CASE3 キリンホールディングス|コロナ禍でも変わらないもの 人事の基本理念の徹底を通じたエンゲージメントの最大化 山口和子氏 キリンホールディングス 人事総務部 人財開発担当 主査|河原雅史氏 キリンホールディングス 人事総務部 人財開発担当
食、ヘルスサイエンス、医領域を中核とした事業をグローバルで展開するキリンホールディングス。
会社と従業員との関係を「イコール・パートナー」と位置づけ、
多様な人財が活躍できる組織風土の醸成に取り組む同社では、
コロナ禍入社組のエンゲージメントに特に変化は見られなかったという。その理由とは。
[取材・文]=谷口梨花 [写真]=キリンホールディングス提供
人事の基本理念がすべてのベース
今号のテーマである「コロナ禍入社組のエンゲージメント」について尋ねたところ、キリンホールディングス人事総務部人財開発担当主査の山口和子氏からこんな答えが返ってきた。
「実は、コロナ禍入社組だからといって、特に変化は感じていないのです。それは、エンゲージメントだけではなく、その他の面でも同様です」
変化が見られないというのはどのような背景があるのだろうか。それをひもとく鍵となりそうなのが、取材中、山口氏と人事総務部人財開発担当の河原雅史氏から繰り返し出てきた「人事の基本理念(図)」だ。
同社の人事の基本理念は、「人間性の尊重」である。
「当社グループでは、無限の可能性を持って、自ら成長し、発展し続けようとする従業員一人ひとりの努力と個性(人間性)を尊重し、完全燃焼できる場を積極的につくることを基本理念としています。すべての人事施策のベースには、この基本理念があります。一番のポイントは、会社と従業員との関係を『仕事を介したイコール・パートナー』と位置づけていることです」(山口氏)