第20回 テレワーク下のモチベーションアップ
気になるテーマを気になるあの人はどう考える? オピニオンリーダーたちの意見をご紹介します !
テレワーク下のモチベーションアップ
感染症拡大予防のために定着した在宅勤務ですが、この先も継続するか、出社を再開するかの議論は尽きません。テレワークへの「慣れ」や「飽き」による業務生産性の低下も危惧されるなか、モチベーション維持に向けた施策は企業にとって喫緊の課題となっています。
01 「脳過労」と「刺激の減退」がもたらすモチベーションへの影響
画面越しに世界とつながる。テレワークが日常となれば当たり前の光景だ。しかしデジタル機器を駆使する働き方は、脳にとっては負担が大きい。複数のアプリを往き来するうちに、脳に入力する情報は処理能力を上回り、ついには疲弊してしまう。いわゆる「脳過労」だ。これでは、とてもではないがやる気は続かない。
私たちのモチベーションが高まっているとき、脳では報酬系の神経ネットワークが活動している。ドパミンが情報を伝え、「その対象」を続けたくなるように働いている。しかし、慣れるとドパミンの分泌は乏しくなる。あんなにうれしかったことも、いつも同じだと飽きてしまうのだ。すると「その対象」ではモチベーションも高まりにくくなる。在宅勤務だからと、仕事も趣味も憩いの時間も、すべての日常を同じ景色の中で過ごすとなると、得られる刺激は激減するだろう。そこでは、やる気も続きにくい。
ちょっとした雑談には、予想だにしなかった目新しいことが多い。気分転換にもなるし、人間関係にも大切だ。テレワーク生活でも、積極的に取り入れていくのがよいだろう。
枝川義邦氏