Chapter2 まとめ 学びとは何か。 ヒトはどうしたら学び続けられるのか
人間にとって「学び」とは何か――。
特集を振り返りながら、企業や組織におけるラーニングのヒントを見いだしていきたい。
楽しく学べる人が達人に
それぞれの分野における学びのポイントは図1の通りだ。脳科学者の萩原一平氏やデザイナーの三木健氏らは共通して、専門分野を突き詰めたプロフェッショナルたちが、学びの達人でもあることに言及した。プロは専門性を高めるなかで、努力の重ね方やセルフコントロールの方法を体得する。さらには、その過程で社会への見方を変化させ、柔軟に道を切り開いていける力を身につける(三木氏)。そうした学びと成功体験の積み重ねによって、学びがどんどん楽しくなっていく。
誰もがこうなれればしめたものだ。こうした学びの達人を増やすには、どうしたらいいのか。
具体的なヒントをいくつか振り返ってみよう。
学びの達人になる・育てる方法
指導者・学習者本人ができること ①アウトプットの機会を設ける
精神科医の樺沢紫苑氏は、人間の脳は、使われる情報だけを長期記憶に残すため、インプットしたことを活用するアウトプットの機会がなければ、いくら学んでも身にならないと指摘する。まずは自分自身、もしくは指導者が、学びを活用する機会をつくることが必要である。