第31回 次世代経営人材が意識しておきたい「自分のアップデート」 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
管理職と部下の“思い”のギャップ
2023年6月に発表されたJMAMの調査によれば、5割以上の管理職が、「今の仕事が面白く、管理職を続けたい」と感じているという。一方、部下の7割以上が「管理職になりたくない」という結果も出ている※1。
ちなみに「管理職になりたくない」人の多くは「自分には向いていない」ことを理由に挙げている。今の時代感と言ってしまえばそれまでだが、人事部門の皆様も、管理職や次世代経営人材の育成において、日々頭を悩ませていることだろう。
近い将来迎えることになるAIとの共創時代においては、管理職の役割もきっと変わっていく。最近注目している経済産業省「デジタル時代の人材政策に関する検討会」における議論を見ていても未来に思いを馳せずにはいられない※2。
管理職やビジネスリーダーへの意欲を示す人が減少しているのだとすれば、「管理職の仕事の魅力」を再定義することが重要なのかもしれない。
“アップデートへの意識”こそが重要
変化の時代には、年代に限らず、自分をアップデートしていくという意識が重要である。管理職を目指す人もプレーヤーとして勝負したい人もおそらく同じであり、特に管理職として活躍したい次世代経営人材は、多方面でのアップデートが必要だ。
今回はそうした人材を考えるうえで4つの視点で選書してみた。
① できるビジネスパーソンの情報への向き合い方や最新ツールが学べる書籍
② 最新の時短仕事術のノウハウを実績ベースで教えてくれる書籍
③ 様々な業界で「今、何が起きているか」を俯瞰できる書籍
④ 新たな事業の柱を検討するうえで、既存事業と新規事業のバランスの在り方について学べる書籍