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この連載では米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。今回取り上げるのは、人材開発が持つべき専門性と新しい役割について。時代の変化にあわせ、アップデートすべきものとは。『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』第3回の詳細版を前編に続き、お送りします。
タイムリーな学習を提供するためには、日々の業務環境が学びを促進するものかどうかも問われます。有名な「10:20:70のルール」(研修などのフォーマルな学習機会:専門家や上司の薫陶:業務経験)は、リーダーシップに必要な学習の7割が業務経験から得られることを示すロミンガー社の調査結果ですが、そもそも多くの学びが業務経験から生じるとすれば、包括的な学びの環境づくりが人材開発の重大な役割であることは明らかです。
その際、適切な業務経験を付与する上司の業務委任能力、多様な仕事を経験できる役割やプロジェクトのしくみなども考慮に入れるべきでしょう。
ある企業では最近、 Employee Experience Index(従業員経験指標)による従業員エンゲージ度の測定サービスを始めたそうですが、なかでも企業の業績や優秀な若い世代の定着率を高める要素として重視しているのが、“Learning and Development”と“Performance Management”の項目とのこと。統合的な成長と学びの機会を組織としていかにつくるかが、経営の重要な要素になっていることがわかります。
今、人材開発に求められるのは、適切な分析とデータに基づいたラーニングや、パフォーマンスのしくみの策定、テクノロジーの導入です。さらに、企画提案を行うHR や人材開発部門自体も、パフォーマンスコンサルティングスキルや組織変革スキルを強化しなければなりません。これらの変化こそ、世界におけるT&D(Talent Development)の潮流といえるでしょう。
⽇本においても、必要とされる専⾨性を体系的にとらえたいという声が多く聴かれるようになりました。そこでATD-IMNJでは、2018年1月から、グローバルでも学ばれている専門知識の基盤となるコンピテンシー要素6分野にフォーカスを当て、学ぶ機会を提供しています。
第1期には定員を超える多くの方から申し込みを頂き、日本においてもこの分野の専門性を高めたいと感じている方が多いことを実感しました。各講座の講師は、ATD のCPLP (Certified Professional in Learning and Performance)取得者やATDIMNJの理事、ATD グローバルベーシックシリーズの翻訳に携わった専門家で構成されています。講座は、すべて日本語で開催しています。
新しい役割に必要な力を、今こそ身につけたいものです。
研修がソリューションとなるのは、各人の知識やスキルを補わないと業務遂行が難しい場面でしょう。リーダーシップやマネジメントの在り方など、新しい概念や考え方を日々の実践に活かしてもらいたいときも、研修は大きな意義を持ちます。しかし、研修の目的が不明瞭な場合、業務や役割への直接的なかかわりがないのに慣習的に提供している場合は、受講者の課題解決にはつながりません。
業務環境に問題が見られることもあります。たとえば、新しいアイデアやチャレンジのためのイノベーション研修を行ったとしましょう。ところが、習得したことを実践しようにも、職場で機会が与えられないばかりか、目先の業績しか上司が評価しなかったとしたらどうでしょう。評価制度の見直しや、組織文化を変えるチェンジマネジメントなどを同時に推進しなければ、せっかくの研修もムダになってしまいます。
つまり、研修を業務上のソリューションとして機能させるには
といった課題の洗い出し、分析が重要なのです。
また、長年同じ研修を行っている場合は、研修を提供することそのものが目的になっていないか、見直す必要があるでしょう。大きな予算を投じる新入社員研修などはどうでしょうか? システムの導入やAI技術の進歩により、数年後、必要なくなるかもしれないことに時間を割いていたりいないでしょうか?
人材開発部門としては、以下の3つの姿勢を持ち、研修開発に向き合いたいものです。
(回答者:中原孝子氏)
米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。『Learning Design』の連載『Learning Report from ATD』3-4月号掲載の記事に、未公開部分を加えた詳細版の後半です。 今回は、「ATD 2018 Japan Summit」のシーンから、HRのプロがとくに潮流を感じた点について語り合いました。
米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。今回は、2018年に行われた「2018 ATD European Summit」についての座談会。EU圏と日本の人材開発の潮流には、どんな違いがあるのでしょうか。 『Learning Design』の連載『Learning Report from ATD』3-4月号第5回(最終回)に未公開部分を加えた詳細版でお送りします。
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この連載では米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。今回取り上げるのは、「Science of Learning(学習の科学)」。今年5月にカリフォルニアで行われたカンファレンス「ATD-ICE2018」でも注目されたテーマです。 (『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』の詳細版です)。
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米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、5月にカリフォルニアで行われたカンファレンス「ATD-ICE2018」より、新潮流をレポートします(『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』の詳細版です)。前回記事では基調講演について解説しました(こちら)。
今回は、米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、5月にカリフォルニアで行われたカンファレンス「ATD-ICE2018」より、新潮流をレポートします(『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』の詳細版です)。