旭化成の事例 新任管理職を対象としたマネジメント支援 松尾 睦氏 青山学院大学 経営学部 経営学科 教授/北海道大学 名誉教授
松尾 睦氏
環境の変化が激しい現在、大きな負荷がかかるミドル・マネジャーを対象に、支援プログラムを提供する企業が増えている。特に、管理職に昇進したタイミングでのサポートは重要である。
本稿では、旭化成株式会社における人材育成力向上の取り組みを、人財・組織開発室の三木祐史氏へのインタビュー、および同室の三橋明弘氏、竹内雅彦氏、近藤麻理奈氏が作成した研修資料をもとに紹介する。
新任管理職研修の概要

旭化成株式会社は、課長・係長相当の等級に昇進した社員向けに、「必須のオンライン研修」と「任意参加の選択研修」を用意している。必須研修では、経営視点を持ったリーダーのマインドセットや、経営職に必要な知識を学習する。選択研修は、「ビジネス戦略コース」「アカウンティング基礎コース」「ストレングス・ファインダーコース」「人を育てる・組織を創るコース」から構成されており、参加者は複数のプログラムを任意で受講することができる。これら4つのコースのうち、以下では「人を育てる・組織を創るコース」の内容を紹介する(図1)。

「人を育てる・組織を創るコース」の概要
本コースの狙いは「マネジメントを自分事として捉え、その楽しさや難しさを学ぶこと」にあり、2025年度は83名が受講した。具体的には、2025年11月から2026年2月まで3時間のセッションを4回実施する座学プログラムであり、その内容は「マネジメントの理解」(11月)、「部下に対する1対1の指導」(12月)、「チームを率いるマネジメント」(1月)、「自分らしいマネジメントに向けた計画」(2月)となっている。各セッションのインターバル期間には、自身の身の回りで起きた「マネジメントに関する出来事(マネジメント・ハプニング)」をピックアップし、次回の研修に持ち寄ることになる。講師は、同社において人事の高度専門職として認定された2名のエキスパートが務める。
4回のセッションが終了した4月~7月は、希望者を対象に「グループ・コーチング」が実施される。ここでは、月に1回、3~4人1グループが集まり、90分間でお互いの悩みや課題を共有し、相互にコーチングを行う。座学研修を受講した83名のうち、10名が4月からのプログラムに参加している。
経験を振り返る「マネハプ・セッション」

