第17回 博報堂 『UNIVERSITY of CREATIVITY』(東京都・港区)
どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
企業のオフィスや研修施設をめぐり、学びを促進させる工夫を解説する。
「未来創造の技術としてのクリエイティビティを研究・開発し、社会実験していく場」として、2020年9月に博報堂本社(赤坂Bizタワー)の23階に「開港」したのが、創発プラットフォーム「UNIVERSITY of CREATIVITY」(以下、UoC)だ。
シニアクリエイティブディレクターの市耒健太郎氏によってデザインされたUoCは、「Q食センター」「クリエイティブフィールド」「創造性全史」「FAB(Fabrication)」「マンダラ」といった、それぞれが特徴的な機能をもつ5つのエリアから構成される。この場所は博報堂社員や関係者に開放されているだけではなく、イベントやワークショップが開催されるときには社外の人間も利用可能だ。
ほとんどのイベントは無料だがその一方で、有料のイベント時には社内の人間であっても社外の人と同様に参加費を必要とする。
「社内・社外にかかわらず、平等に真剣に学ぶ場であってほしいので条件を同じにしました」(UoC 局長代理チーフプロデューサーの田村裕俊氏、以下田村氏)
「社会課題としての食」を研究するキッチンラボ
エントランスに入ってすぐ目に入るエリアは「Q 食センター」(P54写真)だ。食にかかわるワークショップやキッチンラボとして利用されている。