新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が研修の延期や中止、計画の見直しを行っている。先が見えない状況が続くなか、企業内研修はどうあるべきか。オンライン化はどう進めていけばよいのか。「人材開発」「組織開発」を専門とする立教大学経営学部中原淳教授からの緊急提言をお届けする。
立教大学経営学部ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP) 主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所副所長などを兼任。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科、メディア教育開発センター、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学講師・准教授などを経て、2018年より現職。
著書に『職場学習論』『経営学習論』(ともに東京大学出版会)、『研修開発入門』(ダイヤモンド社)、『駆け出しマネジャーの成長論』(中央公論新社)など多数。
研究の詳細は、Blog:NAKAHARA-LAB.NET(http://www.nakahara-lab.net/)。Twitter ID : nakaharajun
新型コロナウイルスの感染拡大は企業の研修、ワークショップ、人材開発、組織開発に大きな影響を与えています。人が集うこと、ソーシャルにかかわり合うことが不可能になり、早期からオンライン研修に切り替えた企業がある一方で、対策を講じられないまま在宅ワークが導入され、研修等が実質的にストップしている企業は少なくありません。
こうした状況のなか、特に憂慮しているのは、新入社員研修の中止や延期の影響です。新入社員研修というのは、新しいメンバーが組織に適応する「組織社会化」のプロセスにおいて非常に重要な意味をもっているため、1日も早く、オンライン化はもちろん、あらゆる手段を使って対策を講じる必要があります。
新入社員研修以外の研修計画についても、早急に見直し、早い段階で現状に合った形で再開していくべきだと考えます。当初、5月6日までとされていた緊急事態宣言は5月末まで延長されました。6月以降に解除となっても、その後すぐに平常運転に戻れるとは思えません。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授も「新型コロナウイルスとの闘いは短距離走ではありません。1年は続く可能性のある長いマラソンです」とおっしゃっていました。セキュリティ面の不安など、やらない理由はいくらでも挙げられますが、様々な制限のある今、リスクをゼロにすることは無理でしょう。長い闘いになることを覚悟し、必要な研修をオンライン化していく意思決定をできるだけ早くするべきだと思います。
研修をオンライン化する意思決定ができたとしても、翌日からすぐオンライン研修を始められるものではありません。立教大学経営学部では、4月4日から大学院リーダーシップ開発コースで、4月9日から学部の授業でオンライン授業を始めましたが、学ぶ側や教える側双方の環境設定や授業の準備、教えられる側のマイクやカメラ、Wifiなどの環境整備に1カ月近くを要しました。それぞれが利用可能なヘルプデスクなどを学部総出で準備して、このスピードです。どれほど早くても、オンライン研修を始めるには、最低2週間前から準備を始める必要があるでしょう。
緊急時の対応で重視すべきことは、下記の3点です。
「スピード」一刻も早く意思決定し、見切り発車でも動く
「プライオリティ」やるべきこと、やらなくてもいいことのメリハリをつける
「サポート」ついてこられない人に対するサポート体制を準備する
オンライン研修についても、まずはスピード感をもって進めていくことが重要です。必要最低限の機能がそろう多くの人が使えそうなツールを選び、学習者の環境整備を行い、プライオリティをつけて行うべき研修を選び、まずはできるところから始めていく。その際、うまく接続できない人に対しては、きちんと個別対応してあげられるようなサポート体制をしっかりと用意する。このような考えで実行していただきたいと思います。くれぐれも「完璧を目指さないように」。今は緊急時ですから、できることから始める姿勢が大切です。
研修のオンライン化を進めていく際に立ちはだかるのが、「プライオリティの壁」です。どの研修を残し、どの研修をオンライン化するべきなのか。研修企画担当者は難しい選択を迫られます。人材開発の目的に照らせば、「その研修によって経営や現場に影響を残せるのかどうか」。もっと言えば「経営や現場に悪影響を与えないかどうか」といった基準が考えられると思います。
多くの企業における研修は近年、肥大化している傾向にあり、「なぜ始まったのかわからないが、なんとなく毎年続いている研修」というものも少なくありません。緊急時の今は「あってもいいけど、なくても仕事が回る研修」というのは、止めてもいいのではないでしょうか。緊急時の今だからこそ「必要な武器をもたせるための研修は何か」を考え、大事なものだけを残したり、または新たに導入する、という決断をすべきです。
