CASE 3 バクスアルタ 企業理念を醸成する空間 「働き方革命」を起こす仕掛けづくり
新薬開発などをめぐってし烈な競争を展開する製薬業界。
バイオ医薬品のエキスパートとして革新的な治療法を開発するバクスアルタは、さらなるイノベーションとダイバーシティの促進をめざして斬新なオフィス空間を創出した。
そのコンセプトに迫った。
● 目的 部門間の壁を破る
2015 年4月に医療関連会社バクスターから分社化したバクスアルタ。分社に先駆け、前年の2014 年9月、虎ノ門ヒルズに開設したオフィスには、さまざまな趣向やコンセプトが詰まっている。「新オフィスでバクスアルタとしてのスタートを切ったことで、分社化による新たな成長を加速することができました」と人事部部長の屋や 鋪しき智樹氏は語る。まさに新約聖書の「新しいブドウ酒は新しい革袋に入れよ」という言葉を具現化した取り組みといえよう。
その底流には、①イノベーション、②コラボレーション、③インタラクション(相互作用)―という3つのコンセプトがある。
まず、日々の働き方を含めて、どうすればイノベーションを起こせるかを大前提として考えた。そのうえで部門間・組織間に存在していた壁を打ち破り、コラボレーションする方法を模索。さらに、時には数人のグループ、時には大人数というように、用途に応じて人が集まり、インタラクションを起こすための空間づくりについて議論した。その結果、生まれたのが仕事の内容や状況に応じて自由に席を選べるスタイル、ABW(Activity Based Workplace)である。