第25回 今も昔も「時間」は有限 時間を有効活用できていますか? 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
コロナ禍だからこそ学びたい時間活用術
ビジネス書のベストセラーは、ビジネスパーソンの心理がそのまま反映されるが、2022年の上半期ベストセラーランキング(トーハン調べ)では「お金」関連の書籍が3冊ランクイン。これが今の時代感なのだろうか。
長年、この連載を読んでいる方はご存知かもしれないが、私は実は大の「時間術」関連書籍フリークだ。書店で時間術関連の本を見つけると、ついつい買ってしまう。時間術のコーナーを眺めていると、時間術は「永遠の課題」なのだと改めて感じる。
これまで、国内・海外問わず、素晴らしい時間術の本にお世話になってきた。そして今もなお、自分が知らない(できていない)時間術が多数存在すると信じている。
このコロナ禍で働く環境が変わった人も多いはずだ。日本の企業も働き方の方針を次々と更新しており、NTTは原則職場を「自宅」に。一方ホンダは「原則出社」を方針とし、大きな話題をよんだ。「オフィス+リモート勤務の併用型」、「原則出勤型」、「原則出勤不要型」と、スタンスをはっきりさせる企業が増えている。ただ良くも悪くも自分がコントロールする時間が増加していることは間違いないだろう。時間の使い方の巧拙がパフォーマンスに与える影響は大きく、目一杯頑張るのも、サボるのも自分しだい。限られた時間で成果を出すためには、はたしてどうしたらいいのだろうか……。
私自身、テレワークで1日9本の顧客面談を入れたらどうなるか実験してみたが、ある瞬間ゾーンに入ることがわかった。終わった後は、かつてない疲労感と妙な充実感を覚えた。そこで、昔も今も変わらないのは、“今の努力は必ず未来につながる”ことのような気がした。
読んでもらいたい時間術
時間の使い方に自信がない方は、『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー/キングベアー出版)のようなベストセラーはもちろんだが、最新の時間術の知見も学んでいただきたい。「時間術」の観点から読んでおきたい書籍は以下の通りだ。
①時間の本質を説いた海外ベストセラー
②デキるビジネスパーソンの時間術を徹底分析した書籍