同時に、もう一つ考えていただきたいのは「人と人とのつながり」「組織と人とのつながり」をつくるための研修です。特に新入社員は、親元を離れて一人暮らしを始めたところで家にこもることになり、不安を募らせています。仕事をしたいのに、悶々としている人も少なくありません。自宅で1カ月間研修を受けているだけなのに、給与をもらっていいものなのか、社会人として本当にこれでいいのか、とふさぎ込んでいるひともいるのです。
この状態が長期間続けば、深刻な心の問題を引き起こすことも考えられます。新入社員たちを孤独にさせないためにも、オンライン研修によって、同期や先輩、人事担当者とのつながりを途絶えさせない工夫をこらしていただきたいと思います。
研修というものは、その組織が何を大事にしているのかを従業員にメッセージする役割も担っています。つながりをつくったり、エンゲージメントを高めるような研修を企画することは、新型コロナウイルス感染拡大に不安を抱える一般の従業員の離職防止、メンタルケアにもつながるでしょう。
では、オンライン研修を実施する際のポイントは何か。実際にオンラインで授業を行ってみて、私が大切だと思ったことを3点ほどお伝えしたいと思います。
1つめは、「挑戦のストーリーを入れて、メッセージングする」ということです。何のために研修のオンライン化をするのか。今なぜ、この研修を行うのか。会社としてきちんとしたメッセージがないまま、なんとなくオンライン研修が始まっても、学習者側は目的意識をもてません。といっても、「今年は集合研修ができないので、代わりにオンライン研修をやります」ではモチベーションは上がりません。「大変な時代になったが、皆さんとともに困難を乗り越えていくためにも、この研修は欠かせない。オンライン研修という制約を逆手にとって、新たな価値を生み出そう!」など、挑戦のストーリーを織り込んだ呼びかけを行うことで、やる気も出ますし、組織全体でこの危機に対応していこう、という機運が生まれます。
私自身、ゼミ生たちには「日本一のオンラインゼミをつくろう」と呼びかけています。先行きが見えないこんな時期だからこそ、前向きなメッセージで社員を奮い立たせることができるかどうか、組織の底力が試されているように思います。
2つめは、「学習者のリアクションを引き出す」ことです。オンライン研修には様々な制限があり、オフライン研修よりも学習効果は低いと思われているかもしれませんが、そんなことはありません。実は「オンライン研修はオフライン研修よりも時間あたりの学習効果が高い」という研究もあるほどです。
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11614
とはいえ、オフライン研修をそのままの形でオンライン研修に移行するのは無理があります。「最初に目的の打ち込みをしっかり行う」など、基本的な研修設計方法は、オフライン研修と変わりませんが、いくつか注意すべきポイントがあります。詳しくは(http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/04/ss_rikkyo_nakaharajun_2020.pdf)で公開していますので、そちらを参照していただけたらと思いますが、私が一番重要だと考えるポイントだけをお伝えするとしたら、「学習者のリアクションを引き出す」こと、これに尽きます。
なぜオンライン研修では、「学習者のリアクションを引き出す」必要があるのでしょうか。オンラインの学習者は画面を凝視し続けているため、オフラインよりも集中力を要します。そのため、長時間、受け身でレクチャーを受けていると集中力がもちません。最低でも15分に一度、問いかけをして答えてもらう、アクティビティを交える、テーマや内容を変える、休憩を取るなど、学習者のリアクションを引き出すような働きかけを入れていくと、集中して見てもらえます。
また、学習者のリアクションがあると、講師も不安なく研修が進められます。その意味では、講義映像を一方的に流すだけの研修は、長時間やってもあまり学習効果を期待できないでしょう。一方的な講義型研修は通信教育を活用するなどし、今だからこそできる、自社独自の双方向型オンライン研修開発に挑戦していただきたいです。
3つめは、「オンラインだからこそ、『組織風土』『組織文化』を伝える努力を忘れない」ということです。わたしのゼミでは、ある先生からの提案を参考に、オンライン授業の前後に大学のチャイムを流すようにしました。また、Zoomの仮想背景には大学の講堂の写真を用いるなど、大学の雰囲気を感じてもらえるような工夫をしています。
企業でも、特に新入社員は会社がどんなところなのか、働くとはどういうことなのか、全くわからない状態でオンライン研修に臨んでいるわけです。研修では、どうしてもスキルや知識を伝えることに重きを置きがちですが、それだけではなく、社内の様々な人や場所を紹介して会社の文化や雰囲気を伝えたり、先輩社員とざっくばらんに話す機会をもつなど、働くことをイメージできるような工夫をしてあげたいものです。
