NTTデータ×ソフトバンク×パーソルホールディングス 人事データ活用特別座談会!組織を強くするデータドリブン人事(後編) 升田 真奈美氏 NTTデータ 法人コンサルティング&マーケティング事業部 データ&インテリジェンス統括部 課長 他
人の能力を最大化するために必要不可欠なPeople Analytics。
先進企業の活用実態や、推進における担当部門のリアルな声を知るべく、企業の人事データ活用を支援するNTTデータと、積極的な取り組みを進めるソフトバンク、パーソルホールディングスの3社で座談会を行った。
後編となる今回は、人事データ活用における体制構築や、分析テーマの選定など、人事データ活用を進めるうえで避けて通れない課題について各社の取り組みを紹介する。
[取材・文]=平林謙治 [写真]=編集部/NTTデータ提供
組織横断的な体制をどう作るか
―― データドリブン人事に取り組むための「体制構築」について、まず升田さん、何がポイントになりますか。
升田
人事データの分析・活用は、採用や配置、育成などあらゆる人事機能を包含する取り組みですから、部署・担当の壁を越えた組織がないと、なかなか前に進みません。そうした体制を、両社はどう構築されたのでしょう。ソフトバンクさんでいうとお二人が所属する「デジタルHR推進課」が、人事内での“横断的組織”にあたるわけですか。
佐藤
そうですね。もともとは統計に詳しい有志によって、ピープルアナリティクスチームが草の根的に立ち上げられたのが始まりでした。その知識やノウハウを引き継ぐ形で、2021年10月から正規の組織として人事のなかに設置されたのが、現在のデジタルHR推進課です。
図1のように、各人事担当のハブの役割を担い、密接に連携しながら活動の推進を図っています。また、ソフトバンクのグループには、「SBアットワーク」というグループ社員の人事情報を管理するシェアード会社があり、実は私の本務はそちらなんですよ。現在は組織の枠を超えて、デジタルHR推進課と“兼務”しているわけです。
―― そこにはどういう狙いが?
佐藤
データ分析をやりたくても、人事情報を集めてくるのが難しいという声をよく聞くので、シェアード会社の兼務という形で連携を深めることを、体制づくりの肝としてきました。当初はソフトバンクだけの取り組みだったものを、グループ全体にまで展開したいという思いもありましたからね。様々な部署を巻き込み、支援を受けながら進めてきたのが、今日まで続いている要因の1つではないかと、私は考えています。