第46回 「対話の力」を掲げたダボス会議から得た学び 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する
世界のリーダーが見ているもの
2026年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会2026(ダボス会議)。本会合も56回目を数えるが、今年も世界のリーダーたちが様々なテーマについてセッションを展開した。トランプ大統領の参加も大きな話題となり、日本からは片山財務大臣、小泉防衛大臣等が参加した。
今回のメインテーマは「対話の力(A Spirit of Dialogue)」。世界で巻き起こる混乱を見ていると、分断の時代を感じずにはいられない。ちなみにサブテーマは「対立が深まる世界における協力」「新たな成長源の開拓」「人材投資」「責任あるイノベーションの推進」「プラネタリー・バウンダリー内での繁栄の構築」であった。「人材投資」の論考「3つのグラフが示す、雇用に対するAIスキルの影響」には目を通していただきたい。
若い社員の育成に課題感を持つ人には、「若者の主体性への投資が、企業に不可欠な理由」がお薦めだ。
個人的に注目したのが「新たな成長源の開拓」である。日本企業の未来を考えた際、本業を大切にしつつ、新たな「稼ぐ力」を構築していかなければならない。そこで、自社の強みを活かし、弱みは他社連携等も模索し、カバーしたうえで、収益源を開拓する必要がある。「食料エコシステム」「港湾ロジスティクス」「アフリカの金融システム」等の最新事例は、実に興味深い内容であった。
会議で得た刺激を未来に活かす
世界のビジネスリーダーから刺激的な学びを得た後は、自分の組織の未来にも目を向けていきたい。
2026年は「フィジカルAI(AIがロボットや機械を自律制御する技術)」が重要なキーワードとなる。ビジネスにおいて、何をAIに委ね、何を人間の領域として大切にするのか。10年後もAI人材は不足する可能性が高い状況下において、2026年は重要な意思決定の年になることが、ダボス会議の議論からも予測される。
今回はダボス会議に刺激を受けて、以下のポイントから選書してみた。
①あえて「回避」から入る考え方が学べる書籍
②「人的資本経営」の最新事例や理論をじっくり学べる書籍
③日本のトップリーダー、世界に誇る技術を有する達人に学ぶ書籍

