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変革ドライブ企業に聞く!
SAPジャパン株式会社③

2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切ったSAP。戦略実現のためにグローバル人事が今、注力しているのがイノベーションを起こす人・組織づくりだ。第3回(最終回)では、イノベーションの促進や若い世代の感覚に即した評価制度改革やモチベーション施策(ノーレイティング、1 on 1ミーティングの導入等)、さらには変化の時代に適した「パルテノン型組織」について、引き続き人事・人財ソリューションアドバイザリー本部長の南和気氏、人事本部HRビジネスパートナー シニアコンサルタントの濱岡有希子氏に伺った。

2018年11月21日

変革ドライブ企業に聞く!SAPジャパン株式会社③

2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切ったSAP。戦略実現のためにグローバル人事が今、注力しているのがイノベーションを起こす人・組織づくりだ。第3回(最終回)では、イノベーションの促進や若い世代の感覚に即した評価制度改革やモチベーション施策(ノーレイティング、1 on 1ミーティングの導入等)、さらには変化の時代に適した「パルテノン型組織」について、引き続き人事・人財ソリューションアドバイザリー本部長の南和気氏、人事本部HRビジネスパートナー シニアコンサルタントの濱岡有希子氏に伺った。

③評価制度改革とモチベーション施策、変化に強い組織づくり

ベルカーブによる5段階評価の問題

イノベーションを促進し、事業のグローバル化を加速させるため、2012年からグローバルで新卒採用に取り組み始めたSAP。社内に若い世代の割合が増えていく中で、同社は新たな課題に直面した。

「これまでの評価の仕組みである、ベルカーブ(正規分布率)による5段階の相対評価が、現在の変化に早いビジネスや、新しいことにチャレンジしていこうという仕事の価値観の阻害要因になっているのではないかという議論が起こりました。ベルカーブというのは原資配分を簡易に行うために編み出された一つの計算式という意味合いが強く、同じような仕事をして、比較基準も明確なうちはそれで構いませんが、仕事が1年の中でめまぐるしく変わったり、他の人とは異なることにチャレンジしていたりといった形で、イノベーションを促進していこうという状況において、年に一度、5段階の相対評価をして、それを評価歴として管理していくという従来のやり方で本当にいいのか、という課題が浮かび上がってきたのです」(南氏)

例えば、圧倒的多数の評価「3」の人たちには、様々な仕事をするなかで、実は「3.1」の人や「3.9」という人も出てくる。仕事の個別化が進んでいる状況下で、そういう人たちを同一に「3」と評価するのはアンフェアであり、より細やかな評価が求められよう。

また、過去の評価の履歴を見ても、5段階のうちのどの評価かがわかるだけで、実際にどのような仕事をしていたのかは把握できない。1年の中で様々な仕事をする可能性があるのに、過去にどのような仕事を経験してきたのかがわからなければ、その仕事に適した人を登用することもできない。

加えて、1年に一度だけでなく、もっと短いスパンでフィードバックをすることで、特に若い社員には、評価の納得性を高める効果が高いことがわかっており、リテンション(定着)にもつながってくる。

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過去の連載記事

2023年01月06日

未来を築く、健康経営
― 人を資本とする、これからの日本の未来に向けて ―
(後編)

早くから我が国の健康経営の推進をけん引してきた健康経営会議が2022年11月10日、設立10周年を記念してオンラインセミナーを開催した。後編では、3名のパネリストとモデレーターによるパネルディスカッションをダイジェストでお届けする。

パネリスト
伊藤邦雄氏 一橋大学CFO教育研究センター長
茂木 正氏 経済産業省 商務・サービス審議官
岡田邦夫氏 NPO法人健康経営研究会 理事長

モデレーター
樋口 毅氏 健康経営会議実行委員会 事務局長

[取材・執筆]=菊池壮太 [写真]=健康経営会議実行委員会提供

2023年01月06日

未来を築く、健康経営
― 人を資本とする、これからの日本の未来に向けて ―
(前編)

早くから我が国の健康経営の推進をけん引してきた健康経営会議が2022年11月10日、設立10周年を記念してオンラインセミナーを開催した。健康経営の今後について、人的資本経営の視点も交えながら展開された3名の講師の話をダイジェストでお届けする。

[取材・文]=菊池壯太
[写真]=健康経営会議実行委員会提供

2021年06月01日

学習効果を高める学習環境のあり方
~オンラインとオフラインでの学習環境設計について~
(後編)

