No.12 集中すべきは「自分が何をすれば相手がうまくいくのか」ということ 目澤秀憲氏 プロゴルフコーチ|中原 淳氏 立教大学 経営学部 教授
目澤秀憲氏
人は誰しも指導者になる。これは講師やマネジャーに限った話ではない。組織で働く人であれば、一度は人を育て、チームを育む指導的役割を担う機会が訪れる。本連載では人の成長に寄与し、豊かな成長環境を築くプロ指導者たちに、中原淳教授がインタビュー。前回に引き続きプロゴルフコーチの目澤秀憲さんにお話を伺った。
[取材・文]=井上 佐保子 [写真]=中山博敬

タイガー・ウッズに憧れプロゴルファーを目指す
中原
目澤さんは大学卒業後、アメリカのTPIのコーチ資格を取得されたそうですが、ゴルフコーチになった経緯を教えてください。
目澤
ゴルフを始めたきっかけはゴルフ好きな父の影響です。初めてクラブを握ったのは5歳くらいのときでしたが、まじめに取り組むようになったのは中学生になってからです。中学3年生のとき、テレビでタイガー・ウッズのマスターズ優勝を見て感銘を受け、プロを目指そうと心に決め、ゴルフ部がある埼玉平成高校に進学しました。高校ではゴルフに打ち込みましたが、個人では思うような成績を残すことはできませんでした。その後、日本大学に進学し、ゴルフ部に入部しました。
中原
日本大学はゴルフの強豪校ですよね?
目澤
はい。周囲にはプロ資格を取っている人が多くいました。自分なりに努力を重ね、ある程度の手応えは感じていたのですが、何かが足りない。大学3年生になり、コーチが変われば練習環境も取り組み方も変わるだろうと期待し、新しいコーチに習い始めました。
中原
新しいコーチに習って、いかがでしたか?
目澤
それが、かえってうまくいかなくなってしまいました。アドバイスをもらって、少しいい日が続いたかと思うと、以前のプレイの悪い癖が出てしまう。そんな繰り返しだったのです。自分で元に戻そうとしても戻せないし、コーチに聞いても直らないし、八方塞がりでどうしたらいいかわからなくなってしまいました。今思えば、知識がないまま進んでいたので、うまくなるはずがなかったのです。
中原
いろいろなコーチに習ったのですか?
目澤
そうですね。何人かのコーチに教わりました。しかし、皆さん言うことがバラバラで……。当時はコーチの指導に対してかなりの不信感を抱いていました。今考えると、スイングの見え方や指導法は人それぞれ違うので、自分に合うかどうかを選択するのは自分の責任だったと思います。自分がうまくいかない理由を、コーチのせいにして逃げ道をつくっていたのかもしれません。ただ、この経験が、後にコーチとしての将来を考える1つのきっかけになったので、その意味では感謝しています。
新しいゴルフ理論との出会いでコーチを志す
中原
そんなときに、新しい理論との出会いがあった、というわけですね。

