―為末さんはグローバルな舞台で戦ってきた日本人アスリートであり、現在もブータンのスポーツ親善大使を務めるなど、国境を越えて活躍されています。その為末さんから見て、働き方改革が進む一方、「おもてなし」が美徳とされる日本はどう映りますか。
五輪招致で「おもてなし」が話題になったとき、納得しつつも、「日本人はどこまで疲弊してしまうんだろう」と少し不安になりました。「完璧なこの国をより完璧に管理しましょう」とダメ押しされている気がしたからです。
海外に行くと、日本って世界一、整理整頓されている国だなあとつくづく思います。電車は時刻表通りに到着するし、よその会社を訪問するときのマナーもきっちり決まっている。誰もが周囲を慮り、他人に迷惑をかける身勝手な行動はとらない。
先日も、羽田発の飛行機で隣合わせたオーストラリア人が、「日本人ってすごいよね」と驚いていました。「みんなマスクしてたけど、あれって風邪を伝染さないようにっていう、他人への配慮なんでしょ」と。
ですが、そもそも他人を慮ることが当然とされている社会は、私たちにとって生きやすいのでしょうか。もちろん心地いいときもありますが、心に余裕がないときはちょっとしんどい感じがします。
―たしかに息苦しいときもありますね。
暗黙のうちに配慮を期待されますからね。例えば温泉旅館などで仲居さんに渡す“心づけ”は、部屋に通されたときに渡すのが一般的です。これに対し、海外ではサービスされたらチップを払う。つまり、心づけは“期待”の表れですが、チップは“評価”であり、金銭的な報酬です。期待を察してより良いサービスするのと、評価されるからより良いサービスをするのとでは、大きく違います。また、ヨーロッパの5つ星ホテルは従業員の給与水準自体も高いと聞きます。生活に余裕があるからこそ、サービスにフォーカスできるというわけです。
早くから我が国の健康経営の推進をけん引してきた健康経営会議が2022年11月10日、設立10周年を記念してオンラインセミナーを開催した。後編では、3名のパネリストとモデレーターによるパネルディスカッションをダイジェストでお届けする。
パネリスト
伊藤邦雄氏 一橋大学CFO教育研究センター長
茂木 正氏 経済産業省 商務・サービス審議官
岡田邦夫氏 NPO法人健康経営研究会 理事長
モデレーター
樋口 毅氏 健康経営会議実行委員会 事務局長
[取材・執筆]=菊池壮太 [写真]=健康経営会議実行委員会提供
早くから我が国の健康経営の推進をけん引してきた健康経営会議が2022年11月10日、設立10周年を記念してオンラインセミナーを開催した。健康経営の今後について、人的資本経営の視点も交えながら展開された3名の講師の話をダイジェストでお届けする。
[取材・文]=菊池壯太
[写真]=健康経営会議実行委員会提供
2021年1月18日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 3では、「学習効果を高める学習環境のあり方~オンラインとオフラインでの学習環境設計について~」と題して、『Learning Design』の人気連載「ワーク&ラーニングスペース最前線」でもおなじみの、東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏にオンラインで講演いただいた。後編となる本稿では、「成果としてのクリエイティビティ」と「オフィスに求められること」について、稲水氏による講義の一部を紹介する。
2021年1月18日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 3では、「学習効果を高める学習環境のあり方~オンラインとオフラインでの学習環境設計について~」と題して、『Learning Design』の人気連載「ワーク&ラーニングスペース最前線」でもおなじみの、東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏にオンラインで講演いただいた。前編となる本稿では、「オンライン/オフラインの働き方」について、稲水氏の調査・研究で得られたデータや事例紹介などを交えた講義の一部を紹介する。
2020年12月22日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 2では、「学習手段の仕分け方法とオンライン教育の設計~オンライン教育とオフライン教育 それぞれの強みの探求~」と題して、早稲田大学人間科学学術院教授の向後千春氏にオンラインで講演いただいた。後編となる本稿では、「オンライン教育のニーズと課題は何か」「オンライン教育は社会にどうインパクトを与えるか」について、向後氏の講義の一部を紹介する。
2020年12月22日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。Step 2では、「学習手段の仕分け方法とオンライン教育の設計~オンライン教育とオフライン教育 それぞれの強みの探求~」と題して、早稲田大学人間科学学術院教授の向後千春氏にオンラインで講演いただいた。前編となる本稿では、「21世紀に必要なスキルとは何か」ついて、向後氏の講義の一部を紹介する。
2020年10月16日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。今回は、『人の学びの構造と学ぶ力を高める方法~人材育成における「習得型」、「探究型」教育とは~』と題して、桐蔭学園の森朋子氏にオンラインで講演いただいた。本稿では、第一部「新しい時代の学力とは」、第二部「学びをデザインする(PDCA)」の2回に分けて紹介する。
2020年10月16日に開催された「JMAMラーニングデザイン研究会」。今回は、『人の学びの構造と学ぶ力を高める方法~人材育成における「習得型」、「探究型」教育とは~』と題して、桐蔭学園の森朋子氏にオンラインで講演いただいた。本稿では、第一部「新しい時代の学力とは」、第二部「学びをデザインする(PDCA)」の2回に分けて紹介する。
2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切ったSAP。戦略実現のためにグローバル人事が今、注力しているのがイノベーションを起こす人・組織づくりだ。第3回(最終回)では、イノベーションの促進や若い世代の感覚に即した評価制度改革やモチベーション施策(ノーレイティング、1 on 1ミーティングの導入等)、さらには変化の時代に適した「パルテノン型組織」について、引き続き人事・人財ソリューションアドバイザリー本部長の南和気氏、人事本部HRビジネスパートナー シニアコンサルタントの濱岡有希子氏に伺った。
2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切ったSAP。戦略実現のためにグローバル人事が今、注力しているのがイノベーターの育成だ。第1回では、イノベーションの「触媒」役の選抜・育成と「事業コンテスト」を紹介した。今回はもう1つの柱である新卒採用・育成の取り組みについて、引き続き人事・人財ソリューションアドバイザリー本部長の南和気氏、人事本部HRビジネスパートナー シニアコンサルタントの濱岡有希子氏に伺った。
業務管理システム(ERPパッケージ)の提供で知られるSAPは、リーマンショックでの経営危機を経て、2010年、事業のグローバル化・多角化戦略に舵を切った。それに伴い、各国で異なっていた人事も、グローバル人事へと改革が図られた。包括的なタレントマネジメントを支援するソリューションを提供することで知られる同社自身が、自社のカルチャーを変える、ドラマチックな人事改革を行ってきているのである。