キャリア観を養いながらともに働くことを楽しめる「強い絆」で結ばれた組織へ 飯島健二氏 ビーウィズ 代表取締役社長
飯島健二氏
コンタクトセンター/ BPO 事業とSaaS事業を展開するビーウィズ。
2025年3月に社長に就任した飯島健二氏は、パフォーマンスを最大化させるチームづくりを重視し、「仲間を大切にする」を行動理念に据える方針を打ち出す。
飯島氏の組織や人への想いとは。
また、同社が求める人材像や、キャリアを重視した育成方針について話を聞いた。
[取材・文]=村上 敬 [写真]=中山博敬

人材に求める3つの要素
―― まずは事業内容と経営の重点課題を教えてください。
飯島健二氏(以下、敬称略)
ビーウィズは2000年に誕生した会社で、祖業はコールセンターと事務代行などのBPOです。2015年からはコンタクトセンターにアドオンする形で、クラウドでコンタクトセンターシステムを提供するビジネスを展開。これが成長して、現在はコンタクトセンター/BPO事業とSaaS事業の二本柱になりました。
SaaS事業を開始して以降、おかげさまで10年連続増収増益を続けてきました。しかしコロナ期の反動があって、25年5月期は減収減益に。ここからいかに再成長させるかが経営の重点課題といえます。
現状の売上比率は、コンタクトセンター/BPO事業が約9割、SaaS事業が約1割です。コンタクトセンター市場は、電話をする習慣が徐々に減っていることを考えると、今後電話のボリュームは縮小すると見ています。成長の余地が大きいのはSaaS事業です。エンタープライズ向けコンタクトセンターシステム市場は現在、外資系ベンダー2社と弊社が三つ巴状態ですが、私たちのAI搭載SaaSシステム「Omnia LINK」には、私たち自身が20年以上にわたってコンタクトセンターを運営してきたノウハウが詰まっており、優位性があります。
一方、コンタクトセンター/BPO事業もAI活用で生産性を高めることで成長は可能。両事業ともしっかり伸ばしていきます。
―― Ⅴ字回復を目指すためには、どのような人材が必要でしょうか。

飯島
事業戦略に応じて大きく3つの人材に期待しています。まず1つめはAI適用人材です。コンタクトセンター/BPOは労働集約型のビジネスであり、いかにAIを適用するかが効率化の鍵になります。そのためにはAIを知っているだけでなく、AIを使いこなし、AI適用を前提とした業務設計ができる人材が必要です。また、SaaS事業でプロダクトにAIを実装・利活用するという観点からもAI適用人材は欠かせないと考えています。
現在、弊社では有期雇用を含めた全社員を対象に「ビーウィズ2.0教育プログラム」を実施しています。これは時代に合ったDXの知識や知見を持つビーウィズ2.0人材にアップデートするためのプログラム。リスキリングとは違う位置づけですが、デジタルに関する知識やスキルを中心に磨いてもらいます。この研修を通してAI適用人材も育つと考えています。
2つめは、グローバル人材です。これまで弊社はドメスティックな会社でしたが、今後国内市場が縮小することを見据えると、海外展開は有力な選択肢になります。先ほどお話ししたように、コンタクトセンターシステムのSaaSは世界でもグローバル大手2社が強い。しかし日本市場では私たちのプロダクトが勝っていて、海外で十分に戦えるはずです。具体的な話はまだできませんが、すでに製品のローカライズや現地のパートナー探しなど、準備を着々と進めています。そうした海外展開を担う人材がこれからもっと必要になるでしょう。
3つめは、プロフェッショナル人材です。業界軸でいうと、たとえば保険業界のコンタクトセンターBPOは保険業法を正しく理解していなければできません。保険業法は改正されるので、保険会社でも保険業法に詳しい人材を募集しているほどです。他にも、金融、通信、化粧品など、専門知識がないと業務遂行が難しい業界は多く、各々の専門性を磨く必要があります。
一方、機能軸でいうと、最近多いのは人事労務BPOの引き合いです。これも単なる事務代行ではなく、高い専門性が求められます。経理領域なども同様で、機能軸でのスペシャリストも育成していくつもりです。

