Chapter2 企業事例|CASE2 アサヒビール 失敗を許容し、挑戦させるDNA 一握りのヒーローはいらない 一人ひとりを主役に育成 村瀬 進氏 アサヒビール株式会社 人事部 副課長
挑戦心に富み、一致団結して突き進む力に長けた熱血社員が多いアサヒビール。
同社では社員一人ひとりの個性に目を向け、主体的な挑戦と失敗を歓迎する風土が根づいている。
そのDNA や取り組みについて話を聞いた。
●定義・前提 個性に着目し、伸ばす風土
「出る杭」は、通常、突出した能力を持つ一握りの人材だと捉えられがちだ。だが、そもそも一人ひとりが個性や良さを持っており、各々が“出る杭”だという考え方もできる。そこで紹介したいのが今回の事例である。
現在、ビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)市場でシェア№1を誇るアサヒビール。「出る杭」という用語が社内で明確にうたわれているわけではないが、個性を尊重した様々な施策を、採用から入社後の研修まで一貫して実施している。
背景には、社員の「光る個性」に着目し、伸ばそうという風土がある。新人の頃からとにかく挑戦させ、失敗を許容する環境があるのだ。
「挑戦の結果、成功は保証されていないかもしれないが、成長は必ず約束される。失敗を恐れて何も挑戦しないことのほうが悪」。自ら出る杭として活躍してきた同社の社長、平野伸一氏が、入社式で新入社員に必ず伝える言葉である。
「挑戦は、弊社のDNA として根づいているスタンスです。同様に“挑戦による失敗はどんどんしましょう”というのも社内の公用語です」(人事部副課長の村瀬進氏、以下同)