第21回 2022年がスタート!今年は「反転攻勢」の1年に 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
2021年のベストセラーを振り返る
毎年12月初旬に日本出版販売・トーハンの2大書籍取次が当年のベストセラーを発表する。2021年もやはり「世相」と「心理」が反映された結果となった※。日本出版販売によれば、2021年のベストセラー第1位は『人は話し方が9割』(永松茂久著/すばる舎)だった。仕事・プライベート両面において「話し方」が重視され、老若男女問わず支持された結果なのだと感じる。オンライン+対面(リアル)時代になり、コミュニケーションに対する不安が生じたことも背景にあるのだろう。また『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(大野萌子著/サンマーク出版)も上位にランクインしており、話し方のポイントをうまく突いている。私自身、もう少しうまい言い回しができたらな、と感じることも多く、本書は日本語の勉強にもなる1冊だ。
上位にランクインしたビジネス書はいずれも売れる理由があるが、本連載フリークの皆さんには『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(藤尾秀昭監修/致知出版社)を必読書として推薦したい。ビジネスを推し進めるには情熱が必要だ。1月から1日1話、順を追って読んでみてはどうだろう。
2022年が始まるにあたって
2021年は多くの企業がコロナ禍の影響により、経営計画などの見直しを迫られ、とても苦しい2年間となったのではないだろうか。2021年が準備の年だったとすれば、2022年はきっと“反転攻勢”の年となる。毎年、攻めの姿勢が大切なことに変わりはないが、2022年はとりわけ勝負の1年となる予感がする。2022年は、新たな事業プランの発表や意外なM&A、業務提携発表が多くのメディアで賑わいを見せることになるだろう。
今回は以下基準で選書してみた。皆さんの目線でそれぞれ読み比べていただきたい。
① 先を見据え、次々に新たな手を打つ熱い経営者の思考が学べる書籍
② 日本企業の素晴らしさを感じさせる書籍
③ メガ企業の次の方向性を推察できる書籍
④ ビジネススキルの観点から2022年以降も注視すべき学びが得られる書籍
次号では、「独学」をテーマに私なりの考え方をお伝えする予定である。乞うご期待。
※日本出版販売https://www.nippan.co.jp/ranking/annual