また、テレワーク期間が長くなることを考えると、今後は一般従業員に対しても組織への帰属意識を高めるような試みを考えることが大切になってくるように思います。
新型コロナの影響はいつまで続くのか。こればかりは誰にもわかりません。思いのほか早期に以前のような集合研修が再開できるようになるのかもしれません。しかし、もしそうなったとしても、今この時期に始まったオンライン化の流れはこの先も途絶えることはないように思います。時代は確実に変化しています。この変化の波に対応できずにいる人材開発担当者は今後、この領域で生きていくことはできないのではないかとすら思います。
人材開発、組織開発、リーダーシップ開発とは、他者に「変わる」ことを求める営みです。他者に「変われ」と言っておきながら、自ら「変わる」努力ができないのであれば、この仕事に携わる資格はありません。今こそ「変わる」チャンスだと考えて「学びをとめない」ためにできることを始めていただきたいと願います。
[取材・文]=井上 佐保子
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コロナ禍で、日本でもオンライン研修が定着しつつある。 今後コロナが収束し、オンラインも対面も可能な状況になったときに、効果的な研修を実施するには、どのような点に注意して設計すべきだろうか。 10年以上前から研修のオンライン化が進んでいるアメリカの事情に詳しい、ダイナミックヒューマンキャピタルの中村文子氏に聞いた。
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コロナ禍によって、多くの企業が岐路に立っている。そんな今必要なのが、競争力ある企業が独自の経営センスで示す論理の重要性であり、優れた戦略だ。人事戦略もそれに基づき形づくられるべきである。 そこで、『ストーリーとしての成長戦略』の楠木 建氏が登壇した緊急特別セッション『優れた経営者の条件:戦略ストーリーを創るセンス』(20年9月)から、その概要をレポートする(主催:株式会社ドリームインスティテュート)
組込みソフトウェアを手がけるイーソルでは新卒を毎年採用し、手厚い研修制度で未経験者からプロのエンジニアに育て上げる。2020年はリモート環境下であっても、例年と変わらぬレベルで育成を進めたという。どのような工夫を施し、難局を乗り切ったのか。
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1943年に設立された米国タレント開発協会(ATD、旧ASTD)は、毎年国際大会を行っているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急遽リアルカンファレンスを中止しヴァーチャルに変更。 2020年6月1日から5日にかけて開催し、その後3カ月間、アーカイブを公開した。 最終的に5人の基調講演を含む38のライブセッションと148のアーカイブ動画等で構成され、71カ国から4,500人が参加したという。 本稿では、ラーニングの転換に参考になる3つの講演のダイジェストを紹介する。
新型コロナウイルスの感染拡大により、OJTなどの企業内教育もオンラインへの転換を余儀なくされている。オンラインでどのようにOJTを行うのか。メンターや上司はどう関わっていけばいいのか。人事・人材開発担当者ができる支援とは。 新入社員研修に続き、オンラインでのOJTを支援している三井物産人材開発に話を聞いた。
コロナの流行に関わらず「働き方」「生き方」が劇的に変化しているこの時代。企業における「学び方」はどう変化していくべきか。以前から「オンライン教育」の必要性を認識し、取り組みを続けてきたファンケルに話を聞いた。
弊社、日本能率協会マネジメントセンターの調査結果※によれば、「Withコロナ」において、マネジャーの意識や行動に3つの変化の傾向が見て取れた。本編に入る前に紹介しよう。 ※2020年は「イマドキの若手社員の仕事に対する意識調査」(6月実施)、2018年は「JMAM管理者実態調査」(9月実施)にて同項目の調査を行った。
2020年6月、三菱UFJ リサーチ&コンサルティングが発表したレポートでは、「コロナ起点の人材マネジメントの課題分類と対応する施策」が整理されている。 マネジャーのマネジメントスタイル転換の方向性と、人材マネジメント課題解決における人事部門の役割や各施策を進めるうえでの注意点とは。執筆者2名に話を聞いた。
テレワークの長期化は、単に働く場所が変化するという話にとどまらない。 マネジャーの役割、評価の方法、さらには組織の在り方まで、その影響は多方面に波及する。 働き方の変化がとまることはない時代における、マネジメントと人事の役割とは。 同志社大学政策学部教授の太田肇氏に話を聞いた。
テレワークが前提のWith コロナ時代。 一堂に会しにくい状況下で、組織の力を高めることに難しさを感じる人もいるだろう。 その意味で、組織開発の重要性が高まっている。 そこで組織開発の研究者である中村和彦氏に、困難な状況下でも課題を乗り越え、新しいものやアイデアがどんどん生まれる職場をつくるマネジャーの在り方や、テレワークでの望ましい職場運営等について聞いた。
