどれを選ぶか、結構楽しみながらチェックさせてもらっている。
書店に行くと、年末感が感じられる時期になってきた。平積みの棚には、2019年以降の景気・経済・社会・技術等のトレンド解説書が目白押しである(本連載でもまた必読書を紹介していく)。2019年は日本にとって、ターニングポイントの1年となる。
現在、多摩大学大学院の教授であり、田坂塾という私塾も開いている田坂先生の著書との出会いは、もう20年近くも前のことになる。1999年に発刊された『なぜ日本企業では情報共有が進まないのか』(生産性出版)というナレッジマネジメントについて書かれた素晴らしい書籍があり、当時、その内容に衝撃を受けたことを今でもよく覚えている。
インターネットの登場は、世の中の仕組みそのものを劇的に変化させた。なかでも電子商取引は、その代表例の1つだろう。自宅や職場に居ながら、ネット上のボタンをクリックするだけで、世界中の様々な商品を簡単に手に入れることができる。楽天やヤフーといったネットショッピング大手企業はBtoCビジネスに大きな影響を与え、BtoBビジネスにおいても、工具通販モノタロウのようなサービスが注目を集めている。
ビジネス書の場合、単行本でヒットすると、数年後に加筆・修正され、文庫化(時に新書化)されて登場するというのは、よくあるケースである。最近では、ダグ・レモフらによる名著『成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール』(日本経済新聞出版社)が文庫化されて発売されたのは、個人的にもうれしかった。この本は、2013年にハードカバーで発刊されている。
仕事の効率化は、いつの時代も永遠のテーマである。特に「働き方改革」「人生100年時代」が前提となるこの時代、ツールの活用や創意工夫を通じて、効率化を模索していかなくてはならない。来るAI時代には、仕事の効率化の考え方はどう変化しているのだろうか?
仕事の効率化を進める上で、ハックス(HACKS)という手法(技術)が最初に大きく取り上げられたのは、今をさかのぼること10年以上前になる。元々、シリコンバレーにおいて、仕事の質を高めるスピードを上げるためのテクニックの1つとして「LIFE HACKS」(ライフハックス)ブームが巻き起こり、日本にもそのブームは到来した。シリコンバレー流仕事術への強烈な期待と憧れの現れである。
前号でリンダ・グラットンの『LIFE SHIFT』(コミック版)を紹介したが、「人生100年時代の到来」はこれからの企業の在り方、人材育成の在り方にも大きな影響を与えるに違いない。時代の変化に応じて、これまでの前提や慣習、思い込みを変えていく必要がある。
近年の書籍発刊トレンドの1つに、売れているビジネス書のコミック化が挙げられる。かつて売れた、あるいは評判の良いビジネス書の文庫化がトレンドとして存在していた(まあ、今もそうなのだが…)。 ビジネスコミック化した書籍はベストセラーが主体である。コミックを読んで原書に関心を持つという人も多いようだ。
移り行く時の流れ、不透明な時代感、日進日歩?の世の中・・・・・・。とめどない変化の中で、皆様は何を指標として、「世の中全体」のトレンドを観察しているだろうか?混沌とした時代には自分の軸を持つことが非常に重要である。 自分の軸・・・・・・、そう、私はこれからのビジネスパーソンは「定点観測」の視点を持つことが非常に重要だと考えている。
未来探索を行う部署の新設が昨今のトレンドの一つとなっている。未来の社会像やビジネスシーンの絵姿を徹底的に描きながら、自社の将来の方向性や参入すべき分野、対応すべき技術課題等について経営陣に進言する、そうした役割を担うケースが多いようだ。皆様の所属先ではいかがであろうか?
書籍の発刊トレンドから「時代感が読める」というのが前々からの持論である。ネット書店や電子書籍はもちろん非常に便利で、よく利用しているが、できるだけ毎日リアル書店を短時間でも眺めるようにしている。 書店店頭の陳列棚や注目書籍の大展開、人々が何に関心を示しているのか、思いもよらぬ書籍との出会い・・・・・・。日々、実に多くの発見がある。仕事柄、出張も多いのだが、どこの街に行っても、まずは書店を探すことにしている。
出版界で話題を集めているレーベルの1つに、幻冬舎によるNews Picks BOOKシリーズがある。2017年4月にスタートした幻冬舎と経済ニュースメディアであるNews Picksによるコラボレーション企画であり、毎月、非常に興味深い書籍が刊行されている。 抽象的な表現だが、「突き抜けた感」のある若い著者が多い印象があり、私もこのシリーズから「若き論客」を見つけ、その著者の書籍はもちろん、セミナー等にもできるだけ参加して学ぶようにしている。
突然だが、皆様は自分の所属する「業界」の先行きをどうお考えだろうか?仕事柄、様々な業界のお客様と話をする機会があるが、昨年と比べても不透明感が増している気がしてならない。「本当にどうなるか分からない」「数年先は闇」「2020年東京オリンピックまでは多分大丈夫だけど・・・・・・」などなど、いやはや「不安」フレーズのオンパレードである。
この著者の本なら、どんなテーマでも思わず買ってしまう・・・・・・。そうした“MY著者”を秘かに持っている方も多いのではないだろうか。 今回お届けする『儲かる仕組みの思考法』の著者である山崎将志氏は、私にとってそういう存在の1人である。アクセンチュア出身であり、独立後もコンサルティング先の新規事業開発に尽力している。
今回は、今、大きな注目を集めている未来年表本をご紹介したい。 産経新聞社で論説委員を務める河合雅司氏による『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』がベストセラーになっている。版元である講談社のサイトによれば、電子書籍も含め既に48万部が売れ、今もその勢いは止まっていないとのこと。 2018年5月には、『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』も発売され、好調なスタートを切っているようだ。
今回は、元LINEのCEOであり、現在はC ChannelのCEOを務める森川亮氏の新作をご紹介したい。 大企業での勤務経験を持ち、LINEでは日本でも現在7,500万人(!)ものアクティブユーザーを誇る巨大空間を作り上げ、C Channelでも日本最大規模の女性向けライフスタイル動画メディアを立ち上げた森川氏。当然、注目のビジネスパーソン、そして経営者であり、その仕事の進め方に関心を持たれる方も多いだろう。もちろん私もその1人である。
本連載では、人材開発担当者が今読むべき、あるいは、社員に読ませたい旬のお勧め書籍を毎週紹介していく。多くの読者の皆様にとって、「これからの世の中の流れ」を感じ取るためのヒントとなれば、この上ない喜びである。 れからの世の中の流れ」を感じ取るためのヒントとなれば、この上ない喜びである。 さて、記念すべき第1回は、思案した結果、本書を取り上げることとした。