第17回 「クリエイティブ思考」に注目!創造力が未来を切り開く 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人材にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
リアル書店で感じていること
2021年度がスタートし、はや1カ月。コロナショックからすでに1年以上経過したが、まだまだ私たちは「ざわざわした世の中」で事業を育み、営んでいかなくてはならない。
相変わらず私は、世の息吹を感じるために、時間があれば書店へ足を運ぶようにしている。最近感じるのは「クリエイティブ関連本」および「未来予測関連本」の勢いである。投資関連本も相変わらず好調の様子だ。不安が先走る有事の直下にある今、人々の心は書籍のタイトルや平積みの売り場にそのまま現れる。最近は、書店のクリエイティブ関連のコーナーに行くことが日課となった。そうした書籍に多く出会える渋谷の青山ブックセンター本店に足を運ぶことがルーティンになりつつある。
人材の観点からもビジネスの観点からも「クリエイティブ力」という言葉が頭の中で大きなウエートを占めるようになった。「創造性」はかねてより非常に重要なビジネススキルであり、採用時に「創造性」を重視する企業も一定数あったと思う。ただ令和に入って求められるクリエイティブ人材の重要性はこれまでとはレベルが異なるのではないかと思う。
クリエイティブ思考を磨く
「先が見えない時代」に経営計画を見直しながら、新たなビジネス、取引相手、販路、顧客を考えていくことは決して簡単ではない。これらを行っていくには、創造力や妄想力を磨き上げる必要がある。現状維持の先におそらく未来はない。
10年後、20年後を意識しながら「今何をしなければならないのか」を考え、危機感をもったビジネスパーソンがクリエイティブ力の重要性にあらためて気づいた。今後も関連書籍はさらに出版されていくに違いない。書籍の観点からは、以下がおすすめである。
①広告のスペシャリストによる書籍
②研究者や専門家視点の書籍
③創造性ある経営者や偉人の書籍