新人・若手社員の育成施策に関するアンケート調査
新人・若手社員のエンゲージメント向上を考えるうえで、職場でどのように育成を行い、成長につなげるかというのは、欠かせないポイントだ。
そこで今回、新人・若手社員の育成企画担当者1,000名を対象にアンケート調査を行った。
コロナ禍のなか、OJT、Off-JTといった育成施策にどのような課題を持ち、改善策を検討しているのか。
調査結果の一部を紹介したい。
調査概要:新人・若手社員の育成企画担当者1,000名を対象に2022年7月インターネットによるアンケート調査を実施。
エンゲージメントにつながる「成長意欲」が課題
まず、現在の新人・若手社員に関する課題について聞いたところ、1位に挙がったのは「成長意欲を持ち、必要な経験を自ら開拓する」(61.5%)、次いで「働くことの意味・目的を考えて行動する」(53.9%)となった(グラフ1)。エンゲージメントのなかでも、特にやりがいを持って生き生きと仕事に取り組むことを意味する「ワーク・エンゲージメント」の観点で、「成長意欲」は欠かせないキーワードだ。また、「働くことの意味・目的を考えて行動する」に通じる「仕事の意味づけ」も同様に、ワーク・エンゲージメントにつながる要素である(OPINION2、CASE3参照)。したがって現在の新人・若手の課題からは、図らずも本特集のテーマである「エンゲージメント」に関する課題が浮き彫りになった。
一方、コロナ禍で懸念されることが多い「人間関係づくり」については、「社内の人間関係構築」(42.4%)が課題の上位に挙げられていたのに対し、「ヨコ(同期)のつながり強化」を課題視している人は26.1%。2020年に同様の調査を行った際の同選択肢の回答割合50.7%と比較し、大きく減少する結果となった。オンライン研修等を取り入れ対面の機会が減る分、意図的に横のつながりをつくる工夫を行っている企業が増えたことが想像できる。