新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、在宅勤務等が増加する中、研修についてもオンラインでの実施の増加が見込まれる。オンラインで研修を実施するにあたっては、研修資料の作成及び研修の実施に関して、著作権法、個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という)に注意するほか、情報セキュリティへの配慮も必要である。下記にポイントを記す。
田中浩之氏(弁護士・ニューヨーク州弁護士)
2007年弁護士登録、2013年 ニューヨーク大学ロースクール修了。個人情報、知的財産、ITを3本柱とする。日本経済新聞社による2019年に活躍した企業が選ぶ弁護士ランキングでデータ関連分野で第5位に選出。
蔦大輔氏(弁護士)
2010年弁護士登録(一時登録取消、2020年再登録)。内閣官房内閣サイバーセキュリティセンターの任期付職員として「サイバーセキュリティ関係法令Q&Aハンドブック」等を担当。サイバーセキュリティ、個人情報、IT関係を中心に業務を行っている。
松本亮孝氏(弁護士)
2017年弁護士登録。個人情報、IT、労働法を中心に業務を行っている。主な著書に、「働き方改革時代の規程集」(労務行政、共著)「働き方改革関連法その他重要改正のポイント(労働事件ハンドブック追補)」(労働開発研究会、共著)等がある。
まず、オンラインで研修を実施する際には、著作権法の観点から、研修資料(研修コンテンツ)について留意する必要がある。
研修資料の作成にあたっては、研修資料中に、第三者が著作権を有する「著作物」が含まれないように注意する必要がある。
「著作物」とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を意味する(著作権法2条1項1号)。論文や絵画が典型例(著作権法10条1項参照)であるが、これに限らず、新聞記事やインターネット上で公開されている画像なども、創作性(創作者の個性)が認められる限りは、広く著作物に該当しうる。
著作物を利用する権利(著作権)は、著作権者に帰属するため、著作権者の許諾を得ずに著作物を利用した場合には、著作権侵害として、損害賠償請求や差止請求等を受けるリスクがある
オンライン研修においても、例えば、新聞記事やインターネット上で公開されている画像をそのまま又は加工して使って研修資料を作成し、これを研修対象者に送信した場合には、著作権(複製権・公衆送信権・翻案権等)侵害となるリスクがある。
ただし、著作権法上、一定の場合には、著作権者の許諾を得ずに著作物を利用することが認められている(著作権法30条~50条 権利制限規定)。
例えば、著作権法32条1項は、既に公表された著作物について、「引用」して利用することを認めており、研修資料においても、著作物を「引用」して利用することが考えられる。ただし、この場合には、「公正な慣行に合致」して、「引用の目的上正当な範囲内」であることが必要である。その判断にあたっては、一般に、引用部分とそれ以外の部分の主従関係が明確であり、カギ括弧などによって引用部分が明確になっていることが必要であり、また引用を行う目的・必要性等も考慮され、単に引用される側の著作物を紹介したり鑑賞されることを目的としたものは、否定される傾向にあるので留意が必要である。さらに、出所(出典)を明示することも必要となる(著作権法48条で出所明示義務が規定されているが、引用の要件を充足するかの判断でもポイントとなる)。
著作権法は、その他様々な権利制限規定を置いているが、オンライン研修にあたっては、以下の規定について誤解がないよう留意が必要である。
まず、著作権法30条は、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」を目的とするときは、原則、著作物を複製することを認めている(私的利用)が、一般に、企業の内部的使用の場合には私的利用とはいえないと考えられているため、企業のオンライン研修において本条は適用されない。
また、著作権法35条は、学校その他の非営利の教育機関において、「授業の過程における利用に供すること」を目的とする場合には、既に公表された著作物を複製・公衆送信すること等を認めている。本条は、平成30年に改正され、教育の情報化を企図して、教材をメールで生徒に送信すること等も許容されることになった(なお新型コロナウイルス感染症の流行に伴う教育現場の状況等に鑑みて、当初の予定を早めて、2020年4月28日から施行されている)が、あくまで学校その他の非営利の教育機関を対象としているため、企業のオンライン研修においては適用されない。