「働きがい」を目指して長年にわたり取り組みを進めるNEC。 近年は、組織のカルチャー変革を視野に入れたテレワークにも積極的に取り組んでいる。 同社のテレワーク導入による効果とマネジメント力強化策を、今後の方向性を含めて聞いた。
情報機器大手のコニカミノルタの国内事業会社であるコニカミノルタジャパンでは、2013年に働き方を見直すためのプロジェクトをスタート、2017年からは全社員を象にテレワークを解禁し、オフィスにしばられないワークスタイルを広めてきた。 さらに2020年、新型コロナウイルス感染症対策のため、在宅勤務を原則とする働き方にスイッチ。 そこで見えてきた新たな課題と傾向、そしてテレ・マネジメントのポイントについて、人事部トップの伊崎公司氏に話を聞いた。
「成果主義から成長主義へ」をコンセプトに、人事制度改革を進めてきた博報堂。 部下の成長の鍵を握るマネジャーを、様々な施策で支援してきた。 同社で人材育成に長年携わってきた白井剛司氏は「これらの施策は、With コロナ・マネジメントにも活きる」と話す。 コロナ禍においてマネジャーをどう支援していけばいいか、また今後どのように支援しようとしているか、話を聞いた。
多くの企業でリモートワークが広がるなか、チームワークの難しさが課題となっています。 『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)の著書でもある倉貫義人さんにリモートワークでGood Team をつくる方法について聞きました。
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新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、各企業が積極的にテレワークを導入することとなった。今後もテレワークを実施する企業は増えると思われるが、テレワークの実施にあたり留意すべき法的問題点は少なくない。本稿ではテレワークにおける労働時間管理とサイバーセキュリティについて留意すべき点を取り上げる。
コロナウイルスという現時点で終わりが見えない巨大な敵は、世界そして日本の経済にも大きな打撃を与えている。とはいえ、経済活動を止めるわけにもいかず、当面、国策も企業政策も試行錯誤が続いていく。そんな最中、2020年7月3日開催の首相官邸「未来投資会議」において、新たな「成長戦略実行計画案」が示された。
政府による緊急事態宣言解除後、気がつけばほぼ毎日出社している。本当は、リモートワークの旗振り役にならなければならないのだが、リアルの面談も少しずつだが復活してきており、致し方ないところだ(と自分をなぐさめている)。通勤電車でも、ビフォーコロナに戻ったとは言わないものの、8割方乗客数が復活している気がする。JR東日本では、電車の混雑状況をリアルタイムで顧客に届けるアプリを開発し、首都圏主要路線での展開を進めている。それにしても実に便利な時代である。
内閣府の「景気ウオッチャー調査」を以前から足元景気を見る際に参考にしている。コロナショック後、よくメディアでも取り上げられるようになったのだが、小売店やサービス業の店主・店員やタクシードライバー等の方々に、全国地域別に調査をして取りまとめている報告書であり、コメントが生々しく、今が有事であることを実感させられる。
プロ人材の活用(プロシェアリング)や新しい働き方を支援する久保田氏は「緊急事態宣言によって半ば強制的にテレワークに踏み切った企業が今後どう変革していくかに注目したい」と話す。個々の社員の多様な要望とマネジメントの意向とをどうすり合わせ、双方の成長につなげるか。ポイントを聞いた。
新型コロナウイルス感染症拡防止策としての緊急事態宣言は、日本経済に深刻な影響を与えた。まさに“コロナ・ショック”である。日々刻刻と状況は変化し予測も難しいなか、マクロ経済的には、国や企業にどのような政策・施策が求められるのか。エコノミストの永濱利廣氏に話を聞いた。
感染症拡大で、キャリア観や働き方も転換を迫られている。先行き不透明な状況の中で、私たちはいかに働き、キャリアを築いていけばいいのか。そして、企業はいかに社員をサポートすればいいのか。雇用や人的資源管理を専門とする法政大学大学院政策創造研究科の石山恒貴教授に、Afterコロナ・Withコロナ時代のキャリア観について聞いた。
テレワーク研究の第一人者である、比嘉邦彦氏へのインタビュー後編。テレワークで課題となりがちなマネジメントのあり方や情報セキュリティーの考え方、またアフターコロナのテレワークの方向性について語っていただいた。
新型コロナウイルスの影響で、この春に急遽テレワークを導入した企業も少なくない。けれども、本来望ましいテレワークのあり方とはどのようなものなのか。テレワーク研究の第一人者である比嘉邦彦氏に、前後編にわたり解説いただいた。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、在宅勤務等が増加する中、研修についてもオンラインでの実施の増加が見込まれる。オンラインで研修を実施するにあたっては、研修資料の作成及び研修の実施に関して、著作権法、個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という)に注意するほか、情報セキュリティへの配慮も必要である。下記にポイントを記す。
