Vol.3 ツナグ!HR若手研究者の輪 藤井暢人氏 桃山学院大学 経営学部 経営学科 講師
藤井暢人氏
次世代の HR 分野を担う若手研究者たち。
研究者を志したきっかけ、現在の関心事、そして研究の先に見据えるのはどんな社会なのだろう。
インタビューを通して、研究者たちのアタマのなかを少しのぞいてみよう。
[取材・文]=稲垣 飛カ里 [写真]=行友重治
アイデアはいかにして生まれるのか
―― 研究分野をご紹介ください。
藤井暢人氏(以下、敬称略)
いかにして個人が面白いアイデアをひらめくのか、組織として引き出すことができるのかという、従業員の創造性について研究しています。
特に、お金がない、時間がない、物や人手の不足といった、制約のあるなかでどうやってアイデアを出せるのかに興味があります。イノベーションや創造性と聞いてイメージするのはGoogleのような大きな企業ですが、本当にアイデアを求めているのは、中小企業や零細企業です。
実際の研究対象は、アウトプットが具体的な形になっているものにフォーカスしています。たとえば、誰かに創造的だと評価されたCMがあるとすれば、そのCMがどうやって作られたのか、どのようなマネジメントの下で作られたのかということを明らかにする試みです。評価されたものが1つだけでは再現性がありませんが、ほかにも賞を受賞しているような企業であれば、きっとその組織にしかない上司の声がけだったり、マネジメントの方法があると考えています。