第6回 決して背伸びはしない “等身大の自分”を大切に ハッピーを届けたい 高橋真麻氏 フリーアナウンサー
いまやバラエティ番組や情報番組のMC・コメンテーターとしてもお茶の間に欠かせない、フリーアナウンサーの高橋真麻さん。フジテレビ入社当初のバッシングの苦労や、そこからどう立ち上がり、自分らしく現在のキャリアを築いたのか。
いまだから話せる本音を聞いた。
「真麻らしさ」って何だろう
――ご活躍ぶりを拝見していると、当連載のタイトルである「私らしく生きる」の言葉がまさにぴったり!という印象です。高橋さんご自身は、「私らしさ」をどんなふうに考えていらっしゃいますか。
高橋真麻氏(以下、敬称略)
実はフリーになりたての2013年ごろ、番組の打ち合わせなどで「真麻さんらしくやってください」と言われることが多くて、正直すごく悩んだんです。「この方がいま求めている“私らしさ”って何だろう?」って。悩んだあげく、フルスイングしては空振りばかりという日々でしたね(笑)。フジテレビ時代は基本的に、会社や上司が私の実力や個性を把握していて、それがハマる番組に呼ばれるという感じでした。だから、自分で「私らしく」と意識することもなかったんです。
フリーになって、初めてご一緒する制作スタッフの方に「真麻さんらしく」と言われたとき、私はどう見られているのかしらと、逆に不安になりました。でも、2、3年たってからでしょうか。ようやく求められているキャラクターや振る舞いがわかるようになってきて、最近は少しずつですが、私なりの“私らしさ”で番組づくりをしています。
とはいえ、フリーは本当に厳しい世界で、毎回ベストパフォーマンスが当たり前。きちんと結果を残さなければ、次は呼ばれません。緊張の連続です。どんなリアクションをすればいいのか。どんなエピソードが求められているのか。用意していたコメントが他の共演者の方とかぶってしまったら? と、つねに頭を回転させています。しかも、バラエティでは、そういう頑張りが見えてしまうと観る側が笑えないじゃないですか。その点、芸人さんは本当にすごい!
トークがお上手なうえに、笑いをとってらっしゃいますからね。勉強されているんだなと、いつも感心させられます。
――高橋さんも、そんな陰の努力をされているわけですね。
高橋
やっぱり話がウケなかったり、すべったりすると悔しくて。また、コメンテーターのお仕事では言葉に大きな責任も伴います。だからといって、優等生発言ばかりではつまらない。ときにはエッジの利いたコメントも言わなければならないので、いろいろ工夫するようにしています。
もちろん、エゴサーチもします。視聴者の方の反応が直接確かめられるので、「こういう言い方をすると、こんなふうに受け止められるのか」「こういう所作をすると、気分を害される方もいるんだ」と参考になることが多いんです。局アナ時代は、視聴者センターに届く意見やクレームを組織内で共有していました。いまはそういう機会もないので、自分からリサーチをかけて、厳しい評価にも真摯に向き合おうと思っています。