第19回 ギグワークの課題と可能性
気になるテーマを気になるあの人はどう考える?オピニオンリーダーたちの意見をご紹介します!
ギグワークの課題と可能性
自由な時間に単発の仕事を請け負うギグワーク。労働法の問題点や格差の助長などが指摘される一方、コロナ禍の影響もあり、副業に続く新たな働き方のスタイルとして定着しつつあり、大手企業でも導入する動きがあります。企業はいかに策を講じるべきでしょうか。
01 新たなセーフティネット構築の必要性
長らく日本型雇用システムの中核にあった正社員の働き方は、「いつでも、どこでも、なんでもやる」という拘束の強さが、近年は私生活や個人の生きがいなどを重視する若者を中心に敬遠される風潮がある。
政府も働き方の多様化推進に前向きだ。こうしたなかで注目されているのが、情報通信技術を活用した柔軟な働き方であるテレワークとギグワークだ。特にギグワークは、仕事を選べるし、誰からも指揮監督を受けない点で自由な働き方であり、空き時間に副業的にも行える。
ただ自由な働き方には代償もある。仕事がなくなったときに失業給付がないなどセーフティネットが脆弱なので、これを本業とするのはリスクが大きい。今後、ギグワークのような会社に雇われない働き方は着実に増えていく。テレワークも自営で行うものが増えるだろう。こうした時代になると、これまでのように、雇われているかどうかで保護の有無を決める硬直的な二分法では、社会のニーズにこたえられない。
新たなセーフティネットをどう構築するか、早急な検討が必要だ。
大内伸哉氏