第38回 未来を見据えるためにこれから意識しておきたいこと 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
2025年はターニングポイントとなる1年
今年は歴史に残る選挙イヤーであり、10月には石破茂内閣総理大臣が誕生した。衆議院議員選挙の結果にもよるが、順風とはいえない状況下において、どのような経済政策を推進していくのか注目である。
アメリカの大統領選もご承知のとおり大激戦であり、本稿執筆時点ではハリス氏、トランプ氏どちらに決まってもおかしくない状況だ。結果しだいで、日本に与える影響は大きく異なってくる。
インド、インドネシアといった国の急発展、そしてグローバルサウス諸国の成長等々、これから世界は大きく動いていく。
日本は、少子高齢化が確実に進む未来となるが、それでも1億の人口を有することを考えると、国内ビジネスにもまだチャンスはある。政府も推進しているとおり、大企業はもとより、中小企業においても、グローバル展開を模索する流れは今後加速していく。
コロナ禍は完全には収束していないが、Afterコロナの世界に近づくなか、日本企業は新規事業展開や新用途探索、顧客発掘など、新たな仕掛けを模索している。
2025年はターニングポイントとなる1年だ。
現在の労働力人口の定義において、ミレニアル世代およびZ世代(2024年時点で12歳~43歳位の世代)が、全体の半分を占めるようになるのが2025年。半数を超えると、潮目が変わる。人事担当なら知っておきたい「確実に来る」未来である。
4月~10月にかけて行われる「大阪・関西万博」(テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン)には世界からも注目が集まると期待している。
来年以降を見据え未来へ思いを馳せる
人事担当者の皆さんには、経営人材育成、そして社員のキャリア支援の観点からもぜひ、これから起こることを想起しながら、中長期の視点で未来を見据えていただきたいと願う。
今回は、未来を考えるための書籍を4つの観点で選んでみた。