第4回 言葉の魔術師・小林ゆかさん お笑いで創る「愛のインフラ」 小林ゆか氏 ユヌス・よしもとソーシャルアクション 代表取締役社長|寺田佳子氏 インストラクショナルデザイナー
人は学べる。いくつになっても、どんな職業でも。
学びによって成長を遂げる人々の軌跡と奇跡を探ります。
ノーベル平和賞を受賞した経済学者、ムハマド・ユヌス氏と吉本興業。
一見、なんのつながりもなさそうな両者を結びつけ、新会社設立を実現したのが
ユヌス・よしもとソーシャルアクション代表取締役社長、小林ゆかさん。
「お笑い×ソーシャルビジネス」という新しいコンセプトを描き、
カタチにしていく柔らかな力の秘密とは。
01 すべては言葉から始まる!
学生時代から、雑誌にエッセイや小説を執筆。それを見たセゾングループ創業者、堤清二氏のオファーを受けて、セゾンの広告戦略を手がけ、その後、資生堂、ソニー、東急グループなどの他、雑誌『HANAKO』創刊でもコンセプトワークを任される。さらにJAXAやAMED(日本医療開発機構)のコミュニケーション戦略に携わるなど、多方面で活躍の後、2018年春からは、ユヌス・よしもとソーシャルアクションの代表取締役社長として東奔西走の日々……。
こんなふうに、時代を彩るキャリアを積んできた女性である。エキセントリックな方かと思いきや、
「ほんと、私って、ぼおーっと、してるんですぅ」
「ただラッキーだっただけ。周りの方がすごいんです!」
と、はにかむ様子が、拍子抜けするほどチャーミングな小林ゆかさんである。
それにしても、社会人デビューが“堤清二さんからの直々のオファー”というのはすごいですよね。
「来てみない? と言われたので、あっ、じゃあ、一度伺いますぅ、って感じだったんです……」
で、会って早々言われたのが、「セゾンの広告、やってみない?」。
小林さんの作品は、作家、詩人としても高名だった堤氏の感性に訴えるものがあったのだろう。それにしても、社会人としての経験もない、広告業界の右も左もわからない、ピカピカの新人だ。ふつうなら、
「ムリムリ……」
と恐縮のカタマリになってあとずさりするところである。
ところが小林さんは、
「はぁ、そうですね」