第21回 男性育児休業推進のメリットと課題
気になるテーマを気になるあの人はどう考える? オピニオンリーダーたちの意見をご紹介します !
男性育児休業推進のメリットと課題
2022年4月1日から段階的に施行される改正育児・介護休業法では、「男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設」についても施行が予定されています。先進的な企業の取り組み内容と、男性育児休業推進のメリットや課題とは?
01 キャリアを断絶せずに育児・仕事を両立できる社会的インフラの整備が必要
2022年4月から男性育休に関する法改正が段階的に施行される。主な項目として育児休業を取得しやすい雇用環境の整備や、子の出生後8週間以内に取得できる「産後パパ育休」の創設などがある。
近年は手取り賃金が増えにくく、共働きを維持できないと教育費や老後資金を含めた長期的な生活設計が困難になっている。男性育休は特別と思わず、夫婦ともキャリア断絶をせずに育児と仕事を両立するための社会的インフラとして整備していく必要がある。
企業は就業規則の変更などの実務対応とともに職場の意識改革にも注力したい。制度があってもハラスメントや育児休業給付金などへの理解が不足している、言い出せる雰囲気がないといった状況では適切に機能しない。制度内容の研修とともにどうしたらよい形で運用できるか話し合う場を設ける、申請しやすい仕組みをつくるなど積極的な取り組みが求められる。
今後は介護との両立も必須になる。中長期的には人材確保の面で企業にメリットをもたらすと考え、改正を機に自社に合った両立支援策に向き合ってほしい。