第27回 軸はMYパーパスにあり 社員の魅力を高め、“モテる”人財の育成を目指す 正路浩平氏 JT 人事部 次長
正路浩平氏
日本専売公社を経て設立された、日本たばこ産業株式会社(JT)。早期選抜型の次世代経営人財育成プログラムNLPで有名な同社人事部次長の正路浩平氏は、自身もNLPの選抜者として活躍する一人だ。正路氏に、JTの魅力と同社が目指す人財育成について聞いた。
[取材・文]=平林謙治 [写真]=中山博敬
個性を尊重し合う社風に惹かれて
愚問と知りつつ、まず聞いてみたかった。「たばこは好きですか?」。
JT人事部次長の正路浩平氏は破顔一笑、「はい、好きですよ」と即答した。自分の会社の主力商品を「苦手」「利用しない」などというビジネスパーソンはまずいないが、誤解を恐れずにいうと、たばこの場合は少し話が違う。実際、正路氏によると、同社社員にも“吸わない派”が増え、現在は半数超を占めるという。
「コロナ禍でできなかった新入社員の集合研修を、先日久しぶりに実施して100名ほど来てもらったのですが、肌感覚ですが喫煙者は3割弱でしたね。とはいえ、“吸わない派”の社員も、たばこという嗜好品やたばこ文化自体にネガティブな感情を持っているわけではありません」
近年は、職場でも喫煙者の肩身は狭く、いわゆる「たばこ休憩」への風当たりも強くなる一方だが、同社ではそうした議論は起こらないと、正路氏は明言する。