第15回 『オリコ研修センター(Orico Training Center)』(東京都・文京区)
どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
企業のオフィスや研修施設をめぐり、学びを促進する工夫を解説する。
東京・文京区、目白台運動公園の目の前に位置し、あたたかいオレンジ色の看板が目を引く建物こそが、オリエントコーポレーションの研修施設「オリコ研修センター」だ。
現代の価値観と研修ニーズにマッチする新たな施設へと生まれ変わらせるべく、建築家の宮下信顕氏と協働し2018年からリニューアルに向けたプロジェクトがスタート。2020年11月に晴れて完成に至った。
機能・デザインの両面からのドラスティックな改革
地下1階、地上4階建ての宿泊機能を擁する旧研修センターは、設計・建築から30年以上が経過し、同社固有の研修プログラムやその受講者に必ずしもフィットするものではなくなっていた。
「とりわけ間仕切りのない相部屋の宿泊スペースは、プライバシー確保の観点からも第一優先の改善点でした」(人事部・人材開発チーム課長代理 相川裕太氏)
そこで、宿泊スペースの刷新に加え、2つの側面からフルリノベーションを行うこととなった。