ART 日本美術家列伝〜江戸時代篇 感性のみに従った純粋な絵描き・伊藤若冲 矢島 新氏 跡見学園女子大学 教授
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日本美術史を彩った美術家を紹介する連載を始めるにあたり、豊富な人材の中から誰をトップバッターに据えようか少し迷った。やはり大物から始めるのが定石だろうから、初回は21世紀に人気が急上昇した伊藤若冲に登場いただくことにした。
2016年4月から5月にかけて東京都美術館で開催された若冲展には、老若男女が押しかけ、会期後半には入場まで5時間を超える日もあったらしい。それほど、若冲は今最も集客力のある日本美術のコンテンツである。
若冲の活躍期は18世紀の後半で、当時京都で2番人気の高名な絵師だった。明治になると人気はいったん衰えて次第に名を知る人も少なくなり、1970年以降に徐々に復活するのだが、その浮き沈みを見ると、人物の評価というものがいかに時勢に左右されるかを実感させられる。