おわりに やる気=健康=人材マネジメント
小誌ではこれまで、対話に着目した組織開発の方法や、その他ユニークな活性化の方法などを何度か取り上げてきた※。そこで今回は、メンタルヘルスや健康経営の視点も取り入れ、組織や職場の活性化を掘り下げた。メンタルヘルス不調者を出さないための対応とは、つまり職場活性化であり、突き詰めていけば「経営や人材育成の領域そのもの」(富士通佐藤光弘氏、48ページ)だからである。
活性化の方法は図のようにいろいろある。本稿では以下に記す4つの点に注目して、従業員目線の組織活性化策にはどんなものが考えられるのか、特集を振り返る。
1 仕事の意義を共有する
まず、働く人がモチベーションを高く維持し続けるには、自分たちの“仕事の意義”を確認することで、心の深いところから仕事をする嬉しさや、納得感を抱く必要がある。
例えばテルモ(42ページ)では、「患者さんの日」というイベントを設けていた。元患者や医師に、闘病体験や医療現場のエピソードを語ってもらうというものだ。その中で、自社製品はどのように役に立っているのか知ることによって、普段、製品の製造や販売の一部分にしか関わらない人も、自分の仕事が社会の役に立っている実感を得ることができる。