改めて述べるまでもなく、「お客様第一主義」「お客様満足」は、企業にとって非常に重要な考え方である。そして、ほとんどの企業が、企業理念やビジョン、ミッションの中で、それに類する文言を掲げている。
しかし、お客様第一主義を実践し、お客様満足を向上させていくのは、それほど簡単なことではない。単なるスローガンやキャンペーンで終わったり、一部の部署の動きに留まるなど、施策そのものが頓挫した企業も多い。
お客様第一主義とは組織を貫く理念であり、全社員が共有する文化である。同時に、極めて具体的な日々の業務プロセスそのものであり、システムでもある。現在ではこのプロセスなしに、多様化や細分化が進み変化の速い顧客ニーズをキャッチし、迅速に経営に反映させるなど不可能といっても過言ではないだろう。
本特集では、こうした現在のマーケットがつきつける課題を、お客様第一主義という基本に立ち返ることでいかに解決し、コーポレート部門が一体となって新たな価値を創造していくか。その価値創造の中で人事や人材開発部門が果たす役割とは何かを考えていきたい。