おわりに,トレンドキーワード 学び続ける人事が拓く、企業の価値と一人ひとりの未来
「過去の人たちに迎合して停滞するのか、未来の人たちに合わせて成長するのか」―沢渡あまね氏のこの投げかけにドキリとした読者も多いのではないだろうか(P21)。コロナ禍で一気に進んだテレワークだが、12月現在、日本における新型コロナ新規感染者数の減少も受けて、「原則出社」へと戻る企業も少なくない。成長のために必要なものは何か。本特集で取り上げたキーワードから改めて考えてみよう。
いかに人事戦略を描き、キャリア自律を促すか
「整える」のカテゴリーではHRを取り巻く環境変化を表すキーワードを選んだ。これからは「働く場所」のみならず、キャリアである「顔」、「業種・職種」がハイブリッド化へと進む。この3つをうまく乗りこなし、「ハイブリッドワーク」するには自律的な個でなければならない。すでに多くの企業が“キャリア自律”を掲げ、同時に学びの在り方も管理から支援へ、大きな転換を試みている。学びの個別最適化を可能とする「LXP」はその後押しとなるだろう。
一方、キャリア自律への動機づけや仕組みを構築するためにも、HR戦略そのものの重要性が増している。その指標となるメトリック(測定基準)が示されているのが「ISO 30414」だ。世界的に人的資本開示と標準化を求める動きが高まるなか、日本も対応が急がれる。