RESEARCH ビジネスパーソンの意識調査 データから読み解く 氷河期世代の気質と特徴

厳しい就職氷河期を生き抜き、自ら道を切り開いてきた世代は、責任感や自律性が高い一方、人との距離感やキャリア形成にも独自の傾向を持つ。JMAMが毎年実施している「ビジネスパーソンの意識調査」をもとに、各世代を比較しながら読み解く。
【調査期間】2025年6月 【サンプル数】全体(n=2,674)、Z世代(n=1,244)、ミレニアル世代(n=484)、氷河期世代(n=484)、バブル世代(n=462)
[取材・文]=菊池壯太


困難を自力で乗り越えたい「自責思考」
40代から50代が中心となった氷河期世代は、職場では業務の中核を担う立場であり、私生活では育児や介護などの責任を背負う世代でもある。バブル崩壊後の就職難で苦労し、入社してからも理不尽なことや様々な制約に耐えてきたこの世代は、全般的に責任感が強く、困難な状況に陥っても他者に頼らず自分の力でなんとかしようとする自責思考が強い傾向が見て取れる。
最新調査でも、仕事で成果を出すために「仲間と一緒よりも、1人で集中して取り組む」(50.6%❶)、「個人の裁量に任せられる職場を好む」(60.3%❷)、自分の容量を超える仕事が任されたときは、「周囲の協力を仰ぐよりも自分でなんとか解決しようと努力する」(56.6%)などが、どの世代よりも高い結果となっている。