第14回 オンライン“新卒”採用の課題
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オンライン“新卒”採用の課題
コロナ禍で浸透が進むオンライン面接。従来の対面とは異なり、移動や準備のための負担が軽減できるなど、企業・学生双方にメリットがある一方、オンラインとリアルとのギャップによるミスマッチや、今後、オンラインに依存したコミュニケーションが常態化することに対する不安の声も上がっています。
01 採用・育成・ライン間での"三つ巴の連携〟がカギ
コロナ禍によって新卒オンライン採用は一気に広がり、22年卒向け夏期インターンシップもオンライン化の流れが継続している。オンライン採用については採用側から「候補者の見極めができない」という課題がよく聞かれるが、この課題の本質は別のところにある。
面接時の評価と入社後の評価との相関を分析してみれば、多くの企業でほとんど関連しない。つまり、この採用側の課題感は、面接時に「見極めた」という実感が得られないというある種の「擬似問題」だ。それよりも人事管理としては、オンライン勤務下での「定着・活躍」の課題の方が重い。
そこでいつも問題になるのが、採用と定着の「縦割り」構造である。採用は採用するだけ、定着するかどうかは現場か教育担当任せというのが、人事分業化の弊害だ。真の意味での採用成功のためには、採用・育成・ラインの間で、このコロナ禍のオンボーディングという新たな課題への統一意識が図れるか、三つ巴の連携が鍵になってくる。
小林祐児氏
株式会社パーソル総合研究所
上席主任研究員