インターネット上のフリー素材を使うような場合も、利用規約で商用利用が広く禁止されている場合があり、規約に抵触しないかの確認が必要である。規約に従う限りで利用が許諾されているため、規約違反での利用は、契約違反となるのみならず、著作権侵害を構成することになる。
オンラインで研修を実施するという際には、情報セキュリティの観点からも、研修資料の作成及び研修の実施において留意すべき点がある。
研修資料の作成にあたっては、資料の中に機微性の高い社内情報、例えば、不正競争防止法2条6項にいう営業秘密(秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの)や、個人情報保護法2条1項にいう個人情報が含まれないように注意する必要がある。
通常これらの情報を研修資料に入れる必要はないが、研修の性質から入れざるを得ない場合、営業秘密について秘密としての保護、個人データ(従業員名簿、取引先連絡先一覧など、データベース化された個人情報等を指す)について安全管理措置※を適切に行わなければならない。
※営業秘密がオンラインでやりとりされること等を含めたテレワーク対策に関して、経済産業省知的財産政策室「テレワーク時における 秘密情報管理のポイント (Q&A解説)」(2020年5月7日)も参照。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/teleworkqa_20200507.pdf
なお、機微性の高い情報について一部マスキング処理を行う場合、例えば、PDFファイルについて黒い図形を乗せて一部を隠すという処理では、その黒い図形を消去等することで、マスキングしたはずの情報が知られてしまうおそれがある。マスキングの不十分な処理による情報漏えい事故は定期的に発生しているため留意が必要である。
オンラインで研修を実施する際には、研修に関する資料等が外部に漏えいしないように注意しなければならない。可能であれば研修対象者以外の者が閲覧できないようにすることが望ましく、例えば、閲覧のためのパスワード(複雑なものにすることが望ましい)を付す等の対応が考えられる。
また、研修の実施に際して必要最低限のルールを整備することも必要であろう。例えば、研修資料に含まれている情報の機微性を格付けし、当該格付けに応じた取扱いを求める(例えば、機微性が高い情報が含まれているのであれば厳格な取扱いを求める等)旨のルールを整備したり、第三者が出入りする場所では、盗み見(ショルダーハッキング)のおそれがあるため閲覧を禁止するといった対応を行うことが考えられる。
オンライン研修を実施する際には、資料の作成または研修の実施を他社に委託する場合も多いと思われるが、以下のとおり留意すべき点がある。
資料の作成を委託するにあたって、資料の中に機微性の高い情報を入れざるを得ない場合には、秘密保持契約を締結する等して当該情報を保護する必要がある。
オンライン研修の実施を委託するという場合、委託先において研修実施用のプラットフォームをWeb上に用意し、各従業員がID・パスワードを用いてログインする場合もあると考えられるが、そのような場合には、各従業員にID・パスワードの取扱いに留意するよう周知することが必要であろう。また、この場合、委託先が受講者(従業員)の情報を取り扱うことになるが、当該情報の取扱方法(例えば委託契約終了時に当該情報を適切に破棄するかどうか等)に注意すべきである。
特に、研修実施のために従業員の個人データを委託先に提供する場合、委託先を適切に監督する義務が生じる(個人情報保護法22条)ため、その必要性については検討を要する(例えば、委託先から受講人数分のID・パスワードを発行してもらい、それを委託元において各従業員に配布する等の手段をとれば、委託元における作業は増えるものの、委託先に対して従業員の個人データを提供する必要はなくなると考えられる)。
どのような手段が適切かは各々の企業によって異なると考えられるため、いずれにせよ、とりうる選択肢とそれに伴うリスクを認識し、当該リスクに対応しつつ適切な選択肢を検討することが重要である。
劇団「第三舞台」の旗揚げ以降、劇作家・演出家として幅広く活躍してきた鴻上尚史さん。 近年、「世間の同調圧力」に警鐘を鳴らし、様々な悩みを抱える人たちが生きやすくなるための人生相談も人気を博している。 そんな鴻上さんが、コロナ禍のビジネスパーソンに向けて語る、私らしく生きるためのヒントとは。
ワークスタイルが大きく変化するなかで注目されているのが、「ハイブリッドワーク」だ。 ワークスタイルや組織開発の専門家である沢渡あまね氏は、オフィスワークとテレワークの組み合わせを超えた「3つのハイブリッド」を提唱している。 どのような考え方なのかを聞いた。
気になるテーマをオピニオンリーダーはどう考える? 有識者、実務家の方による意見を紹介!
