おわりに 目標管理は人材マネジメントそのもの
サッカー日本代表が2022年ワールドカップ本大会出場を決めた。これからは「ベスト8以上」という共通の目標に向かって、選手一人ひとりが成長し、力を尽くしていくことだろう。
同様に我々ビジネスパーソンも目標に向かって成長し、成果を上げることが求められている。しかし、OPINION2の小林祐児氏が示した調査結果によると、目標が企業の期待ほどその機能を果たしていないことがわかる。目標を成果と成長につなげるために留意すべき点とは。本特集を振り返りながら整理していきたい。
成果管理にとどまっていないか
そもそもなぜ目標を定め、管理する必要があるのか。目標管理は心理学を基に構築された「目標設定理論」に根差し、発展してきた。これは「目標を立てるかどうかが人のモチベーションに大きな影響を与える」という考えだ。
しかし、日本では「期初に上司と部下が目標を設定し、期末に達成度を評価する手法」という成果管理の手段にとどまっているとOPINION3の守島基博氏は指摘する。得られた成果を評価するだけではなく、「目標の達成に向けて成長支援すること」が本来の意義だということを、まずは前提として押さえておきたい。
ジョブ型のメリット・デメリット
近年、労働市場や個人の就業意識の急激な変化を受け、人事制度の変更を検討している企業も多いだろう。人事制度が変われば、おのずと目標管理にも影響が生じる。