第17回 リモートハラスメントの現状と課題
気になるテーマを気になるあの人はどう考える? オピニオンリーダーたちの意見をご紹介します!
リモートハラスメントの現状と課題
テレワークが定着したことにより、オンライン上のハラスメント、通称「リモハラ」の事例が生じています。リモハラは上司部下間だけでなく、メンバー間でも起こり得ます。複雑化する問題に企業・個人はいかに対策を講じるべきでしょうか。
01 研修などをとおし、上司・部下の双方でリモハラに対する認識を深める
リモハラとは在宅勤務中に遠隔で行われるハラスメントのことを指し、新型コロナ感染対策の影響での在宅勤務の増加にともない問題視されるようになった。
リモハラの認識については上司と部下では相違があり、「ビデオ会議中の顔出しを強要する」「仕事の進行状況を過剰にチェックする」「仕事に関係のない私的なことを聞かれた」等、在宅勤務時の上司とのコミュニケーションに対してリモハラを受けたと感じる部下は多い。その原因の1つは、特に上司が「会社出勤時と在宅勤務時では相互間のコミュニケーションのとり方に違いがあることを認識していない」ことが考えられる。たとえば直接の会話では上司が部下に対して私的な内容を質問して問題がなくても、オンライン上で同様に行うとリモハラだと取られる場合があることだ。
対策としては、上司と部下の双方がリモハラに対する認識を深めることが必要であり、企業内で個別に研修を行うことをおすすめする。2020年6月より大企業に対し通称パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行されており、その意味でもしっかりと対処していきたい。
木村政美氏