テレワークやハイブリット型の働きかたのなかで新人の育成や組織適応は可能なのか。調査をもとに実態を読み解く!
今回は特別総集編。過去に紹介した施設を振り返りながら、オフィスや研修施設に求められる「3つの機能」について、稲水先生に語っていただきました。
オフィス家具最大手のオカムラ。次世代のリーダーとなる社員に良い経験を与え、自ら“チャンスを掴む”ための人材育成について語っていただきました。
コロナ禍は個人や職場における「コミュニケーション」にどのような影響を与えたのか。本編に入る前に日本能率協会マネジメントセンターが行った調査からその実態を探ってみよう。
コロナ禍で利用が広がったオンラインコミュニケーションツールは、 今後のコミュニケーションの変化とともにどのように進化していくだろうか。 先進技術が人の価値観・行動にどう影響を与えるか、未来社会の姿について研究している三菱総合研究所先進技術センターの川崎祐史氏に、今後の企業におけるオンラインコミュニケーションの在り方について聞いた。
シリアルの世界トップシェアブランド「ケロッグ」を国内で展開してきた日本ケロッグでは、 テレワーク中の運動不足とコミュニケーション不足解消のため、バーチャルイベントを開催。 施策を通じて同社がつかんだ「コミュニケーション」のもつ意味や、強い組織をつくるための秘訣とは。
気になるテーマを気になるあの人はどう考える? オピニオンリーダーたちの意見をご紹介します!
国内外に約170の店舗を展開するセレクトショップのビームスでは、入社後の3年間を基礎教育期間とし、店舗におけるOJT教育を中心に若手社員の戦力化に取り組んでいる。 業界や企業を取り巻く環境が大きく変化するなか、現場で見えてきた課題や人事の役割、人材育成の展望について、話を聞いた。
コロナ禍で、日本でもオンライン研修が定着しつつある。 今後コロナが収束し、オンラインも対面も可能な状況になったときに、効果的な研修を実施するには、どのような点に注意して設計すべきだろうか。 10年以上前から研修のオンライン化が進んでいるアメリカの事情に詳しい、ダイナミックヒューマンキャピタルの中村文子氏に聞いた。
コロナ禍で浸透が進むオンライン面接。従来の対面とは異なり、移動や準備のための負担が軽減できるなど、企業・学生双方にメリットがある一方、オンラインとリアルとのギャップによるミスマッチや、今後、オンラインに依存したコミュニケーションが常態化することに対する不安の声も上がっています。
コロナ禍によって、多くの企業が岐路に立っている。そんな今必要なのが、競争力ある企業が独自の経営センスで示す論理の重要性であり、優れた戦略だ。人事戦略もそれに基づき形づくられるべきである。 そこで、『ストーリーとしての成長戦略』の楠木 建氏が登壇した緊急特別セッション『優れた経営者の条件:戦略ストーリーを創るセンス』(20年9月)から、その概要をレポートする(主催:株式会社ドリームインスティテュート)
組込みソフトウェアを手がけるイーソルでは新卒を毎年採用し、手厚い研修制度で未経験者からプロのエンジニアに育て上げる。2020年はリモート環境下であっても、例年と変わらぬレベルで育成を進めたという。どのような工夫を施し、難局を乗り切ったのか。
コロナ禍で浸透が進むオンライン面接。従来の対面とは異なり、移動や準備のための負担が軽減できるなど、企業・学生双方にメリットがある一方、オンラインとリアルとのギャップによるミスマッチや、今後、オンラインに依存したコミュニケーションが常態化することに対する不安の声も上がっています。
1943年に設立された米国タレント開発協会(ATD、旧ASTD)は、毎年国際大会を行っているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急遽リアルカンファレンスを中止しヴァーチャルに変更。 2020年6月1日から5日にかけて開催し、その後3カ月間、アーカイブを公開した。 最終的に5人の基調講演を含む38のライブセッションと148のアーカイブ動画等で構成され、71カ国から4,500人が参加したという。 本稿では、ラーニングの転換に参考になる3つの講演のダイジェストを紹介する。