2020年4月22日に開催された「JMAMオンラインカンファレンス on Zoom」。セッション1では、「オンラインによる人材育成・組織開発の新たな価値創造」と題して、リモート組織・トオラス代表の田原真人氏に登壇いただいた。本稿では、「人材育成のオンライン化」と「組織開発と集合知マネジメント」に関する田原氏の解説を紹介する。
2020年4月22日、「JMAMオンラインカンファレンス on Zoom」が開催された。ここでは当日のセッション2、ホフステード・インサイツ・ジャパンの宮森千嘉子氏の講演より、イノベーションを起こすチームづくりに欠かせない異文化対応力を磨き、文化の違いを活かすポイントを紹介する。本稿では当日の内容に加え、グローバルなテレワーク環境で信頼関係を築き、維持する具体的な方法についても加筆いただいた。
リモートワークには様々なメリットがある一方で、うまく活用できないとマイナス要因にもなりかねない。デジタルコンサルティング事業を行うプリンシプルでは4年前、「リモート経営」がうまくいかず業績が低迷。その原因分析と、成功に導くために行った改善策を聞いた。
デジタル人材、HRテック、ピープルアナリティクス、AR / VR 型トレーニング、AI 人事、エンプロイーエクスペリエンス――。デジタルテクノロジーの隆盛にともない、組織・人事領域でもデジタルにまつわる様々なBuzzword を耳にするようになりました。Buzzwordとは特定の分野で一定期間、話題になるものの、定義や意味が曖昧な用語を指します。「世の中で大きな変化が起こっているな」という感覚を抱いても――これがまさに“バズっている”状況といえますが――、変化に対応するため自社や自分にとってどんな打ち手が必要となるのか、具体的なイメージが描きにくいという人は多いかと思います。そこで本連載ではBuzzword に焦点を当て、用語の意味合いを解説するとともに、コンサルティング事例や先進活用例をもとに、各社の組織開発や人材開発の場面でBuzzwordを生かすヒントを紐解いていきます。
2020年現在、コロナウイルスが猛威をふるっている。多方面で大きな影響が出ており、私たちも、感染症の恐ろしさをあらためて実感させられることになった。いま一度感染症について考えてみたい。感染症とは、細菌やウイルスが体に入って増殖することにより起こる病気である。細菌は細胞をもつ生き物。一方、ウイルスは細胞をもたず、人や動植物の細胞の中に入って増殖していく。冬に感染症が多いのは、細菌やウイルスが、湿度も温度も低いところを好んで発生することが一般的だからだ。また、空気が乾燥していることで、ウイルスの体内への侵入を防ぐ役割をもつ人の粘液や体液の働きが低下する。そのため、人の体の抵抗力や体力が落ちやすくなり、冬は感染症のリスクが増えるのだ。
東京五輪・パラリンピックに向けて推奨されてきたテレワークによる在宅勤務は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、想定外のかたちで企業に浸透しつつあります。しかし、なかには拙速ともいえる導入事例も少なくありません。労務管理、マネジメントなど、人事はどう対応すべきでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の拡大が世の中に暗い影を落としている。欧米において感染者が急拡大しており、日本でも(本稿執筆時点では)まだオーバーシュート、いわゆる急拡大には至っていないものの、感染者数は確実に増加トレンドにある。リーマンショックを超える衝撃とまで形容されるコロナショックはいったい、いつ収束を迎えるのか。気が気でない読者も多いだろう。
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2020年のゴールデンウイークは、近年誰も経験したことがない「人の大移動をともなわない」不思議な休暇期間となった。歓迎すべき事象ではないが、歴史にこの期間のことは刻まれるだろう。政府による緊急事態宣言も5月末まで延長された。今だからこそできることを模索し、実行していきたいと考えている(読書も1つの手段であることは間違いない)。
2020年4月22日、学びのオンライン化をオンラインで考えるイベント「JMAMオンラインカンファレンス on Zoom」が開催された。本稿では、当日のセッション3、元ミネルバ大学日本連絡事務所長の山本秀樹氏の講演より、同校における、答えのない問題を解ける人材が育つオンライン授業とプロジェクト学習による教育法を先行事例として紹介する。
新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が研修の延期や中止、計画の見直しを行っている。先が見えない状況が続くなか、企業内研修はどうあるべきか。オンライン化はどう進めていけばよいのか。「人材開発」「組織開発」を専門とする立教大学経営学部中原淳教授からの緊急提言をお届けする。