第28回 根拠のない自信をパワーに未来の扉を開いていく なかやまきんに君氏
「ヤー! パワー!」でおなじみの人気芸人・なかやまきんに君さんは、2021年に長年在籍していた吉本興業を退所。
現在は「日本中の体脂肪を燃やす」ことを掲げ様々な活動に取り組んでいる。
自身の決断に対する考えや、これからの夢を聞いた。
[取材・文]=長岡萌以 [写真]=中山博敬
筋肉留学はまだ終わらない
―― 昨年の吉本興業退所は衝撃でした。心境はいかがでしょうか。
なかやまきんに君氏(以下、敬称略)
ありがとうございます。退所してからは、大変なことや予想がつかないことも多くありました。事務作業を自分でやることもあるんです。たとえば、いま僕は「ザ・オンラインフィットネス」という生配信をしているのですが、全部自分で考えて、スタッフさんとミーティングをして準備を進めています。作業は増えましたが、良い経験を積めて勉強になっていますね。
―― なぜ独立しようと考えたのですか。
きんに君
今後3~5年先を考えたときに、なりたい自分になるためです。僕は2006年に「筋肉留学」としてアメリカに渡ったんですけど、自分のなかで筋肉留学はまだ完結していないんですよ。アメリカでもっと何かできるんじゃないかという思いがあって。それを実現するためにこのタイミングで退所しようと。事務所にいることで得られたサポートもありましたし、独立して大変なことも増えますが、それを乗り越えることが先につながるなと思っています。
―― グローバルなキャリアビジョンをお持ちなんですね。
きんに君
当時、筋肉留学を決めたときは、皆に「何しに行くの?」って言われました。でも僕のなかでは明確な理由が2つありました。
1つは純粋な憧れです。17歳で筋トレを始めて以降、当時はインターネットもなかったので、『アイアンマン』や『月刊ボディビルディング』といった筋トレ雑誌でアメリカの最新情報を収集していました。そのなかで、たまに西海岸のベニスビーチの特集があったんです。青空に大きなヤシの木が広がっていて、その下をローラーブレードで走っている人たちがいて、ビーチがある―― いつかここでトレーニングをしたいと思っていました。
そしてもう1つ。芸人になってからは、ハリウッドの存在を意識して、アメリカでウケたいと思い始めたんです。この2つを叶えるための留学でした。