新型コロナウイルスの感染拡大により、OJTなどの企業内教育もオンラインへの転換を余儀なくされている。オンラインでどのようにOJTを行うのか。メンターや上司はどう関わっていけばいいのか。人事・人材開発担当者ができる支援とは。 新入社員研修に続き、オンラインでのOJTを支援している三井物産人材開発に話を聞いた。
コロナの流行に関わらず「働き方」「生き方」が劇的に変化しているこの時代。企業における「学び方」はどう変化していくべきか。以前から「オンライン教育」の必要性を認識し、取り組みを続けてきたファンケルに話を聞いた。
弊社、日本能率協会マネジメントセンターの調査結果※によれば、「Withコロナ」において、マネジャーの意識や行動に3つの変化の傾向が見て取れた。本編に入る前に紹介しよう。 ※2020年は「イマドキの若手社員の仕事に対する意識調査」(6月実施)、2018年は「JMAM管理者実態調査」(9月実施)にて同項目の調査を行った。
2020年6月、三菱UFJ リサーチ&コンサルティングが発表したレポートでは、「コロナ起点の人材マネジメントの課題分類と対応する施策」が整理されている。 マネジャーのマネジメントスタイル転換の方向性と、人材マネジメント課題解決における人事部門の役割や各施策を進めるうえでの注意点とは。執筆者2名に話を聞いた。
テレワークの長期化は、単に働く場所が変化するという話にとどまらない。 マネジャーの役割、評価の方法、さらには組織の在り方まで、その影響は多方面に波及する。 働き方の変化がとまることはない時代における、マネジメントと人事の役割とは。 同志社大学政策学部教授の太田肇氏に話を聞いた。
テレワークが前提のWith コロナ時代。 一堂に会しにくい状況下で、組織の力を高めることに難しさを感じる人もいるだろう。 その意味で、組織開発の重要性が高まっている。 そこで組織開発の研究者である中村和彦氏に、困難な状況下でも課題を乗り越え、新しいものやアイデアがどんどん生まれる職場をつくるマネジャーの在り方や、テレワークでの望ましい職場運営等について聞いた。
「働きがい」を目指して長年にわたり取り組みを進めるNEC。 近年は、組織のカルチャー変革を視野に入れたテレワークにも積極的に取り組んでいる。 同社のテレワーク導入による効果とマネジメント力強化策を、今後の方向性を含めて聞いた。
情報機器大手のコニカミノルタの国内事業会社であるコニカミノルタジャパンでは、2013年に働き方を見直すためのプロジェクトをスタート、2017年からは全社員を象にテレワークを解禁し、オフィスにしばられないワークスタイルを広めてきた。 さらに2020年、新型コロナウイルス感染症対策のため、在宅勤務を原則とする働き方にスイッチ。 そこで見えてきた新たな課題と傾向、そしてテレ・マネジメントのポイントについて、人事部トップの伊崎公司氏に話を聞いた。
「成果主義から成長主義へ」をコンセプトに、人事制度改革を進めてきた博報堂。 部下の成長の鍵を握るマネジャーを、様々な施策で支援してきた。 同社で人材育成に長年携わってきた白井剛司氏は「これらの施策は、With コロナ・マネジメントにも活きる」と話す。 コロナ禍においてマネジャーをどう支援していけばいいか、また今後どのように支援しようとしているか、話を聞いた。
多くの企業でリモートワークが広がるなか、チームワークの難しさが課題となっています。 『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)の著書でもある倉貫義人さんにリモートワークでGood Team をつくる方法について聞きました。
新型コロナウイルスの感染拡大は、企業内研修の在り方に大きな影響を与えている。 多くの企業が研修の延期や中止、計画の見直しを行うなか、本田技研工業は早期に新入社員研修のオンライン化を決断・実施し、手応えを感じたという。 オンライン化の経緯や工夫、そして効果とは。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、各企業が積極的にテレワークを導入することとなった。今後もテレワークを実施する企業は増えると思われるが、テレワークの実施にあたり留意すべき法的問題点は少なくない。本稿ではテレワークにおける労働時間管理とサイバーセキュリティについて留意すべき点を取り上げる。
