第18回 磨き続けたいビジネススキル 令和時代のハイブリッド型話術 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人材にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
コミュニケーションの変化
世界の状況を見ていると、国によってはコロナショックを完全ではないが乗り越え、日常を取り戻しつつある光景を目にするようになった。
コロナ禍において大きな変化があったものの1つとして「コミュニケーションの在り方」があると思う。面と向かって話す「対面型」が当たり前だったものが「リモート型」が主体となり、今後は「対面+リモート」の「ハイブリッド型」に変容していくはずだ。
ちなみに2021年度に入ってからは「面着(対面)でお願いしたい」というオーダーは増えたように思う。じかに会って安心感を担保したいというのはわかる気がする。とはいえ、多くのビジネスパーソンはリモートでお客様との商談を実施することが多くを占めていると思う。いかにわかりやすくお客様に伝えるか、ということに頭を悩ませている方も多いことだろう。
私は仕事柄、ウェビナーを行うことが多いのだが、画面に向かって「1人ぼっち」のときは、顧客の反応が今一歩わからず、不安になることも多い。「話し方」に関する工夫は重要だと日々感じている。
音声メディアを参考に
重要なコミュニケーションスキルは様々だが、Withコロナ、Afterコロナを睨みながら、今後のことを考えると、今もっとも磨くべきは「話術」かもしれないと考えるに至った。対面とリモートでは、実は話し方が異なり、使い分ける技術が必要だ。池上彰氏やスーパーエバンジェリストである日本マイクロソフトの西脇資哲氏の話し方はぜひとも学んでおきたい。
そして今後、話術を磨くうえで参考にしたいのが、ラジオやVoicy1、そしてClubhouse2のような音声メディアだ。音声だけで顧客をつかんでいる「話がうまい」方々の工夫は非常に参考になる。書籍の観点からは、以下がおすすめである。
①話し方のプロによる指南本
②読み継がれる話し方本
③オンライン時代のスキルに言及した本
④リーダーシップと話し方の掛け合わせ本