ISSUE4 まとめとして 変化を起こせる学習と仕組みとは
リーダーは何を学ぶべきか
特集1を構成に沿ってまとめると、次ページのようになる。事業変革リーダーとは、こうして見ると、「客観的なデータで現状や環境を把握したうえで事業戦略をつくることができ、実際に多くの人を巻き込んで遂行していける人材」ということができそうだ。
ただし、グローバル市場で勝負していこうとすれば、これらの要件だけでは不十分である。神戸大学大学院の三品教授が語るように(P20)、歴史・世界・人間・事業をマクロで長期的に学ぶことが前提となる。それには、他の民族の価値観や、世界経済の流れなどを座学や実地で学んだり、(海外)子会社経営を任せることで多種多様なマネジメント経験をさせたりといったことが有効なようである。
また、事業戦略の実行フェーズに移ると、チームメンバーの力を引き出すことが重点になる。そのため、幹部育成にはピープルマネジメントに重点をおいた研修を行いがちだが、これも三品氏が言うように、事業(ビジネス)の歴史――時代の覇者や新興勢力の栄枯盛衰や、世界の中の日本の立ち位置も学ぶと、変化の方向性を考えるヒントになる。具体的な“事業立地の変え方”については、三品氏の書籍『高収益事業の創り方(経営戦略の実戦〈1〉)』が、実例が満載で教科書になるだろう。