コロナウイルスという現時点で終わりが見えない巨大な敵は、世界そして日本の経済にも大きな打撃を与えている。とはいえ、経済活動を止めるわけにもいかず、当面、国策も企業政策も試行錯誤が続いていく。そんな最中、2020年7月3日開催の首相官邸「未来投資会議」において、新たな「成長戦略実行計画案」が示された。
政府による緊急事態宣言解除後、気がつけばほぼ毎日出社している。本当は、リモートワークの旗振り役にならなければならないのだが、リアルの面談も少しずつだが復活してきており、致し方ないところだ(と自分をなぐさめている)。通勤電車でも、ビフォーコロナに戻ったとは言わないものの、8割方乗客数が復活している気がする。JR東日本では、電車の混雑状況をリアルタイムで顧客に届けるアプリを開発し、首都圏主要路線での展開を進めている。それにしても実に便利な時代である。
内閣府の「景気ウオッチャー調査」を以前から足元景気を見る際に参考にしている。コロナショック後、よくメディアでも取り上げられるようになったのだが、小売店やサービス業の店主・店員やタクシードライバー等の方々に、全国地域別に調査をして取りまとめている報告書であり、コメントが生々しく、今が有事であることを実感させられる。
プロ人材の活用(プロシェアリング)や新しい働き方を支援する久保田氏は「緊急事態宣言によって半ば強制的にテレワークに踏み切った企業が今後どう変革していくかに注目したい」と話す。個々の社員の多様な要望とマネジメントの意向とをどうすり合わせ、双方の成長につなげるか。ポイントを聞いた。
新型コロナウイルス感染症拡防止策としての緊急事態宣言は、日本経済に深刻な影響を与えた。まさに“コロナ・ショック”である。日々刻刻と状況は変化し予測も難しいなか、マクロ経済的には、国や企業にどのような政策・施策が求められるのか。エコノミストの永濱利廣氏に話を聞いた。
感染症拡大で、キャリア観や働き方も転換を迫られている。先行き不透明な状況の中で、私たちはいかに働き、キャリアを築いていけばいいのか。そして、企業はいかに社員をサポートすればいいのか。雇用や人的資源管理を専門とする法政大学大学院政策創造研究科の石山恒貴教授に、Afterコロナ・Withコロナ時代のキャリア観について聞いた。
テレワーク研究の第一人者である、比嘉邦彦氏へのインタビュー後編。テレワークで課題となりがちなマネジメントのあり方や情報セキュリティーの考え方、またアフターコロナのテレワークの方向性について語っていただいた。
新型コロナウイルスの影響で、この春に急遽テレワークを導入した企業も少なくない。けれども、本来望ましいテレワークのあり方とはどのようなものなのか。テレワーク研究の第一人者である比嘉邦彦氏に、前後編にわたり解説いただいた。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、在宅勤務等が増加する中、研修についてもオンラインでの実施の増加が見込まれる。オンラインで研修を実施するにあたっては、研修資料の作成及び研修の実施に関して、著作権法、個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という)に注意するほか、情報セキュリティへの配慮も必要である。下記にポイントを記す。
2020年4月22日に開催された「JMAMオンラインカンファレンス on Zoom」。セッション1では、「オンラインによる人材育成・組織開発の新たな価値創造」と題して、リモート組織・トオラス代表の田原真人氏に登壇いただいた。本稿では、「人材育成のオンライン化」と「組織開発と集合知マネジメント」に関する田原氏の解説を紹介する。
2020年4月22日、「JMAMオンラインカンファレンス on Zoom」が開催された。ここでは当日のセッション2、ホフステード・インサイツ・ジャパンの宮森千嘉子氏の講演より、イノベーションを起こすチームづくりに欠かせない異文化対応力を磨き、文化の違いを活かすポイントを紹介する。本稿では当日の内容に加え、グローバルなテレワーク環境で信頼関係を築き、維持する具体的な方法についても加筆いただいた。
リモートワークには様々なメリットがある一方で、うまく活用できないとマイナス要因にもなりかねない。デジタルコンサルティング事業を行うプリンシプルでは4年前、「リモート経営」がうまくいかず業績が低迷。その原因分析と、成功に導くために行った改善策を聞いた。
