COLUMN JMAM 職場に3つの変化をもたらす「感謝と称賛」研修 湯川将吾 日本能率協会マネジメントセンター ラーニングデベロップメント本部 DX開発部 プログラムデザインセンター長
感謝と称賛のコミュニケーションが組織を活性化させることは理解できたが、何から手をつければいいのかわからないと悩む人もいるだろう。
最初の一歩をどう踏み出すべきか迷っている人事担当者のヒントになる、「感謝と称賛」研修プログラム(JMAM)について紹介する。
[取材・文]=村上 敬 [写真]=JMAM
従業員の心理的な結びつきを育む基盤行動とは
「近年よく話題にあがるエンゲージメントテーマ。人的資本経営の普及とともに人的資本の見える化が求められるようになり、多くの企業が従業員の意識調査を実施するように。同時にエンゲージメント向上の施策を打つようになりました。ただ、上流から施策を整えても、離職率が高いままだったり、現場の社員の行動に変化が起きていないという悩みを抱える企業は多かった。その原因は現場の社員の日常的な相互作用にあると考えました」
日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)ラーニングデベロップメント本部DX開発部プログラムデザインセンター長の湯川将吾はそう話す。これまでも、たとえばミッション・ビジョン・バリューの見直しやパーパスの制定といった理念体系の整理・浸透など、エンゲージメント向上につながるサービスは提供していた。
しかし、このような組織の経営層からのアプローチだけではなく、現場からもアプローチする必要があるのではないか——。そうした発想で、現場社員たちの関係性に着目したわけだ。
社員間の関係性を向上させる施策には、交流の場づくりや会話が自然に生まれるオフィス設計など、様々考えられるが、狙いを定めたのは「感謝と称賛」だった。
「エンゲージメントは、組織に対する心理的な結びつきです。その結びつきは、自分の存在が組織に認められていたり、周囲と安心して関われている、あるいは組織のなかで意味のある役割を担っているといった感覚から生まれます。こうした感覚をシンプルかつ日常的に可視化する基盤行動は何かと考えたとき、正木郁太郎先生(OPINION1、P14~)との出会いもあり、感謝と称賛に注目し、研修化を進めることに決めました」
感謝と称賛がもたらす3つの変化
感謝と称賛が飛び交う組織になれば、どのような変化が起きるのか。職場が明るくなることは容易に想像がつくが、湯川は「ゴールは職場の“雰囲気改善”ではない」と言い切る。
「目指すのは、感謝と称賛の行動が身につくことで従業員の認知と行動に変化を起こすこと。具体的には『多様な考え方の受容』『主体性の発揮』『コミュニケーション力の強化』が起きると考えています(図1)」
3つの変化を詳しく見ていこう。まず「多様な考え方の受容」だ。

