おわりに “考え抜く力”が 人生を豊かにする
考える力とは
グローバル競争が激化し、目まぐるしいスピードで技術革新が起こっている。このような時代、企業が生き残っていくために不可欠なのは、答えのない問題に立ち向かい、新たな創造を生み出す力である。
その土台となるのが、「考え抜く力」といえるだろう。組織の一人ひとりが、そしてチームが妥協せず考え抜き、最良の策を見いだしていくことが、今、求められているのである。
「考える力」の要素について、東京大学大学院教授の上田正仁氏は、「問題を見つける力」「解く力」「あきらめない人間力」だと説く(OPINION1)。他の人が疑問に思わないところ、常識だと考えているところから問題点を発見し、自ら創造した課題に取り組む。情報の整理と検証を繰り返しながら、新たなアイデアを生み出す。これを粘り強く続けていくことこそ、「考える」ということだという。
上田教授は、考える力は筋トレと同じで鍛えることができるといい、誰でも今すぐ取り組める次のトレーニング法を指南した。
・日常感じる小さな違和感を自分の言葉で書き出す
・仕事の資料を読み込み、自分の言葉で情報を整理し、体系化させる
・必要のない情報は捨てるクセをつける
自分の言葉でノートやパソコンに書き出したり、必要のない情報を捨てることにより、脳を「考えること」に集中させることができるというのも、ユニークな教示であった。