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米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。今回取り上げるのは、「Science of Learning(学習の科学)」。今年5月にカリフォルニアで行われたカンファレンス「ATD-ICE2018」でも注目されたテーマです。
(『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』の詳細版です)。
「この研修、出席しないと(させないと)ダメですか? 受講を延期したいのですが」。苦労して準備した研修の実施を伝えたところ、研修対象者やその上司からこんな問い合わせを受けた経験はないでしょうか。人事部が提供する研修が入社後の学習機会のほとんどを占めていた時代には、会社が設定した研修へのリスペクトは高く、受講対象となった場合は、あらゆる予定を調整して参加するのが当然とされていました。
しかし、今は状況が全く変わっています。ATD ICE 2018においても、多様化した受講生の意識をどのように理解し、組織の方向性をどのように伝えて寄り添ってもらうか、そのためにテクノロジーをどのように活用できるかについて、多くのセッションで発表されていましたが、テクノロジーの浸透により社会人が学ぶ機会やツールは増えています。また同時に、従業員の多様性も高まっています。
なぜその研修が必要なのか、その研修にはどんな価値があるのか、研修の予算を決定する管理職や経営陣だけでなく、従業員からも問われる時代になっているのです。
これは研修に限った話ではありません。仕事そのものの目的や価値、意義も問われるようになりました。特に1982年以降に生まれたミレニアル世代は、自分の所属する組織が社会的大義を持って社会課題解決に貢献しているかについて、強い関心を持っています。※
※デロイトトーマツ ミレニアル年次調査「不安を感じるミレニアル世代」(2017年)
これまでも研修を設計する際にはSMART(Specific, Measurable,Attainable, Relevant, Timely: 明確、計測可能、実現可能、妥当、タイムリー)な目標設定が重要とされてきました。しかし、研修だけでなく仕事の意味そのものに強い関心が向く状況では、研修の目標設定の前に、その企業がどのようなミッションを掲げ、何を実現しようとしているのか、各仕事はそのミッションにどのように貢献するかを、受講者に理解してもらう必要があります。
社会、企業、個人のつながりをはっきりさせたうえで、改めて必要な知識やスキルを明らかにし、そのうち研修では何を習得し、勉強会やOJTといった学習機会には何を習得するのか、納得できるよう説明する役割が人材開発担当者には求められます。この前提が整って初めて、受講生の心が研修に向くのです。
▲さて、次回は「Science of Learning(学習の科学)」の観点から人材開発担当者がすべきことについて具体的に考えてみたいと思います。ご期待ください!
ダイバーシティ&インクルージョンを実現していくうえで、障害となる無意識のバイアス(人種、性別、年齢、セクシュアリティーなどに対する偏見)が存在することを認め、その無意識のバイアスにどのように向き合うかを考える。
今日の組織に必要なリーダーシップをマインドフル・リーダーシップという概念にまとめ、その特性や必要な行動様式を古今東西のさまざまな優れたリーダーの実例をひもときながら紹介。
優れたトレーニングとはサイエンス(科学的に実証されている体系的知見)とアート(人間の固有の技)の絶妙なマッチングであるととらえて、それぞれの領域でトレーナーに役立つ知識やテクニックを解説。
パーパス(目的)とミーニング(意味)がさまざまな側面で人間にもたらすメリットを神経科学の知見から紹介しつつ、今日の組織において両者がますます希求されている社会的背景と組織における開発方法を紹介。
アカデミ ー・オブ・ブレイン-ベースド・リーダーシップ社の共同創業者でチーフ・サイエンティフィック・オフィサーのダニエル・ラデッキ氏が、最新の脳科学の知見から、バイアスのマネジメントと心理的安全をどのように実現するかについて、T.R.I.B.E.モデルを使って説明。
※ 他のセッションについては、次回(〜ATD ICE 2018のテーマより〜②)でご紹介します!
米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。『Learning Design』の連載『Learning Report from ATD』3-4月号掲載の記事に、未公開部分を加えた詳細版の後半です。 今回は、「ATD 2018 Japan Summit」のシーンから、HRのプロがとくに潮流を感じた点について語り合いました。
米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。今回は、2018年に行われた「2018 ATD European Summit」についての座談会。EU圏と日本の人材開発の潮流には、どんな違いがあるのでしょうか。 『Learning Design』の連載『Learning Report from ATD』3-4月号第5回(最終回)に未公開部分を加えた詳細版でお送りします。
この連載では米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、人材開発の新潮流をレポートします。今回取り上げるのは、人材開発が持つべき専門性と新しい役割について。時代の変化にあわせ、アップデートすべきものとは。『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』第3回の詳細版を前編に続き、お送りします。
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米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、5月にカリフォルニアで行われたカンファレンス「ATD-ICE2018」より、新潮流をレポートします(『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』の詳細版です)。前回記事では基調講演について解説しました(こちら)。
今回は、米国の人材・組織開発の専門組織ATD(タレント開発協会)の日本支部ATD-IMNJより、5月にカリフォルニアで行われたカンファレンス「ATD-ICE2018」より、新潮流をレポートします(『Learning Design』で連載中の『Learning Report from ATD』の詳細版です)。