第3回 T&Dコンピテンシーと人材開発の新しい役割 中原孝子氏 ATD-IMNJ(インターナショナル・ネットワーク・ジャパン)理事(副代表)
米国の人材・組織開発の専門組織ATDの日本支部ATD-IMNJ が、海外の新潮流を変革へのヒントとして解説します。
高度化する人材開発
21世紀に入ってからいわゆる“VUCAの時代”に突入し、経営を取り巻く環境のめまぐるしい変化、新興国の台頭やグローバル化、そして急速なテクノロジーの進歩にともない、⼈事・⼈材開発に求められるものがより高度化、複雑化してきました。プロフェッショナルとして経営に貢献する専⾨性を⽰すことが、今や人材開発において必要不可欠な時代といえます。
そこでATD では2004年、この分野のプロフェッショナルとしてのコンピテンシーモデルを策定し、2014年にその改定版として図(P67)のようなコンピテンシーモデルを発表しました。
このコンピテンシーモデルは、⼈材開発分野にかかわるあらゆる⼈に求められる基盤要素(Fundamental)と、その役割によって違ってくる専門分野(AOE:専門領域)とで構成されています。具体的には、専門知識・能力として求められる以下の10の項目についてコンピテンシーが示されています。
・Performance Improvement(パフォーマンス向上)
・Change Management(組織変革)
・Instructional Design(インストラクショナルデザイン)
・Knowledge Management(ナレッジマネジメント)
・Training Delivery(研修実施/ 提供)