デジタル人材、HRテック、ピープルアナリティクス、AR / VR 型トレーニング、AI 人事、エンプロイーエクスペリエンス――。デジタルテクノロジーの隆盛にともない、組織・人事領域でもデジタルにまつわる様々なBuzzword を耳にするようになりました。Buzzwordとは特定の分野で一定期間、話題になるものの、定義や意味が曖昧な用語を指します。「世の中で大きな変化が起こっているな」という感覚を抱いても――これがまさに“バズっている”状況といえますが――、変化に対応するため自社や自分にとってどんな打ち手が必要となるのか、具体的なイメージが描きにくいという人は多いかと思います。そこで本連載ではBuzzword に焦点を当て、用語の意味合いを解説するとともに、コンサルティング事例や先進活用例をもとに、各社の組織開発や人材開発の場面でBuzzwordを生かすヒントを紐解いていきます。
2020年現在、コロナウイルスが猛威をふるっている。多方面で大きな影響が出ており、私たちも、感染症の恐ろしさをあらためて実感させられることになった。いま一度感染症について考えてみたい。感染症とは、細菌やウイルスが体に入って増殖することにより起こる病気である。細菌は細胞をもつ生き物。一方、ウイルスは細胞をもたず、人や動植物の細胞の中に入って増殖していく。冬に感染症が多いのは、細菌やウイルスが、湿度も温度も低いところを好んで発生することが一般的だからだ。また、空気が乾燥していることで、ウイルスの体内への侵入を防ぐ役割をもつ人の粘液や体液の働きが低下する。そのため、人の体の抵抗力や体力が落ちやすくなり、冬は感染症のリスクが増えるのだ。
東京五輪・パラリンピックに向けて推奨されてきたテレワークによる在宅勤務は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、想定外のかたちで企業に浸透しつつあります。しかし、なかには拙速ともいえる導入事例も少なくありません。労務管理、マネジメントなど、人事はどう対応すべきでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の拡大が世の中に暗い影を落としている。欧米において感染者が急拡大しており、日本でも(本稿執筆時点では)まだオーバーシュート、いわゆる急拡大には至っていないものの、感染者数は確実に増加トレンドにある。リーマンショックを超える衝撃とまで形容されるコロナショックはいったい、いつ収束を迎えるのか。気が気でない読者も多いだろう。
2020年5月4日、政府による緊急事態宣言が5月末まで延長されたが、新型コロナウイルス感染者数の推移を慎重に見守りながら、前倒し解除の可能性も出てきた。とはいえ、完全に世の中が元に戻るのではなく、ウィズコロナ時代に突入するのは間違いない。働き方においては、宣言解除後も、リモートワークの引き続きの実施を中心に、「リモート+リアル」のバランスを取りながら、各社取り組んでいくことになるだろう。
2020年のゴールデンウイークは、近年誰も経験したことがない「人の大移動をともなわない」不思議な休暇期間となった。歓迎すべき事象ではないが、歴史にこの期間のことは刻まれるだろう。政府による緊急事態宣言も5月末まで延長された。今だからこそできることを模索し、実行していきたいと考えている(読書も1つの手段であることは間違いない)。
2020年4月22日、学びのオンライン化をオンラインで考えるイベント「JMAMオンラインカンファレンス on Zoom」が開催された。本稿では、当日のセッション3、元ミネルバ大学日本連絡事務所長の山本秀樹氏の講演より、同校における、答えのない問題を解ける人材が育つオンライン授業とプロジェクト学習による教育法を先行事例として紹介する。
新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が研修の延期や中止、計画の見直しを行っている。先が見えない状況が続くなか、企業内研修はどうあるべきか。オンライン化はどう進めていけばよいのか。「人材開発」「組織開発」を専門とする立教大学経営学部中原淳教授からの緊急提言をお届けする。