Vol.6 ツナグ!HR若手研究者の輪 辺見英貴氏 長崎大学 経済学部 助教
辺見英貴氏
次世代のHR分野を担う若手研究者たち。研究者を志したきっかけ、現在の関心事、そして研究の先に見据えるのはどんな社会なのだろう。
インタビューを通して、研究者たちのアタマのなかを少しのぞいてみよう。
[取材・文]=稲垣 飛カ里 [写真]=諸石 信
沈黙をいかにマネジメントするか
―― ご専門分野をご紹介ください。
辺見英貴氏(以下、敬称略)
僕の研究テーマはひと言でいえば「職場のコミュニケーション」です。経営学の組織行動論という分野において、従業員の沈黙や発言について研究しています。従業員が上司に対して、発言をしたいのにできない状況のことを「沈黙」といいますが、そういった状況が会議の場面や日常業務、いわゆる報連相の場面において、どのように生じるのかについて研究しています。
このテーマについて関心を持ったきっかけは、僕自身の経験からです。中学までチームスポーツであるサッカーをしていましたし、ゼミの活動でもチームでプロジェクトを行う場面が多くありました。そのなかで僕がリーダーになったときに、なかなか他のメンバーから意見が出づらい、反対に僕が後輩の立場として、先輩になかなか意見を言いづらいという場面もありました。いずれにせよ、そういった状況をどうにかしないとチームとしてうまく成果に結びつかない。どうすればいいんだろうとモヤモヤを抱えていたときに、このテーマに出会いました。