2021年1月18日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 3では、「学習効果を高める学習環境のあり方~オンラインとオフラインでの学習環境設計について~」と題して、『Learning Design』の人気連載「ワーク&ラーニングスペース最前線」でもおなじみの、東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏にオンラインで講演いただいた。後編となる本稿では、「成果としてのクリエイティビティ」と「オフィスに求められること」について、稲水氏による講義の一部を紹介する。

2021年05月31日

学習効果を高める学習環境のあり方
~オンラインとオフラインでの学習環境設計について~
(前編)

2021年1月18日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 3では、「学習効果を高める学習環境のあり方~オンラインとオフラインでの学習環境設計について~」と題して、『Learning Design』の人気連載「ワーク&ラーニングスペース最前線」でもおなじみの、東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏にオンラインで講演いただいた。前編となる本稿では、「オンライン/オフラインの働き方」について、稲水氏の調査・研究で得られたデータや事例紹介などを交えた講義の一部を紹介する。

2021年04月12日

学習手段の仕分け方法とオンライン教育の設計
~オンライン教育とオフライン教育 それぞれの強みの探求~
(後編)

2020年12月22日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 2では、「学習手段の仕分け方法とオンライン教育の設計~オンライン教育とオフライン教育 それぞれの強みの探求~」と題して、早稲田大学人間科学学術院教授の向後千春氏にオンラインで講演いただいた。後編となる本稿では、「オンライン教育のニーズと課題は何か」「オンライン教育は社会にどうインパクトを与えるか」について、向後氏の講義の一部を紹介する。

2021年03月31日

学習手段の仕分け方法とオンライン教育の設計
~オンライン教育とオフライン教育 それぞれの強みの探求~
(前編)

2020年12月22日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 2では、「学習手段の仕分け方法とオンライン教育の設計~オンライン教育とオフライン教育 それぞれの強みの探求~」と題して、早稲田大学人間科学学術院教授の向後千春氏にオンラインで講演いただいた。前編となる本稿では、「21世紀に必要なスキルとは何か」ついて、向後氏の講義の一部を紹介する。

2021年01月18日

人の学びの構造と学ぶ力を高める方法
~人材育成における「習得型」、「探究型」教育とは~
(後編)

2020年10月16日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。今回は、『人の学びの構造と学ぶ力を高める方法~人材育成における「習得型」、「探究型」教育とは~』と題して、桐蔭学園の森朋子氏にオンラインで講演いただいた。本稿では、第一部「新しい時代の学力とは」、第二部「学びをデザインする(PDCA)」の2回に分けて紹介する。

2020年12月24日

人の学びの構造と学ぶ力を高める方法
~人材育成における「習得型」、「探究型」教育とは~
(前編)

2020年10月16日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。今回は、『人の学びの構造と学ぶ力を高める方法~人材育成における「習得型」、「探究型」教育とは~』と題して、桐蔭学園の森朋子氏にオンラインで講演いただいた。本稿では、第一部「新しい時代の学力とは」、第二部「学びをデザインする(PDCA)」の2回に分けて紹介する。

2018年11月21日

変革ドライブ企業に聞く!SAPジャパン株式会社③

2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切ったSAP。戦略実現のためにグローバル人事が今、注力しているのがイノベーションを起こす人・組織づくりだ。第3回(最終回)では、イノベーションの促進や若い世代の感覚に即した評価制度改革やモチベーション施策(ノーレイティング、1 on 1ミーティングの導入等)、さらには変化の時代に適した「パルテノン型組織」について、引き続き人事・人財ソリューションアドバイザリー本部長の南和気氏、人事本部HRビジネスパートナー シニアコンサルタントの濱岡有希子氏に伺った。

2018年11月14日

変革ドライブ企業に聞く!SAPジャパン株式会社②

2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切ったSAP。戦略実現のためにグローバル人事が今、注力しているのがイノベーターの育成だ。第1回では、イノベーションの「触媒」役の選抜・育成と「事業コンテスト」を紹介した。今回はもう1つの柱である新卒採用・育成の取り組みについて、引き続き人事・人財ソリューションアドバイザリー本部長の南和気氏、人事本部HRビジネスパートナー シニアコンサルタントの濱岡有希子氏に伺った。

2018年11月01日

変革ドライブ企業に聞く!SAPジャパン株式会社①

業務管理システム(ERPパッケージ)の提供で知られるSAPは、リーマンショックでの経営危機を経て、2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切った。それに伴い、各国で異なっていた人事も、グローバル人事へと改革が図られた。包括的なタレントマネジメントを支援するソリューションを提供することで知られる同社自身が、自社のカルチャーを変える、ドラマチックな人事改革を行ってきているのである。

2018年09月28日

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(09-10月号連載「議論白熱」拡大版)

為末大さんに聞いた
おもてなしの限界と可能性とは?