第4回 2018 ATD European Summit ~アムステルダムでの学び~ 今村優之氏 電通国際情報サービス ワークスタイルイノベーション室 WSI推進部長
米国の人材・組織開発の専門組織ATDの日本支部ATD-IMNJ が、海外の新潮流を変革へのヒントとして解説します。
ダイバーシティな大会
ATDはICEの他、地域や国ごとにイベントを開催しています。私が参加した「2018 ATD European Summit」は2018年10月8~9日、ヨーロッパ地域の大会としてオランダのアムステルダムで開催されました。ATD-ICEやAPC(アジアパシフィックの大会)と比べ、小規模ながらまた違った特色や学びがありました。
参加者は主催者発表で約180名で、参加者の出身国は確認できただけでも20カ国以上。ヨーロッパならではのダイバーシティな環境での開催となりました。2日間で計20以上のセッションが開催されましたが、ATDの大会はセッション以外から学べることもたくさんあります。ここでは以下の3つの観点からの学びをご紹介しましょう。
・セッションそのものからの学び
・日本以外の国からの参加者とのネットワーキングでの学び
・日本からの参加者同士のリフレクションでの学び
セッションからの学び
全体としては、選ばれているテーマがICEやAPCとは傾向がやや異なっていることが印象的でした。ここ数年のICEやAPCでは、リーダーシップ開発、ラーニングテクノロジーが多く取り上げられていますが、今回の大会では職場環境や企業文化、世代間のダイバーシティ&インクルージョンにフォーカスしたテーマが目立ちました。こうした課題観は、小国が互いを尊重しながら共存しているヨーロッパの地域特性が影響しているのかもしれません。
初日の基調講演はヒルトングループの元チーフラーニングオフィサーで、Aloha LearningAdvisors 社の創業者であるキモ・キッペン氏でした。キモ氏は、変化の激しい時代における「グロースマインドセット※1」と「アジャイルマインドセット※2」の重要性を説き、「Be curious & a lifelonglearner」というこれからの学び方のスタンスを提示してくれました。