第1回 「キーパーソン」と「ビジネストレンド」
経営や人事を担う人材にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
求められるキーパーソンの視点
人材育成担当者に対して、最新の書籍の紹介を通じて、様々な切り口におけるビジネスの捉え方を提言していく本連載。記念すべき第1回は、ビジネスを捉えるうえで非常に重要な「キーパーソンを知る」というテーマでお届けしたい。
今後はAI、IoT、自動運転等の先端テクノロジーが時代の流れを大きく変える。もちろん「働き方」も変わる。これからの時代の進化は非常に速い。10年も経てば、今では信じられないような「世の中」が眼前に広がっていることは想像に難くない。
「世の中の進化」は「ニーズの変化」を生み、「求める人材像」にも影響を及ぼす。故に人事担当者は、世の中を予見しながら、これからの自社を支える人材像を想起していかなくてはならない。
だが、不確定要素が多過ぎる現代、自分ひとりで考えるのには限界があるだろう。そこで参考になるのが、「時代を変える」キーパーソンの視点である。
過去を振り返っても、時代の変わり目には、「10年以上先を見通している」先見の明を持つキーパーソンが必ず存在していた。特定分野のキーパーソンがいれば、世の潮流を見渡すキーパーソンもいる。そのようなキーパーソンの把握が、企業力の向上につながるといえるだろう。
書籍は当然として、Web、記事、セミナー等を通じて彼らの主張を学び、人材育成・開発業務の参考にするとよいだろう。これが出来る組織は強い。
キーパーソンを見つけるポイント
ここで、筆者が注目しているキーパーソンを分類してみよう。
① 技術力、アイデア力で世の中を変える
②投資の眼力で世の中を見通す
③素晴らしい感性を持つ若き天才
①はアメリカのIT ビッグ5(アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック)やイーロン・マスクが筆頭格。②は世界三大投資家(ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズ)やピーター・ティールが挙げられる。③は、落合陽一氏をはじめ、日本にも素晴らしい若き論客が多く登場してきている。