おわりに 「強みを活かし、伸ばすこと」がエンゲージメント向上への近道
事例から振り返るエンゲージメント向上のポイント
コロナ禍に見舞われて2年半がたった。その間企業は試行錯誤を繰り返し、テレワークを導入している都内の従業員300人以上の企業は87.4%となるなど※多くの企業で働き方が変わっている。
そこで懸念されるのが、コロナ禍に入社してきた新入社員である。テレワークにより、現場で働く機会が減り成長実感が得られないばかりか、職場での人間関係が築きにくく会社への帰属意識も低下しているのではないか。つまり、「コロナ禍に入社した新入社員のエンゲージメントには課題があるのではないか」。その仮説に基づき、本特集の取材を進めた。
まずは、新入社員のエンゲージメント向上に寄与する取り組みを行っている企業の事例から、そのポイントを振り返ってみたい。
※令和3年度テレワーク導入状況調査(東京都産業労働局)
①成長実感を得られる「チームで育てる」仕組み
両備システムズ(CASE2)では、OJTに4人1組のチーム制を導入している。経験学習を取り入れた振り返りのサイクルで、チームで新入社員の成長を支える仕組みだ。多角的なフィードバックを受けながら、一つずつ課題をこなすことで、新人は「成長している」という実感を得やすいという。