ART 日本美術家列伝 室町~江戸時代前期篇 放蕩生活の後、天性のデザイン力で「琳派」の礎を築いた尾形光琳 矢島 新氏 跡見学園女子大学 教授
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尾形光琳は近代以前の絵師の中で、間違いなく五本の指で数えられるスターである。しかし居並ぶ名手たちの中ではかなり修業期間が短い絵師であった。彼の遺した名作は数多いが、それらは努力の賜物というより、たぐい稀な天分によるところが大きいように見える。
光琳は京都の裕福な呉服商の次男に生まれた。若いころに狩野派の絵師に絵の手ほどきを受け、能や和歌にも親しんだようだが、それらは生活の手段とするためではなく教養人として生きるための習い事であった。前半生は遊び暮らしたらしく、身籠らせた女性に手切れ金を払うことまであったようだ。